まんせいふくびくうえん(ちくのうしょう)
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
急性副鼻腔炎が治りきらずに慢性化したもの。一般的には蓄膿症と呼ばれることも多い
11人の医師がチェック 51回の改訂 最終更新: 2024.07.24

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の治し方は?

慢性副鼻腔炎の治療は自宅でできるものから手術まで幅広い選択肢があります。また、治療が長期間に及んだり再発しやすかったりするために治りにくいという印象を持たれているかもしれません。ここでは治療の方法や完治に要する期間などを中心に説明します。

目次

軽症の副鼻腔炎であれば、薬を使わずに鼻うがいなどによって、自然治癒することがあります。特に、子供の場合は副鼻腔の発達と共にほとんどが自然治癒します。ただし、鼻づまりや、後鼻漏鼻汁などの症状が強い場合は自然治癒には期待しにくいです。このため症状が悪化する場合やなかなか治らない場合には医療機関を受診して詳しく調べてもらい治療を受けるようにして下さい。

慢性副鼻腔炎の家庭内治療の代表的なものに鼻うがい(鼻の洗浄)があります。鼻うがいと病院での治療を組み合わせることで、早く治療効果がでる可能性があります。

塩水で鼻を洗浄する方法です。鼻の中にあるを洗い流すことができます。真水で洗浄すると鼻が痛くなるので、0.9%の塩水(500mlの水に小さじ1の塩)を作って、これを用いて洗浄します。必ずしも煮沸した水でなくても構いませんが、水道水を使う場合は、作ってから24時間以内に使い切るようにして下さい。片方の鼻を押さえて、鼻から吸って口から水を出す行為を繰り返します。

鼻うがいは慢性副鼻腔炎の多くの人に対して症状の改善効果があり、副作用や合併症が少ないと報告されています。鼻うがいには鼻水内の細菌炎症を引き起こす物質を除去できる効果があります。鼻ポリープがない人に特に、鼻うがいの効果があります。

慢性副鼻腔炎に効果のあると言われているツボは下記です。

  • 上星(じょうせい):頭の中央で、髪の毛の生え際から頭頂方面に2 cmほどの部位

  • 印堂(いんどう):眉間の中央

  • 迎香(げいこう):小鼻の左右の凹み

  • 鼻通(びつう):迎香の少し上

  • 合谷(ごうこく):手の甲の人差し指と親指の付け根

  • 内庭(ないてい):足の人差し指と中指の付け根

  • 太陽(たいよう):こめかみの目尻側

慢性副鼻腔炎そのものが治るというよりは、頭痛や頭重感、顔面痛などの症状が軽くなると考えられています。病院での治療に並行して試してみてもいいかもしれません。

慢性副鼻腔炎で臭いが気になるときに自宅でできることは?

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に伴う臭いの原因は主に以下の2つです。

  1. 鼻水の悪臭

  2. 鼻づまりによる口臭

2つの対処法いについて自宅でできることを説明します

■鼻水の臭い

鼻をかんだ時に、鼻の中にたまった膿が塊になって出てきて、不快な臭いを感じたことがあるかもしれません。慢性副鼻腔炎の場合、鼻水に膿が混じることが多いので悪臭を感じることが多いです。膿を含んだ鼻水を少なくするためには自宅できる鼻うがいが有効です。治療とともに鼻うがいも同時に行ってみて下さい。

■鼻づまりによる口臭

慢性副鼻腔炎による鼻づまりが強い場合は、口呼吸になります。口呼吸で口の中が乾燥すると、口の中の細菌が増えて、口臭の原因になります。鼻詰まりに対しては治療をすることで良くなることが望め、同時に口が乾燥しないようにこまめな水分補給などを心がけることも大切です。

慢性副鼻腔炎の市販薬には、チクナイン®錠、ベルエムピ®L錠、ホノミビスキン®、エンピーズ®、フジビトール®などがあります。いずれも漢方薬をもとにして作られています。

