かふんしょう
花粉症
植物の花粉に対するアレルギー反応。症状として、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が起こる。
12人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2018.06.06

花粉はメガネで防げる?花粉症のグッズは効果があるの?

花粉症の症状を軽くするためには、花粉との接触を避けることです。花粉症の時期には、マスクと、メガネやゴーグルを用いることが効果的です。花粉を屋内に持ち込まないことも重要です。花粉回避の方法を見ていきましょう。

1. 花粉を回避するための効果的な方法は?

花粉症の症状を軽くするためには、花粉との接触を避けることです。屋外での花粉を回避することに加えて、屋内に花粉を持ちこまないようにしたり、屋内に持ち込んだ花粉を除去すすることも同じくらい重要です。

屋外での花粉との接触を回避するためには、マスク、メガネ、ゴーグルなどが有効です。花粉による皮膚炎などを起こす人は、皮膚の露出も避けるといいでしょう。花粉がつきやすい、毛羽立った洋服での外出は、花粉を屋内に持ち込みやすいため、避けた方が良いでしょう。

屋内に花粉を持ち込まないようにするには、服や髪の毛に付着した花粉を、家に入る前によく払いましょう。洗濯物を屋外に干した場合、花粉が付着し、払っただけでは除去しきることができません。花粉症の時期には、屋外へ洗濯物を干すことを避けた方が望ましいでしょう。

屋内に持ち込んだ花粉を除去するためには、掃除が重要です。新鮮な花粉はやや重いため、室内の花粉の大半は床に落ちています。床に落ちた花粉の除去には、空気清浄機やエアコンより、モップや掃除機での床掃除が効果があります。

室内に入った花粉は除去しなければ、室内に留まり、乾燥して細かくなって、軽くなることで、室内を浮遊し始めます。浮遊した花粉の除去には、加湿器や空気清浄機が有効です。

『鼻アレルギー診療ガイドライン』には花粉の回避方法として下記が記載されています。

  1. 花粉情報に注意する。
  2. 花粉の多い時の外出は控える。外出時にマスク、眼鏡を使う。
  3. 表面が毛羽立った毛織物などのコートの使用は避ける。
  4. 帰宅時、衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
  5. 飛散の多いときは窓、戸を閉めておく。換気時の窓は小さく開け、短時間にとどめる。
  6. 飛散の多いときのふとんや洗濯物の外干しは避ける。
  7. 掃除を励行する。特に窓際を念入りに掃除をする。

2. 花粉を防ぐためのグッズ:マスク・メガネ・ゴーグル

花粉症の症状を軽くするためには、とにかく花粉との接触をできるだけ低下させることです。花粉を防ぐためのグッズは色々発売されています。効果があるものも、ないものもあります。それぞれの選び方や効果をみていきましょう。

マスク

マスクは花粉の吸入を防ぐために、安全で簡単にできる有効な対処方法です。マスクの素材には、不織布(ふしょくふ)タイプとガーゼタイプがあります。現在広く用いられている不織布タイプは、ガーゼタイプより花粉を除去することができます。ガーゼタイプの花粉阻止率は60%ですが、中に1枚湿ったガーゼを挟むと阻止率は90%以上になります。しかし、湿ったガーゼを挟むと息苦しく、長時間の装用が難しいという問題点もあります。

マスク装着時の注意点としては、マスクと顔の隙間から花粉が入ると、マスクの効果がないため、フィットするように装着しましょう。いったん装着すると、外側には大量の花粉が付着しています。再度装着する時は、表裏を間違えないようにしましょう。

捨てる時は花粉が飛び散らないように、裏返して袋に入れて捨てましょう。

参照: American Journal of Rhinology:Mar-Apr 1991, 5(2)57-60(4)

メガネ

花粉の目への付着量を減らすためにメガネは有効と考えられます。

目に入る花粉の数は、メガネをかけていない時に比べて1/3になり、ゴーグルでは1/10になるという実験結果があります。この実験は、人形にメガネやゴーグルを装着して屋外に置き、花粉が目に入る量を測定しています。メガネよりゴーグルのほうが花粉の付着量を減らすことはできますが、通常のメガネでも花粉の付着量を減らすことができます。

スギ花粉症において、目のかゆみが重症だと労働時間の損失が高くなると報告されています。花粉症の目症状の治療方法は、鼻と比較して少ないため、花粉を避けることは、症状を悪化させないために、重要と考えられます。

コンタクトレンズを使用している場合は、目への花粉の付着量を減らすために、花粉症の時期は少なくともメガネに切り替えた方が良いでしょう。

参照:雑賀寿和. アレルギー性結膜炎に対する防御眼鏡の予防効果の研究. 平成 5 年度厚生省アレルギー総合研究事業研究報告書:179-180, 1994.

ゴーグル

花粉の目への付着量を減らすためには、メガネよりゴーグルや、ガード付きのメガネの方が有効です。何もかけていない時と比べて、目に入る花粉の数は1/10になります。この実験は、人形にメガネやゴーグルを装着して屋外に置き、花粉が目に入る量を測定しています。

最近では花粉用のゴーグルも多数販売されていますが、どのモデルが最も効果があるかや、サングラス型とゴーグル型のどちらの効果がいいか、などの検討はされていません。

ゴーグルは、通常のメガネより、涙の蒸発を抑えることで、目のバリア機能を正常に保ち、花粉症の症状悪化をふせぐことができるのではないかと考えられています。

3. 花粉を防ぐスプレーの効果は?

毛織物以外の衣類には、ほとんど花粉が付かないので、静電気防止のスプレーを使用しても効果があまりありません。毛羽立ったコートや衣類を着る場合には使用してもいいでしょう。肌へ直接するスプレーなどの効果は不明です。

4. 洗濯物に花粉がつかないようにする方法は?

花粉が多く飛散している時期には、洗濯物や布団を屋外に干さないことが、最も有効な対処方法です。

よく叩いて取り込んだ場合でも、屋外で付着した花粉を全て落とすことは難しく、屋内に入った花粉は、花粉症の症状を起こします。

ある研究では、屋外に干した洗濯物を洗濯乾燥機で送風撹拌することで花粉を除去できると報告されています。送風撹拌時間が長いほど、花粉は除去され、スギ花粉アレルゲン量の除去率は90%以上でした。除去された花粉は、二重洗濯槽の外層に移動しました。屋外にどうしても干したい場合は、取り込んだ後に、洗濯乾燥機での送風撹拌を行っても良いかもしれません。

参照:アレルギー Vol. 53 (2004) No. 8-9 p. 971.