かふんしょう
花粉症
植物の花粉に対するアレルギー反応。症状として、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が起こる。
12人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2018.06.06

花粉症とは?季節・症状・治療とアレルギーとの関係

春になるとスギ花粉症で気が重くなる人もいるかもしれません。日本では全国で30%弱の人が花粉症を持っているとされています。花粉症のシーズンを上手に乗り切るために、花粉症のポイントについて説明していきます。

1. 花粉症はどんな病気なのか?

花粉症は花粉に対するアレルギー反応です。花粉を異物と認識して引き起こされたアレルギー反応がさまざまな症状が起こります。花粉によるアレルギーが起こる部位は主に鼻や目です。また、スギによる花粉症は有名ですが、スギだけではなくさまざまな花粉が原因になります。

日本で最も多い花粉症はスギ花粉症です。スギ花粉を風に乗って飛散するため、スギ花粉症が広範囲で起こります。

花粉症の主な症状は次のとおりです。

  • サラサラした鼻水
  • 鼻づまり
  • 発作的に起こる止まりにくいくしゃみ
  • 目の違和感
  • 目の充血
  • 目のかゆみ
  • 涙目

上に挙げた代表的な症状の他に、のどのいがらっぽさや、咳、皮膚のかゆみなどを感じることもあります。

このような症状があるときは花粉症の可能性があるため、症状に困っている人は耳鼻咽喉科や眼科、内科などを受診してください。耳鼻咽喉科では鼻の中の診察、眼科ではまぶた)の裏の診察などを行い、その結果から花粉症と診断されます。具体的にどの花粉にアレルギーがあるかについては、血液検査で種類別のアレルギー値(RAST:radioallergosorbent test、CAP:capsulated hydrophilic carrier polymerなど)を測定すると参考になります。

花粉症の治療は、花粉の回避や花粉症に対する薬がメインになります。自分でできる対処法として、マスクやメガネを装着して花粉を回避することが重要です。花粉症の薬は医療機関で処方してもらえますし、最近では処方薬と同成分が入った市販薬もあります。花粉症の治療では、早い段階から治療を開始することで重症化を防ぐことができるため、医療機関に受診する時間がない場合は、薬局で売っている市販薬を飲み始めるのも一つの方法です。症状が改善しない場合は、医療機関に受診しましょう。

その他の花粉症の治療としては、レーザー治療や、減感作療法(アレルゲン免疫療法)などがあります。

2. 花粉の季節はいつからいつまでか?種類によってどう違うのか?

花粉の種類によって花粉症が起こりやすい季節は異なります。つまり、花粉が多く飛散する時期に一致して花粉症の症状が出やすくなります。花粉が飛散する時期は地域によっても異なるので、周囲の人の症状の様子や天気予報の花粉情報にも注目するようにして下さい。

最も多いスギ花粉症は、東京では2月から4月がピークとなります。ちなみに、沖縄や北海道ではスギがないため、スギ花粉症はありません。スギに続いて飛散するのはヒノキ花粉になります。スギやヒノキは大量の花粉を遠くまで飛ばす性質があるため、スギやヒノキの花粉症を持つ人が多いです。

しばしば夏の花粉症の原因になるのはイネ科の植物です。イネ科の植物は、カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなどが代表です。イネ科の花粉の飛散時期は長く、春から秋(4-10月)にかけて飛散します。これらの植物は牧草として栽培されることが多く、河川敷などでよく見られます。イネ科の花粉は遠くへは飛散しないため、生息地域に近づかないことで、花粉症の症状を起こりにくくできます。

秋の花粉症で問題となりやすいのはブタクサです。ブタクサと同じキク科のヨモギや、クワ科のカナムグラ、イラクサ科のイラクサなども秋に花粉が飛散します。

詳しくは「花粉は秋にも飛ぶ?ブタクサ、カモガヤ他の種類ごとのシーズン」に書いてありますので、見てみて下さい。

3. 花粉症ではどんな症状が出るのか?