チクナイン®は辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、ベルエムピ®L錠は荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)と同成分です。フジビトール®B錠は葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の成分が含まれており、いずれも蓄膿症に対して効能・効果があります。漢方薬は、体質によって合うものが異なるため、いずれの市販薬の効果にも個人差がでます。市販薬を購入する際には薬剤師に相談すると、自分にあった薬を選べるかもしれません。

病院で行う慢性副鼻腔炎の治療には鼻の処置や処方薬の内服、手術があります。これらの治療を組み合わせて行うことで、症状の改善を行います。これ以降では治療とともにかかるべき診療科や気になる点などについても説明します。

慢性副鼻腔炎は耳鼻咽喉科で治療を行うので、受診する科として適切です。大人の場合は耳鼻咽喉科を受診して下さい。

悩ましいのは子供の場合です。副鼻腔炎であった場合には専門的な処置や検査ができる耳鼻咽喉科を受診するのがよいのですが、大人に比べて子供は症状を上手に伝えられなかったりすることもあり副鼻腔炎を疑うのが難しいことがあります。このため、まず小児科を受診して症状の原因が慢性副鼻腔炎かどうかを調べてもらうのはよい選択だと考えられます。小児科で慢性副鼻腔炎と診断された場合には、その程度に応じてそのまま小児科で治療をする場合もあれば耳鼻咽喉科を紹介される場合もあります。

子供の慢性副鼻腔炎の特徴は以下の通りです。

  • 細菌感染が多く、原因菌が大人と異なる
  • 症状の悪化を繰り返す
  • 鼻茸合併が少ない
  • 成長とともに自然治癒に至ることが多い

大人の慢性副鼻腔炎で最も異なる点は、鼻の奥にあるアデノイドが関与することです。アデノイドとは別名で咽頭扁桃(いんとうへんとう)といい、鼻の奥の突き当たりの部分で、鼻からのどに移行する上咽頭という部分にあるリンパ組織の塊です。鼻や口からはいる細菌やウイルスと戦う物質を作ったり、戦う場となったりして、体内に細菌やウイルスが侵入することを防ぐ働きをしています。アデノイドの細菌感染が長引くことで、慢性副鼻腔炎が治りにくくなると考えられます。

急性増悪を繰り返している場合は、原因菌を確認し、それに応じた抗菌薬を用います。マクロライド少量長期投与(マクロライド系抗菌薬を長期間にわたって内服する)は耐性菌を考えて、特に子供の場合はあまり推奨されません。小児の慢性副鼻腔炎は症状と経過、鼻の中の様子で診断されます。X線検査CT検査は必ず行うわけではありません。そのため、治療の効果は鼻水や後鼻漏などの自覚症状に注目します。

慢性副鼻腔炎で処方される薬は下記のようなものがあります。

  • 抗菌薬:マクロライド系など

  • 気道疾患治療薬

  • アレルギー

  • 副腎皮質ステロイド薬

  • 漢方薬

これらを組み合わせて治療を行います。以下ではそれぞれの治療について解説します。

■抗菌薬:マクロライドなど

慢性副鼻腔炎で日本で広く処方されている薬は、マクロライド系抗菌薬です。常用量の半分の量で8−12週間内服します。この治療方法は「マクロライド少量長期投与」、「マクロライド少量長期療法」、「マクロライド療法」などと呼ばれます。この治療には、鼻茸のない慢性副鼻腔炎で症状の改善に有効であった報告と、効果がないという報告の両方があります。マクロライド系抗菌薬の耐性菌の増加の問題や、下痢の副作用が起こりやすい問題もあります。

現在、抗菌薬の不適切使用が問題となっており、治療により得られる症状改善などのメリットの大きさを考えて、マクロライド少量長期投与を行うか検討が必要です。

治療中に風邪をひくと、悪化することがあり、症状が強い場合は、他の抗菌薬を用いることがあります。かぜをきっかけに鼻水の悪化や頭痛、顔面痛の悪化があり10日間程度しても改善がない場合や、高熱が持続する場合(急性増悪:きゅうせいぞうあく)は、ペニシリン系抗菌薬(商品名サワシリン®など)などを用います。症状がかなり強い場合は、ニューキノロン系抗菌薬(商品名ジェニナック®など)を用いることもあります。ただし、抗菌薬が必要かどうかは慎重に判断されます。安易な抗菌薬の使用は耐性化につながることや下痢などの副作用もあるからです。

