2015.07.20 | ニュース

花粉症に舌下錠は効くのか?季節性アレルギー性鼻結膜炎に対する舌下免疫療法の効果と副作用

13件4,659人のメタアナリシス
from JAMA internal medicine
花粉症に舌下錠は効くのか?季節性アレルギー性鼻結膜炎に対する舌下免疫療法の効果と副作用の写真
(C) miiko - Fotolia.com

草の花粉による花粉症の治療のひとつに舌下免疫療法がありますが、皮下免疫療法のほうが効果が大きいとする報告もあります。効果についてこれまでの文献をまとめたイタリアの研究班が、舌下免疫療法の効果は小さいとする見解を示しました。

◆過去の文献を検証

研究班は、草の花粉による季節性アレルギー性鼻結膜炎の治療として使われる舌下錠の効果と安全性について、文献検索によりこれまでの報告を集めて検証し、データを統合しました。

 

◆症状軽減、副作用に重症例も

効果について次の結果が得られました。

症状スコアについて、13件のランダム化対照研究からデータが得られ(患者数4,659人)、12件のランダム化対照研究からは投薬のスコアが得られた(患者数4,558人)。治療によるわずかな利益が症状スコア(標準化平均差-0.28、95%信頼区間-0.37から-0.19、P<0.001)と投薬スコア(標準化平均差-0.24、95%信頼区間-0.31から-0.17、P<0.001)に見られた。

舌下錠を使った対象者のグループでは、偽薬を使ったグループに比べて症状が軽減し、ほかに使われる薬が少なくなっていました。その差は標準化平均差で症状のスコアについて0.28、投薬のスコアについて0.24でした。

標準化平均差とは平均の差を標準偏差で割ったもので、0.28は偏差値の差2.8に相当します。

安全性については次の結果が得られました。

有害事象はSLITを使用した患者2,259人のうち1,384人(61.3%)と、偽薬を使用した患者2,279人のうち477人(20.9%)について報告された。SLIT群の7人の患者が、エピネフリンを必要とする治療関連有害事象を報告した。

舌下錠を使ったグループの61.3%と、偽薬のグループの20.9%に、副作用の可能性がある症状などが現れていました。そのうち、舌下錠のグループの7人に起こった、副作用と見られる反応では、重症のアレルギー症状に使われるエピネフリンが必要になっていました

研究班はこれらの結果から「利益の小ささを考えると、便利さと簡単に服用できることは、舌下免疫療法を選ぶための十分な理由とは言えないように思われる」と述べています。

 

効果と副作用のバランスをどう評価するかには価値判断が加わります。それぞれになるべく信頼できる量的な指標が示されていれば、判断材料になるかもしれません。

ただし、この研究は舌下免疫療法と、皮下免疫療法などほかの治療法を直接比較したものではありません。また草の花粉以外のアレルギーに対する舌下免疫療法はこの研究の対象ではありません。これらの論点については別の研究から情報が得られるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy of Grass Pollen Allergen Sublingual Immunotherapy Tablets for Seasonal Allergic Rhinoconjunctivitis: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA Intern Med. 2015 Jun 29 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26120825]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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