花粉症の主な症状は鼻と目に起こりますが、他にも全身にさまざまな症状を起こします。

  • 鼻:サラサラした鼻水、突発的に繰り返すくしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみ
  • 目:目のかゆみ、異物感、涙目、目やに
  • のど:のどのかゆみ、痛み、違和感
  • 皮膚:肌荒れ、湿疹

花粉が鼻や目につくことで、アレルギー反応を起こって症状が出ます。鼻づまりで口呼吸になると、のどにも花粉が付着して、のどのかゆみなどを生じることがあります。花粉が皮膚につくことで、肌荒れや湿疹を起こすこともあります。

その他にも、花粉症によって次のような症状が出ることがあります。

  • 眠気
  • 頭痛
  • 日中の眠気
  • だるさ

花粉症では咳がひどくなることがあり、風邪喘息などと分かりにくいことがあります。咳は花粉によるのどのアレルギー(喉頭アレルギー;こうとうあれるぎー)や、鼻水がのどをつたって落ちること(後鼻漏;こうびろう)で起こります。

症状については、「頭痛は花粉?咳・喉がかゆい・熱などの症状と風邪との見分け方」に詳しく書いてありますので、見てみてください。

4. 花粉症にはどういった治療をするのか?

花粉症の治療は、花粉を避けることと花粉症に対して薬を使用することの2点が重要です。その他に、2014年から行われるようになった舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)は、花粉症の根本的な治療で、症状を和らげることが可能です。

花粉を避けるには、マスクやメガネなどの予防グッズを用いるのは有効です。また、居宅内に花粉を持ち込まないように、玄関先で衣服をはらってから帰宅すると良いです。

花粉症の薬を使用する際には、以前は花粉が飛散する季節の1−2週間前には内服を開始する初期療法が効果的と言われていましたが、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬に関しては、花粉症の症状が出たらすぐに使用を開始することで十分有効であると考えられています。

花粉症の症状を抑えるために、医療機関で処方される薬ではなく市販薬(OTC医薬品)で対応する方法もあります。最近では処方薬と同成分の内服薬や目薬も市販されており、それらを上手く利用することで花粉症の症状が出た時にすぐに対応できると考えられます。医療機関に受診する時間が無い場合は、花粉症の症状が出たら、まずは薬局の市販薬を飲み始めて、時間がある時に医療機関で処方してもらうという方法も可能です。症状が強い場合は、医療機関を受診すれば症状に合わせた薬を処方してもらえます。

舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニのアレルギー性鼻炎にのみ効果がある治療方法です。少量のアレルゲン(アレルギーを起こす物質。この場合は花粉です。)を身体に入れて、徐々に慣れさせることで症状を和らげる方法です。以前は皮下注射による皮下免疫療法が主流でしたが、アナフィラキシーショックなどの重い副作用が出ることや頻繁に通院しなければならないことから、広く普及していませんでした。舌下免疫療法は重い副作用が少なく、1か月に1回程度の通院で治療できるという利点があります。詳しくは「減感作療法とは?」に記載してありますので、知りたい方は見てみて下さい。

5. 花粉症はアレルギーによって起こるのか?

身体には「免疫」という機能があります。免疫とは、身体の外から入る病原体などの異物(抗原)を認識して戦う物質(抗体)を作って、再び異物が入ってきたときに排除しようとする働きのことです。本来は無害な物質に対して身体の細胞が過敏に反応して、全身または身体の一部に障害が出る状態をアレルギーと言います。つまり、免疫が過剰に働いてしまうことでアレルギーが起こります。

花粉症は花粉に対するアレルギーが原因で起こる病気です。花粉に対しての抗体ができたあとに、花粉の飛散シーズンに鼻や目から花粉が入ることでアレルギーが起こり、鼻や目を中心に症状を起こします。

花粉症の人は体内にそれぞれの花粉に対する抗体を持っています。スギ花粉に対する抗体、ヒノキ花粉に対する抗体、ブタクサ花粉に対する抗体といったように、花粉1つ1つを認識する抗体が作られます。その抗体を上手に利用して身体を慣らしていく治療を行うのが減感作療法(アレルゲン免疫療法)です。