■気道疾患治療薬

カルボシステインという気道疾患治療薬は、気道粘液成分を調整することで以下の様な効果が期待できます。

  • 鼻汁の粘稠度(ねんちょうど:粘り気)を少なくする
  • 鼻水などの粘液を輸送する細胞の働きを改善する
  • 粘液貯留や粘膜肥厚を防いで気道粘膜を正常化する

カルボシステインは副作用が少ないので長期間に渡って内服することもあれば、他の治療薬と一緒に使われることもあります。

■抗アレルギー薬

抗アレルギー薬のうち、花粉症などに用いられる抗ヒスタミン薬は有効性が不明です。好酸球性副鼻腔炎では、抗ロイコトリエン薬と呼ばれる、アレルギーを抑える作用のある薬が用いられます。

■副腎皮質ステロイド薬

副腎皮質ステロイド薬の内服は、好酸球性副鼻腔炎に有効です。点鼻用のステロイド鼻茸のないタイプの慢性副鼻腔炎には、症状の改善に有効な報告が多く見られます。

■漢方薬

漢方薬は有効性が不明ですが、体質によっては効果があるかもしれません。

慢性副鼻腔炎に対して鼻の中に棒を入れる治療が耳鼻咽喉科で行われることがあります。この処置を副鼻腔自然口開題処置といいます。

慢性副鼻腔炎では炎症により分泌物の排泄や換気が悪くなり、さらに炎症が悪化する悪循環に陥っています。この悪循環を改善する目的で分泌物の排泄や換気をしやすくする副鼻腔自然口開大処置を行います。

副鼻腔自然口開大処置で用いる長い綿棒には、局所麻酔薬(塩酸リドカインなど)と血管収縮薬(エピネフリンやナファゾリンなど)が塗り込んであります。局所麻酔薬で鼻粘膜を麻酔し痛みをやわらげ、血管収縮薬で鼻の粘膜を縮めて、排泄経路を広くします。棒を抜いた後に、鼻・副鼻腔にあったねばっこい鼻汁を、吸引して除去します。

この処置に加えて薬液を細かい霧状にして鼻や口から吸入するネブライザー療法を行なうことで、さらに症状を改善させる効果が知られています。

参考文献:荒木 倫利,他, 副鼻腔自然口開大処置の有用性とその評価, 耳鼻咽喉科展望, 2003 補1; 46: 28-33

慢性副鼻腔炎の治療で点滴をすることはほとんどありませんが、急激に副鼻腔炎が悪化した場合には必要なことがあります。急激な慢性副鼻腔炎の悪化は、慢性副鼻腔炎急性増悪(きゅうせいぞうあく)と呼ばれます。ねばっこい鼻汁や、色のついた鼻汁の量が増えたり、鼻づまりが悪化したり、頬や額、目の周囲が痛くなり、場所によっては歯痛として感じます。

細菌感染によって急性増悪が起きていると考えられる場合は、点滴の抗菌薬が使用されることがあります。

投薬治療や局所治療などを行っても、鼻づまりや粘っこい鼻汁、色のついた鼻汁、後鼻漏、頭痛などの症状が残る場合、手術が検討されます。

手術は内視鏡を用いて、通常は全身麻酔で行います。鼻から内視鏡をいれて手術をするため、顔に傷がつくことはありません。具体的には、内視鏡を見ながら鼻の中にあるポリープを除去したり、副鼻腔と鼻腔をつなぐ細い経路を大きく広げたりします。日帰り手術を行なう病院もありますが、1週間前後の入院が必要になる病院が多いです。慢性副鼻腔炎は内視鏡で治療できることが多いのですが、再発した慢性副鼻腔炎の場合は、歯茎や眉毛の下を切る手術が必要になることがあります。

