ネフローゼ症候群は難病?医療費助成が受けられる?
ネフローゼ症候群のうち
1. ネフローゼ症候群は難病指定されている?
ネフローゼ症候群の全ての人が難病指定に当てはまるわけではありません。ネフローゼ症候群は2つに分けることができます。一次性ネフローゼ症候群と
参考:難病情報センターホームページ「一次性ネフローゼ症候群」
一次性ネフローゼ症候群と二次性ネフローゼ症候群の違い
ネフローゼ症候群は原因によって2つに分けることができます。一次性ネフローゼ症候群の診断基準は以下のとおりになります。
【一次性ネフローゼ症候群の診断基準】
蛋白尿 :3.5g/日異常(随時尿において尿蛋白/尿クレアチニン比が3.5g/gCr以上の場合もこれに準ずる)- 低アルブミン血症:血清アルブミン値3.0g/dL以下
1,2を満たし、明らかな原因疾患がないものを一次性ネフローゼ症候群と診断する。
ここで明らかな原因がないのになぜネフローゼ症候群になるのかという疑問を持つかもしれません。「原因疾患」という言葉が意味する所は、全身に影響する病気のことです。わかりやすくいうと腎臓にのみ異常がおきている場合を一次性ネフローゼ症候群といい、全身に影響するような病気が腎臓に影響してネフローゼ症候群となっている場合を二次性ネフローゼ症候群といいます。難病に指定されているのは一次性ネフローゼ症候群です。一次性ネフローゼ症候群は腎臓に
参考のため、二次性ネフローゼ症候群の原因となる病気は以下があります。
【二次性ネフローゼ症候群の原因疾患】
自己免疫疾患 代謝 性- パラプロテイン血症
感染症 アレルギー ・過敏性疾患- 花粉症、蜂毒、ブユ刺虫症、ヘビ毒、予防接種
腫瘍 - 薬剤
- ブシラミン、D-ペニシラミン、金製剤、非
ステロイド 性消炎鎮痛薬
- ブシラミン、D-ペニシラミン、金製剤、非
- 遺伝性疾患
- アルポート症候群、ファブリー病、ネイルパテラ症候群(爪膝蓋骨症候群)
- そのほか
- 妊娠高血圧症、放射線腎症、移植腎による拒絶反応
ここで紹介した原因以外にも二次性ネフローゼ症候群の原因になりうる病気などはあります。二次性ネフローゼ症候群に該当するものがないことを調べて一次性ネフローゼ症候群の診断に至ります。
ネフローゼ症候群の概要については「ネフローゼ症候群とは?症状・診断・治療など」も参考にしてください。
指定難病とは?
一次性ネフローゼ症候群は指定難病です。指定難病とはどのような病気なのでしょうか?
指定難病は厚生労働省によって指定された病気です。指定難病は原因が十分にわかっていない病気や治療法が確立されていない病気です。指定難病の人は定められた重症度を超える場合に医療費の助成を受けることができます。
どんな場合に医療費助成が受けられる?
では一次性ネフローゼ症候群ではどのような場合に医療費助成が受けられるのでしょうか?重症度判定基準を満たす場合には医療費助成を受けることができます。重症度基準は難しい内容ですが以下で紹介します。
【重症度判定基準】
(1)重症:一次性ネフローゼ症候群の確定診断がなされた患者において以下のいずれかを満たす場合を重症として対象にする。
- ネフローゼ症候群の診断後、一度も完全
寛解 に至らない場合 - ステロイド依存性あるいは頻回再発を呈する場合
- CKD重症度分類の赤色の部分の場合
- 蛋白尿0.5g/gCr以上の場合
18歳未満の患者についてはア〜ウのいずれかに該当する場合。
ア. 半年間で3回以上再発した場合又は1年間に4回以上再発した場合。
イ. 治療で免疫抑制薬または生物学的製剤を用いる場合。
ウ. 腎移植を行った場合。
重症度判定基準はかなり専門的な内容を含んでいますが重症度判定を行うのは医師です。説明した重症度の内容を理解しなければ助成が受けられないことはまったくないので安心してください。担当医が病状を把握しているので助成が受けられるかどうかを相談してみるのがよいでしょう。
また重症度分類を満たさない場合でも高額な医療を継続することが必要と判断されるきは、医療費助成の対象になることもあります。
難病の医療費助成費申請:医療費受給者証の交付
一次性ネフローゼ症候群は国の指定する難病に該当します。医療費受給者交付を得ることで医療費の助成(負担額の軽減)が可能になります。
難病の医療費受給者証の申請は大まかに以下の手順です。自治体ごとに準備する書類が異なりますので、詳しくは住んでいる都道府県の保健所にお問い合わせください。
- 医療費受給者証の申請に必要な以下の書類を準備します。(カッコ内は入手可能な場所)
