こうさんきゅうせいふくびくうえん
好酸球性副鼻腔炎
鼻の中にポリープができ、においの感じにくさや鼻づまりが起こる病気。ポリープには好酸球という細胞が集まっている
1人の医師がチェック 0回の改訂 最終更新: 2020.08.25

好酸球性副鼻腔炎の基礎知識

POINT 好酸球性副鼻腔炎とは

好酸球性副鼻腔炎は鼻の中にポリープができる難治性の副鼻腔炎です。ポリープには好酸球と呼ばれる免疫細胞が集まっています。においを感じにくくなったり、鼻づまりの原因になります。命に関わることはありませんが、鼻のポリープは手術で取り除いても再発を繰り返します。ステロイド薬が有効なことが多いです。症状に思い当たる節がある人は、耳鼻科を受診して相談してください。

好酸球性副鼻腔炎について

  • においを感じにくくなったり、鼻づまりが主な症状
    • 鼻の中にはポリープができ、臭いの感じにくさや鼻づまりの原因となる
    • ポリープには好酸球というアレルギーに関わる免疫細胞が集まっているという特徴がある
    • 気管支喘息など他のアレルギーの病気を一緒に持つことが多い
  • 20歳以上の人に起こることが多い
  • おおよそ2万程度いると考えられている
  • 難病指定されている

好酸球性副鼻腔炎の症状

  • 鼻の症状
    • 重度の鼻づまりで、鼻の両側が詰まることが多い
    • 鼻づまりがひどくなると、口呼吸となり、口のかわき、喉の痛みの原因となる
    • 臭いを感じられなくなる(嗅覚障害)
    • 粘りっこい鼻水を伴うこともある
  • 耳の症状
    • 炎症が耳にまで及ぶと耳だれの原因となる
    • 難聴の原因になることがある

好酸球性副鼻腔炎の検査・診断

  • 鼻鏡検査
    • 鼻の中の状態(ポリープがあるか)を確認
  • 血液検査
    • 好酸球数の増加
    • ステロイド薬の使用前には血糖値、血清コレステロール値のチェック
  • CT検査・MRI検査
  • 病理検査
    • ポリープを手術で切除した場合などに行われる
    • ポリープの中身を顕微鏡で確認する
    • 好酸球性副鼻腔炎では好酸球が集まっている
    • がんとの識別などにも役立つ

好酸球性副鼻腔炎の治療法

  • ステロイド薬(プレドニン®など)の内服が有効
    • ただし、ステロイド糖尿病脂質異常症、不眠、骨粗しょう症などの副作用があるため、なるべく長期に使用しないようにする
    • ステロイドの中止のタイミングについては、症状の程度と治療の効果を見ながら専門家が判断することが望ましく、自己判断で中止しないように気をつける
  • 手術による切除を行うこともあるが、再発を繰り返すことが多い
  • ステロイド薬や手術でも治療に難渋する場合には、デュピルマブ(デュピクセント®:IL-4受容体阻害薬)を用いることがある

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からだ