慢性副鼻腔炎でも症状が軽症であれば妊娠中でもそのまま経過をみることができます。急激に悪化した場合は、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬を使用することがあります。

妊娠中に薬を使うことは赤ちゃんへの影響が心配になるところですが、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬は妊婦に使っても安全だとされています。その他に、鼻うがいや、耳鼻咽喉科での鼻処置や副鼻腔自然口開大処置なども有効です。漢方薬による治療も選択肢のひとつですが、自己判断で飲むのではなく医師から処方を受けてください。

日本で慢性副鼻腔炎の治療に多く用いられているマクロライド系抗菌薬は、妊婦に使用しても安全とされていました。しかし、2015年に発表された論文は、ペニシリン系の抗菌薬を服用した例よりも、マクロライド系の抗菌薬を使用した例で、子供の脳性麻痺てんかんのリスクが増加していると報告しています。1本の論文だけで結論は出せませんが、ペニシリン系やセフェム系の選択肢があるなら、念のためマクロライド系抗菌薬を避けるという考え方もできるでしょう。(PLos One. 2015; 10(3): e0122034)

慢性副鼻腔炎の治療で何を行っているかによりますが、鼻うがいや、耳鼻咽喉科での局所治療のみの場合は授乳も問題ありません。

一方で、慢性副鼻腔炎は薬を用いて治療することもあります。日本で広く用いられているマクロライド系抗菌薬は、授乳中に使用しても安全とされています。症状のある場合は授乳しながら治療しても安全です。急性増悪時に用いられる、ペニシリン系やセフェム系抗菌薬も、授乳中も安全に使用できる薬剤として知られています。

慢性副鼻腔炎の治療は大きく分けて、投薬による治療と手術治療があります。

投薬治療では通院での初診料・再診料、処置料、薬剤料などがかかります。画像検査をした場合は、その費用もかかります。X線検査より、CT検査の方が高額ですが、より詳しく評価できます。マクロライド少量長期投与で使用するクラリスロマイシンの薬価は、1日量として後発品で19円、先発品で30円程度です。8−12週間使用します。負担率などで詳細な費用は異なります。

外来通院でかかる保険点数の一例です

  • 初診料:時間内の一般・老人282点、乳幼児(6歳未満)357点

  • 再診料:時間内の一般・老人は73点、乳幼児(6歳未満)111点

時間外や休日、深夜の受診では初診料や再診料が高くなり、さらに加算点数が加わります。

  • 処方せん料:7種類未満の投薬68点、7種類以上の投薬40点

  • 処置:鼻処置12点、副鼻腔自然口開大処置25点

  • ネブライザー:ネブライザー12点、超音波ネブライザー24点

  • ファイバー検査:嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー600点

  • 外科的処置:上顎洞穿刺(片側)60点

  • 画像検査:CT撮影580点〜1000点、MRI撮影920〜1600点、加えて診断料がかかります。

たとえば再診外来通院1回では3割負担で570円程度を窓口で支払うことになります。再診料73点+鼻処置12点+副鼻腔自然口開大処置25点+ネブライザー12点+処方せん料68点の合計で190点となります。1点あたり10円がかかる費用です。そのうち1割から3割が自己負担となります。つまり3割負担なら1900円のうち570円を支払います。これにくわえて、薬剤料がかかります。

手術治療では手術内容や入院の有無などで、費用は異なりますが、約10万円から20万円程度です。高額療養費制度の対象となることがあります。費用について詳しく知りたい場合は、手術を行う病院に問い合わせてください。行う予定の手術名や、高額療養費制度についてもあわせて質問するといいでしょう。
高額療養費制度について詳しくは厚生労働省のウェブサイトやこちらの「コラム」による説明を参考にしてください。

