けいどうみゃくかいめんじょうみゃくどうろう
頚動脈海綿静脈洞瘻
近くに位置する別々の血管である、内頚動脈と海綿静脈洞と呼ばれる静脈が、直接繋がって血液が流れている状態
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最終更新: 2022.04.01
頚動脈海綿静脈洞瘻の基礎知識
POINT 頚動脈海綿静脈洞瘻とは
別々の血管である内頚動脈と海綿静脈洞が直接つながってしまうことです。外傷の衝撃で血管の壁が壊れることがきっかけとして起こるとされています。外からの強い衝撃が原因で起こることが多いので、頭蓋底骨折や顔面骨折を伴うことが多いです。眼球の突出や視力の低下や頭痛、複視(ものが2重に見える)などの症状が現れます。画像検査(頭部CT検査や頭部MRI検査)によって診断がつけられます。症状が軽い人は様子を見ることがありますが、症状が重い人はカテーテル治療を行い、つながってしまった血管を塞ぎます。頭を強く打った後に眼球の突出や視力の低下がある人は、頸動脈海綿静脈洞瘻が起こっている可能性があります。すみやかに脳神経外科や救急外来を受診してください。
頚動脈海綿静脈洞瘻について
- 近くに位置する別々の血管である、頚動脈と海綿静脈洞と呼ばれる静脈が、直接繋がって血液が流れている状態
動静脈シャント の一種
- 主な原因として、動脈瘤の破裂や外傷の衝撃で血管壁が破れたことをきっかけとして起こる
- 外傷が原因の場合、半数弱は怪我をして1週間以内に起こる。一方で2ヶ月以上経ってから起こることもある
- 頭蓋底骨折や顔面骨折をしていることが多い
頚動脈海綿静脈洞瘻の症状
頚動脈海綿静脈洞瘻の検査・診断
- 画像検査
頭部CT検査 - 片方の眼球の突出を確認できる
頭部MRI 検査- 片方の眼球の突出を確認できる
脳血管造影検査 :内頚動脈から海綿静脈洞への血流を確認できる
頚動脈海綿静脈洞瘻の治療法
- 症状が軽い場合や改善しつつある場合は、そのまま様子をみる
血管内治療 - カテーテルを用いた治療
- 異常な血流のある血管をコイルなどを用いて詰めて、血液の流れをなくす