どらいあい(かんせいかくけつまくえん、るいえきげんしょうしょう)
ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)
涙が減り、目の表面が乾くことで様々な症状を引き起こしてしまう状態
4人の医師がチェック 116回の改訂 最終更新: 2021.06.18

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の基礎知識

POINT ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)とは

ドライアイは涙の量が減ることや不十分な働きによりさまざま症状が起こる状態のことを指します。眼の乾きやごろついた感じ、眼やにが多く出るなどの眼の症状の他に光を眩しく感じたり(羞明感)ものがかすんで見るたりする視野の症状も現れます。ドライアイの原因は加齢による涙の分泌量の低下や瞬きのすくなさ、生活環境(パソコン作業やスマートフォンの使用)薬の影響、全身の病気などさまざまです。検査は問診・身体診察に加えてシルマー検査(涙の量を調べる検査)やBUT測定検査(涙が乾くまでの時間を調べる検査)などが行なわれます。症状を和らげるために目薬を使用し、それでも症状が落ち着かない場合には手術(涙点プラグ挿入)を行うこともあります。また、ドライアイの原因が生活環境にないかを検討しある場合には、その改善も検討されます。目の乾きやごろつきなどが自覚される場合にはドライアイが原因になっている可能性があります。眼科を受診してください。

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)について

  • 涙が減り、目の表面が乾くことで様々な症状を引き起こしてしまう状態
    • 涙の分泌が少ない、涙の安定性が悪い(目にとどまらない)などの理由で角膜が乾燥し、傷ついたり、不快な症状が現れる
  • 主な原因 
    • 年齢による涙の分泌低下
    • まばたきの回数が少ない
    • 緊張、ストレス
    • 疲れ
    • コンタクトレンズの使用
    • 生活環境、職場環境(パソコン作業)
    • 薬の副作用
    • 喫煙
    • シェーグレン症候群
  • 日本では800万人が罹患していると言われている
    • コンピュータを使う現代人・コンタクトレンズ使用者・アレルギー性結膜炎の患者・高齢者・女性に多い傾向がある
    • 目がぱっちりしている顔立ちの人や下三白眼の人などは症状が強く出やすい
  • 分類
  • 兎眼、スティーブンス・ジョンソン症候群でも重度のドライアイを引き起こす
  • 乾性角結膜炎涙液減少症といった疾患も含めて、幅広い概念としてドライアイと総称されるようになってきている
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ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の症状

  • 目に現れる主な症状
    • 乾く
    • 目がごろつく
    • 充血する
    • 疲れる
    • 目やにが出る
    • 目が重たい感じがする
    • 不快感がある
    • 光がまぶしい(羞明感)
  • 重症になると違和感を通り越して目が痛くなる
症状の詳細

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の検査・診断

  • 主には状況の問診と目の診察から診断される
  • シルマー試験
    • ろ紙で涙を吸い取り、涙の量を確認する
検査・診断の詳細

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の治療法

  • ドライアイを起こしている原因の病気があればその治療を行う
  • 生活環境を改善する
    • パソコン作業の時間を減らす
    • 一度に行うパソコン作業を減らす
    • 瞬きを多くするようにする   など
  • 対症療法として、人工涙液やヒアルロン酸などの点眼薬を使用する
  • 涙が流れ出る点(涙点)に涙点プラグを挿入し、涙が目の表面にたまりやすいようにする
治療法の詳細

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の経過と病院探しのポイント

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)が心配な方

ドライアイは、眼の乾燥によって違和感や充血、眼の痛みといった症状が出ます。眼がごろごろして、頻繁に目薬が必要な方はドライアイの可能性が高いです。特にコンピュータを日常的に使用する方には多く、現代病と言える病気の一つです。

そのような症状がある場合には、まず一度お近くの眼科クリニックを受診して診察を受けることをお勧めします。ドライアイは眼科の中ではとてもよくある疾患ですので、大病院や専門病院でなければ診断がつけられないということはありません。特に検査を行わずに症状の経過からドライアイとして点眼薬を処方される場合も多いですし、判断に迷うような場合には涙の分泌量を確認するような検査もあります。

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ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)でお困りの方

ドライアイの根本的な治療法はなく、現時点での治療は対症療法に留まってしまいます。眼にうるおいを与える点眼薬を使用したり、眼から涙が流れ出る経路を塞ぐ涙点プラグという器具を眼に挿入したりします。

眼科の中にはドライアイ専門外来を設けているような医療機関もあります。症状が長引いて改善のないような場合には、このようなところを受診して相談することも選択肢の一つです。

また、シェーグレン症候群のように、他の病気の結果としてドライアイが生じることもあります。長年ドライアイに悩んでいる方は、このような可能性がないかを医師に確認してもらうのが良いでしょう。発熱や関節痛といった症状が出ますので、まずは特別な病院を受診する前に、かかりつけの眼科に質問してみるところから始めるので十分と考えられます。

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