慢性副鼻腔炎に診療ガイドラインはありません。2007年に日本鼻科学会から、『副鼻腔炎診療の手引き』は出版されています。

慢性副鼻腔炎の治療中に、風邪を引いた場合に薬を飲んで良いか悩むかもしれません。

発熱やのどの痛みなどがある場合は、市販の風邪薬を併用しても構いませんし、ロキソプロフェンナトリウム(商品名ロキソニン®など)などの解熱鎮痛薬も有効です。

人によっては、高血圧や糖尿病などの他の病気で飲んでいる薬があるかもしれません。そのような場合は、薬の飲み合わせも考えなければなりませんので、薬局の薬剤師に相談もしくは内科や耳鼻咽喉科を受診して下さい。

風邪をきっかけに慢性副鼻腔炎の急激な悪化(急性増悪)を起こす可能性があります。急性増悪が起きると、鼻水がさらに黄色くなったり、ねばっこくなったり、量が多くなったりします。鼻水以外の症状は、頭痛や歯痛、発熱などです。慢性副鼻腔炎の急性増悪に対しては抗菌薬の追加などが必要なこともあります。このため、症状の悪化や今までになかった症状の出現など急性増悪を疑わせる場合には耳鼻咽喉科を受診して下さい。

 「長い治療期間」や「繰り返す再発」のために慢性副鼻腔炎は治りにくいまたは治らない病気というイメージを持たれているかもしれません。実際に慢性副鼻腔炎は治りにくいのでしょうか。治療期間と完治について説明します。

マクロライド少量長期投与を行った場合の治療期間は8-12週間が目安になります。治療が有効だと判断される場合は6ヶ月まで治療期間を延長して経過をみることもあります。

途中で明らかに無効である場合は中止して、手術などの他の治療に切り替えます。手術が上手く行けば治療はその時点で終了となります。手術では病気を起こしている鼻の粘膜を切り取ったりするのでもとに近い状態になるには4週間程度かかるとされています。「慢性副鼻腔炎の手術とは?」で詳しく説明しているので参考にして下さい。

慢性副鼻腔炎は鼻や副鼻腔の環境が改善すると完治します。鼻茸のない慢性副鼻腔炎に一定の効果があるとされてマクロライド少量長期投与は治療が有効であれば、8-12週間で完治するとされています。

しかし、慢性副鼻腔炎では一度完治しても、風邪などをきっかけに再発することがあります。以前にマクロライド系抗菌薬が有効であった人は、再発しても治療で完治が見込めます。マクロライド少量長期投与について詳しくは「慢性副鼻腔炎の薬」で説明しているので参考にして下さい。

再発を繰り返す場合には手術も選択肢の1つです。手術では副鼻腔と鼻をつなぐ経路を大きく広げたり、鼻内の骨で囲まれた複雑な空間を大きく1つにつなげて、副鼻腔内に炎症物質がたまることを防ぐようにします。

手術は有効な治療ですが、全員が完治するわけではなく再発する人もいます。特に生まれつき、鼻・副鼻腔から肺などの呼吸器系の鼻水や痰を出す、線毛細胞の機能低下(原発性線毛機能不全)がある場合は、手術をしても再発することが多いとされています。

子どもの慢性副鼻腔炎は完治が可能です。特に、軽症であれば小児の慢性副鼻腔炎は成長とともに、自然治癒することが多いです。このため、粘液溶解剤や鼻うがいや鼻処置、ネブライザー治療での局所治療で経過をみることが多いです。

一方で、成人と違って子ども(特に幼児)は風邪を引きやすいので症状の悪化(慢性副鼻腔炎急性増悪)を繰り返す場合もあります。この場合、大人と同様にマクロライド少量長期投与が行われることがありますが耐性菌の問題や副作用の問題から、第一選択の治療とはなりにくいです。ねばっこい鼻汁が1-3ヶ月継続して、鼻づまりや鼻水によって、眠れないなどの強い症状が持続している場合にはマクロライド少量長期投与が検討されます。(マクロライド少量長期投与については「慢性副鼻腔炎の薬」で詳しく説明しているので参考にして下さい。)

内服治療などを行っても治らない場合には手術が検討されることがあります。慢性副鼻腔炎の手術については「慢性副鼻腔炎の手術」で詳しく説明しているので参考にして下さい。