- 臨床調査個人票(厚生労働省のホームページ、福祉保健局のホームページ、市区町村の窓口)
- 特定医療費支給認定申請書(福祉保健局のホームページ、市区町村の窓口)
- 個人番号に関わる調書(市区町村の窓口)
- 住民票(市区町村の住民票窓口)
- 市区町村税課税証明書(市区町村の住民税窓口)
- 健康保険証の写し
- その他必要なもの
- 臨床調査個人票の記入を医師(※)に依頼します。臨床調査票は難病であることの証明(診断書)でもあるので、医師による記入が必要になります。
- 上記の書類を揃えて、住んでいる市区町村窓口で申請します。指定難病として認定されると、医療券が発行されます。要件が満たされないと判断された場合には不認定通知が発行されます。認定の決定は、指定難病審査会で行われ、結果が出るまでには3ヶ月程度の時間がかかります。
※臨床個人調査票は難病の臨床調査個人票の記入を都道府県知事から認定された医師しか作成できません。この都道府県知事から認定された医師を指定医と呼びます。主治医が指定医であるかは主治医に直接問い合わせてください。各自治体の福祉保健局のホームページなどにある一覧などでも確認できます。
助成される内容は?
医療費の助成が適用されるのは難病の治療にかかった費用のみです。以下は例になります。
- 指定医療機関で難病の治療に要した窓口の自己負担金
- 保険調剤の自己負担額
- 訪問看護ステーションや介護保険の医療サービスを利用したときの利用者負担額
医療費が助成されるかはっきりしないときもあると思います。そのときには担当する部署に前もって助成されるかどうかを尋ねておくとよいでしょう。
自己負担額はどれくらいになる?
自己負担額額の限度額は世帯の市町村住民税により限度額が決まっています。詳細な限度額は各自治体のホームページなども参考にしてください。
申請から交付まではどれくらい時間がかかる?
医療費助成を申請してから交付までには約3ヵ月程度かかります。審査に時間がかかった場合はさらに延びることがあります。申請から交付までの期間にかかった医療費は払い戻しを受けることが可能です。
認定に有効期限はある?
医療費助成の認定には有効期限があり、申請した日から原則1年となっています。その後も治療を継続しなければならない場合には更新の手続きが必要になります。
2. その他知っておきたい助成の制度
ネフローゼ症候群のうち一次性ネフローゼ症候群で定められた重症度を満たす人は難病の医療費助成申請により負担額が軽減できます。難病指定による医療費助成が受けられない場合でも他の制度を用いることで自己負担金を軽減することができます。高額療養費制度と限度額適用認定証について紹介します。
高額療養費制度とは?
高額療養費制度とは、家計に応じて医療費の自己負担額に上限を決めている制度です。
医療機関の窓口において医療費の自己負担額を一度支払ったあとに、月ごとの支払いが自己負担限度額を超えた部分について、払い戻しがあります。払い戻しを受け取るまでに数か月かかることがあります。
たとえば70歳未満で標準報酬月額が28万円から50万円の人では、1か月の自己負担限度額が80,100円+(総医療費-267,000円)×1%と定められています。それを超える医療費は払い戻しの対象になります。
この人で医療費が1,000,000円かかったとします。窓口で払う自己負担額は300,000円になります。この場合の自己負担限度額は80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円となります。
払い戻される金額は300,000-87,430=212,570円となります。所得によって自己負担最高額は35,400円から252,600円+(総医療費-842,000円)×1%まで幅があります。
高額療養費制度については下記の厚生労働省のホームページも参考にしてください。
参考:厚生労働省ホームページ:高額療養費制度を利用される皆さまへ(2018.12.5 閲覧)
限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)とは?
あらかじめ医療費が高額になることが見込まれる場合は「限度額適用認定証」を申請し、認定証を医療機関の窓口で提示することで、自己負担分の支払い額が一定額まで軽減されます。高額療養費制度で支払われる還付金の前払いといった位置づけになります。保険外の費用(入院中の差額ベッド代や食事代など)は対象外となります。