まんせいふくびくうえん(ちくのうしょう)
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
急性副鼻腔炎が治りきらずに慢性化したもの。一般的には蓄膿症と呼ばれることも多い
11人の医師がチェック 40回の改訂 最終更新: 2018.02.09

Beta 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)のQ&A

    蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の漢方薬治療について教えてください

    蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の治療法として、抗菌薬などを使用する薬物療法や手術が行われることがありますが、漢方薬を用いる場合もあります。

    漢方では、蓄膿症を膿といった毒素を排出させるだけではなく、以下のような目的で蓄膿症になりやすい体質を改善させる治療を行います。

    • 膿など余分な老廃物を鼻腔から排出する

    • 水分代謝や血行を良くする

    • 新陳代謝や免疫力を上げる

    蓄膿症の漢方薬には以下の種類があります。

    • 葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

    • 刑芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

    • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

    それぞれの効能と副作用をご紹介します。

    ◎葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

    • 効能:鼻づまりを良くする働きがあります。

    • 適応:肩こりや頭が重い症状がある場合に良く効くとされます。ただし、体が弱っている人、胃腸の調子が悪い方や発汗の多い方には向かないかもしれません。また高血圧や心臓病、脳卒中既往など循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。

    ◎刑芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

    • 効能:細菌の増殖を抑えたり、熱を発散する作用があり、蓄膿症に効果があるとされます。

    • 適応:体力が弱っていない方で、手足の汗をかきやすい方、血行が悪く皮膚の色が少し黒がかっている方に向いているとされます。

    ◎小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

    • 効能:発汗作用があり、体の熱や腫れを発散させ体内の水分バランスを調整する働きがあります。

    • 適応:水っぽい鼻水や痰が出る場合によく効くとされています。

    漢方は、副作用が少ないとされますが、中にはかゆみや発疹が現れることがあります。何か気になる点がありましたら担当の医師の方や薬剤師の方にご相談ください。

    慢性副鼻腔炎の原因について教えて下さい。また、遺伝する病気ですか?

    成人では感染による急性副鼻腔炎を繰り返すことで慢性副鼻腔炎へ移行するといわれ、遺伝では無いと考えられています。これとは別の副鼻腔気管支症候群や好酸球性副鼻腔炎などの特殊な副鼻腔炎では遺伝的素因が関与しているといわれています。また、小児の副鼻腔炎では感染の他に免疫、アレルギーも関与しており、体質的な要因もあるようです。

    副鼻腔炎と蓄膿症の違いについて教えて下さい。

    副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)の粘膜に炎症が起こり、様々な症状が出る病気が副鼻腔炎です。副鼻腔炎には急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。「蓄膿症」という言葉は慢性副鼻腔炎を指すことが多いのですが、最近はあまり使われなくなっています。

    慢性副鼻腔炎の症状について教えて下さい。

    粘稠性(ねばねばとした)あるいは膿性鼻汁、鼻閉、後鼻漏、頭痛や頭重感が続きます。小児では注意力が散漫になったり、睡眠障害の原因となることがあります。

    慢性副鼻腔炎の診断方法について教えて下さい。

    副鼻腔炎の症状が3ヶ月以上続いている場合に、慢性副鼻腔炎を疑います。前鼻鏡や内視鏡などの器具を使って鼻腔を視ると、粘膜の腫れ、鼻茸(鼻ポリープ)、膿性あるいは粘性の鼻汁が観察できます。副鼻腔は直接視ることはできないので、レントゲンやCT検査で確認します。

    慢性副鼻腔炎と診断が紛らわしい病気はありますか?

    副鼻腔真菌症、鼻副鼻腔の良性あるいは悪性腫瘍などで、副鼻腔炎と同じような症状がみられます。

    慢性副鼻腔炎の治療法について教えて下さい。

    抗菌薬、消炎酵素薬や粘液溶解薬などの薬物療法が行われます。少量のマクロライド系抗生物質を長期間内服することで改善する場合もあります。副鼻腔に溜まった膿汁に対しては、副鼻腔洗浄やネブライザー治療などが行われます。重症の場合には内視鏡を使った副鼻腔炎の手術が行われます。

    慢性副鼻腔炎の手術はどのようなものですか?

    内視鏡を使って鼻の中から副鼻腔を開放する内視鏡下鼻・副鼻腔手術が行われます。手術は自然口という鼻腔と副鼻腔への交通路を拡げて、副鼻腔の換気をよくすることで、炎症を起こしている副鼻腔の粘膜を正常な状態に回復させることが目的です。

    慢性副鼻腔炎の手術は入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    内視鏡下に行う鼻内手術は手術による体へのダメージが少なく、一般的には1週間前後の入院で行われることが多いのですが、外来日帰り手術で行われる場合もあります。また、副鼻腔炎は手術後の治療が最も大切です。手術後の創部が感染することを防ぎ、鼻の粘膜を安定化させるために、最低でも3ヶ月は鼻の中の清掃と洗浄を行います。

    慢性副鼻腔炎に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    慢性副鼻腔炎はかぜの後で悪化することが多く、くり返していると再発します。かぜ症状が少しでも続く場合には、耳鼻咽喉科を受診して治療を受ける必要があります。

    慢性副鼻腔炎は、完治する病気ですか?

    小児の副鼻腔炎は大人と比べると長期的には予後良好です。症状を繰り返しているうちに、多くは自然に治癒します。一部は症状が固定し、成人の副鼻腔炎に移行することがあります。  大人の慢性副鼻腔炎は症状が固定化すると回復が難しくなりますが、ほとんどの慢性副鼻腔炎は薬物療法と局所療法を継続することで改善が望めます。

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