せんてんせいこうじょうせんきのうていかしょう(くれちんしょう)
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
生まれたときから甲状腺の働きが弱く、独特の顔や低身長、知能低下を起こす
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最終更新: 2022.08.21
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の基礎知識
POINT 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)とは
生まれついて甲状腺の働きが弱く、その影響によってさまざまな症状が現れる病気で、別名をクレチン症といいます。3000人から5000人に1人程度がこの病気をもって産まれます。元気がない、母乳の飲みが良くない、体重がなかなか増えないなどの症状が現れます。新生児のときに行う血液検査から見つかることが多く、疑いが強い場合は甲状腺の超音波検査やレントゲン検査などを行い詳しく調べられます。甲状腺ホルモンの内服を行うことで身体への影響を少なくすることができます。先天性甲状腺機能低下症が疑われる人は小児科で検査や治療が行われます。
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)について
- 生まれつき
甲状腺 の働きが弱く、甲状腺ホルモン が不足する病気- 重症から軽症まで
症状 の出方は様々
- 重症から軽症まで
- 甲状腺ホルモンが不足すると、全身の
代謝 が低下したり、身体や知能の成長が遅れたりする - 原因は以下の3つにわけられる
- 甲状腺が正常に作られなかった(甲状腺が存在しないあるいは違うところに存在する)
- 甲状腺ホルモンの産生または働きに問題がある
- 脳が甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを作らせる機能に問題がある(
下垂体 性、視床下部 性)
- 出生3000〜5000人あたり1人程度に起こると言われている
- 母親が甲状腺の病気をもっていたり、過剰な海藻摂取やイソジンの使用(ヨードの過剰摂取)が影響している可能性がある
新生児マス・スクリーニング の対象の病気
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の症状
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の検査・診断
新生児マス・スクリーニング では血液検査で疑いをつける- 新生児マス・スクリーニングの結果、臨床
症状 、画像所見 、精査 時の甲状腺 機能から総合的に診断する - マス
スクリーニング では血液中のTSHを測定する(場合によってはfT4も測定する場合もある)
- 新生児マス・スクリーニングの結果、臨床
- 画像検査
甲状腺超音波検査 :甲状腺の大きさを調べるレントゲン 検査:膝の骨の成長の度合いを調べる
- 血液検査:
甲状腺ホルモン などを調べる - 区別するべき疾患
- 乳児一過性高TSH血症
- 血液検査で甲状腺ホルモンを調べることで区別できる
- 乳児一過性高TSH血症
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の治療法
甲状腺ホルモン 製剤の内服を行うことで障害などを起こさないようにできる- 診断が確定していなくても、体内の甲状腺ホルモンが不足していると考えられる場合、甲状腺ホルモン製剤を使用する
- 甲状腺ホルモン不足により、身体の成長・知能の発達に悪影響が出ないようにする
- 3歳以降の適切な時期に、原因に関する
精査 を行う - 一過性の甲状腺機能低下症だった場合は、内服を止めることができる場合もある
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)が含まれる病気
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)のタグ
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)に関わるからだの部位
