◆リフィテグラストはドライアイに効く?
ここで紹介する研究は、リフィテグラストの効果と副作用を調べるため、ドライアイが検査で確かめられ、一定以上の症状がある人を対象としました。
対象者はランダムに2グループに分けられ、リフィテグラストを使うグループ、偽薬を使うグループとされました。
どちらのグループも、リフィテグラストまたは偽薬を1日2回、84日間にわたって使用しました。治療の目標を2点設定しました。
- 自覚症状のスコアが改善する
- 角膜の検査のスコアが改善する
◆乾燥症状は改善、検査は改善が見られず
治療から次の結果が得られました。
リフィテグラストで治療された対象者は、偽薬で治療された対象者よりも目の乾燥がより大きく改善した(治療効果12.61、95%信頼区間8.51-16.70、P<0.0001)。下部角膜染色に群間の差はなかった(治療効果0.03、95%信頼区間-0.10から0.17、P=0.6186)。
目標とされたうち、乾燥の症状のスコアにはリフィテグラストで改善が見られましたが、角膜検査のスコアには改善が見られませんでした。
副作用については次の結果でした。
目の治療関連有害事象は偽薬で治療された対象者(16.4%)よりもリフィテグラストで治療された対象者で多かった(33.7%)。目の治療関連有害事象で深刻なものはなかった。
副作用の可能性がある症状などが、偽薬のグループよりも多く現れましたが、深刻な副作用はありませんでした。
治療目標の一部が達成されるという結果でした。この結果は、リフィテグラストが果たしうる役割を考える材料になります。
ドライアイは多くの人が悩む症状ですが、治療にはまだ多くの課題が残されています。
執筆者
Lifitegrast Ophthalmic Solution 5.0% versus Placebo for Treatment of Dry Eye Disease: Results of the Randomized Phase III OPUS-2 Study.
Ophthalmology. 2015 Dec.
[PMID: 26365210]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。