粉瘤はセルフケアで治療ができるのか? 「たこの吸い出し」などには効果があるのか?
粉瘤の完治には手術が必要です。一方、塗り薬でセルフケアしようとする人も中にはいます。果たして、セルフケアで粉瘤の完治は可能なのでしょうか。
1. 粉瘤の完治には手術が必要
粉瘤は薬で治りません。
粉瘤(ふんりゅう、アテロームとも呼びます) を完治させるためには、
薬局で売られている薬でも、病院で出される薬でも「粉瘤を完治させる」という薬はありません(もちろん、抗
粉瘤に対する唯一の治療法である手術に関しては、「潰すな危険!粉瘤は手術時間5分・痛みなしの「へそ抜き法」で完治!」で詳しく説明しています。
2. 粉瘤の完治は塗り薬でできるのか
インターネットなどを中心に「たこの吸い出しは粉瘤に効く!」という情報に出会うことがあります。 たこの吸い出しと呼ばれる薬の有効成分は、硫酸銅とサリチル酸という物質です。硫酸銅には腐食作用があり、サリチル酸には角質軟化作用があります。
そのような成分を含むたこの吸い出しを粉瘤に塗ることで、塗った場所の皮膚と嚢胞の壁が溶けて、穴が空きます。その穴から内容物を出すことが出来ます。一見これでも完治ができそうに思えるかもしれませんが、結局のところ「たこの吸い出し」を使ってやっていることは、自分で粉瘤を潰して、皮膚と嚢胞(のうほう)の壁に穴をあけ、内容物をひねり出しているのと同じなのです。これは感染のリスクがあり、粉瘤の完治に必要な「嚢胞壁の摘出」はできません。ですので、粉瘤には塗り薬は向いていません。
詳しい情報は、「粉瘤(アテローム)を潰すとどのような危険があるの?粉瘤の再発と併せて解説」をご覧ください。
繰り返しになりますが、粉瘤を完治させるためには、嚢胞を手術で取り切るしかありません。そのためには医療機関で相談することが必要です。
なお手術内容については「粉瘤の治療法とはどのようなもの?手術を中心に解説」で詳しく説明しているので、参考にしてください。