あれるぎーせいけつまくえん(しゅんきかたるをふくむ)
アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)
眼の結膜でアレルギー反応が生じて、炎症の起こる病気
11人の医師がチェック 132回の改訂 最終更新: 2024.08.16

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)の基礎知識

POINT アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)とは

眼の結膜のアレルギー反応による炎症です。眼の他にも、くしゃみや鼻づまり、鼻水などの症状がでることが多く、花粉症の一症状としても見られます。症状は強いかゆみ、目の充血、目やに、涙目、目の違和感などです。春季カタルの場合はまぶたの裏側が腫れたり、黒目と白目の境が腫れたりすることがあります。診断は診察で行いますが、原因となる花粉を調べるために血液検査を行うこともあります。治療は抗アレルギー薬の点眼薬や、症状が強い場合はステロイド点眼薬を使います。内服での抗ヒスタミン薬を併用することもあります。花粉症の時期はマスクやゴーグルで花粉に触れる機会を減らすと効果的です。抗アレルギー薬の点眼は内科や耳鼻科で処方も可能ですが、症状が強い人は眼科を受診しましょう。

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)について

  • 目の結膜アレルギー反応が生じて、炎症の起こる病気
  • アレルギー性結膜炎の分類としては季節性と通年性がある
  • アレルギー性結膜疾患の中でも増殖性変化(とくにまぶた)の強いものを「春季カタル」と呼ぶ
    • まぶたの裏側がぼこぼこしたり、黒目と白目の間が腫れたりする
    • 春先や季節の変わり目に症状が重くなることが多く「春季カタル」と呼ばれるが、ほかの季節に起こる場合がある
  • 目以外にも、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を併発することが多い
    • スギ花粉症の症状として起こるパターンが多い
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アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)の症状

  • 主な症状
    • 強いかゆみ
    • 目の充血
    • 目やに
    • 涙目
    • 目の違和感 など
  • 「春季カタル」になると、まぶたの裏側が腫れたり、黒目と白目の境目が腫れたりする
  • 角膜(黒目の表面)に病変があれば、視力低下が起こることもある
症状の詳細

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)の検査・診断

  • 一般的には特に検査を行わず、症状だけから診断する
    • 以前からアトピー体質であったり、症状が季節とともに変わる特徴があれば参考になる
  • 結膜擦過:結膜の粘液成分から、アレルギーに特有の白血球を検出する
  • 血液検査:アレルギー反応があるかを調べる
    • RAST検査(アレルギー物質検査)を行う
検査・診断の詳細

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)の治療法

  • 主な治療法
    • アレルギー薬の点眼剤:副作用が少ないので選ばれやすい
    • ステロイド薬の点眼剤(緑内障白内障をはじめとした副作用には要注意)
    • 春季カタルなどで重症の人では、ステロイド薬の結膜下注射や内服あるいは免疫抑制薬の点眼剤を使用する
  • 予防、再発予防方法
    • 抗原が特定されていればそれを避ける
    • 花粉症の場合、アレルゲンである花粉にあらかじめ対策する
      • 花粉が飛ぶ時期の2週間以上前から抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬を点眼しておくことで症状を軽くできる
      • マスクやゴーグルを着用して花粉を極力避ける
治療法の詳細

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)に関連する治療薬

免疫抑制薬(点眼薬)

  • 免疫反応を抑えることで、アレルギー性結膜疾患の中で症状が重い「春季カタル」による目の腫れなどの症状を改善する薬
    • 増殖性変化の強いアレルギー性結膜疾患を「春季カタル」といい、まぶたの裏側が腫れるなどの症状が起こる
    • アレルギー反応は免疫細胞から反応を引き起こす物質が放出されることにより起こる
    • 本剤は免疫反応を抑えることでアレルギー反応を抑える作用をあらわす
免疫抑制薬(点眼薬)についてもっと詳しく

副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)

  • 抗炎症作用や抗アレルギー作用によって眼瞼炎、結膜炎、角膜炎などの炎症性疾患や手術後の眼の炎症などを抑える薬
    • 眼の炎症性疾患はアレルギーや外傷など何らかの原因によって炎症が起こっている状態
    • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)は抗炎症作用や免疫反応を抑える抗アレルギー作用などをあらわす
    • 本剤は副腎皮質ホルモンを元にして造られた薬剤成分を配合した点眼用製剤
  • 製剤によっては点眼用以外の用途(点耳用や点鼻用)でも使用するものもある
副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)についてもっと詳しく

抗アレルギー薬(眼科用外用剤)

  • 目におけるアレルギー反応を抑えることで、目のかゆみや充血などのアレルギー症状を抑える薬
    • アレルギー性結膜炎は花粉などのアレルギーの原因となる物質により、目の結膜でアレルギー反応が起きて、目のかゆみや充血などが起こる
    • 体内のアレルギー反応を引き起こす物質にヒスタミンやロイコトリエンなどがある
    • 本剤はアレルギー反応を引き起こす物質を阻害することで抗アレルギー作用をあらわす
抗アレルギー薬(眼科用外用剤)についてもっと詳しく

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)の経過と病院探しのポイント

アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)が心配な方

アレルギー性結膜炎では目の充血とかゆみが特徴です。花粉症による目の症状もアレルギー性結膜炎に含まれます。このような症状に該当してご心配な方は眼科、またはアレルギー科のクリニックでの受診をお勧めします。いわゆる花粉症であれば、アレルギー科ではなくとも一般的な内科のクリニックで十分に対応可能です。

アレルギー科は、アレルギーリウマチ科、アレルギー膠原病科、アレルギー免疫科、アレルギー血液科などといったように、他の科と一緒になっていることがあります。そのようなところでも、受診の際に症状を伝えれば適切な対応が可能ですのでご心配は不要です。

アレルギー性結膜炎の診断は問診と診察で行います。そしてアレルギーの原因物質を確認するためには血液検査を行います。アレルギー原因が不明でこのような検査を希望する場合には、受診前に検査が可能か医療機関に問い合わせると良いかもしれません。眼科で血液検査に対応できるクリニックは少なく、アレルギー科のクリニックや、病院で検査を受けることになります。

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アレルギー性結膜炎(春季カタルを含む)でお困りの方

アレルギー性結膜炎は、アレルギーを抑える目薬を使用するのが基本的な治療です。どこの眼科でも対応が可能な疾患ですので、特殊な医療機関を選んで受診しなければならないということはありません。症状が目だけならば眼科、目以外にも腫れやかゆみ、くしゃみなどの症状があればアレルギー科の受診が勧められます。

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