めまい・耳鳴り
最終更新: 2018.03.19

耳鳴りの検査について

このページでは、耳鳴りで診察を受けたときに行われる検査で何を調べているのか、なぜその検査が必要なのかを説明します。

1. 聴力検査

耳鳴りがあるときは、実は難聴も隠れていることが多いので、聴力検査がよく行われます。

聴力検査は健康診断でも行われているので、受けたことがある人が多いでしょう。ヘッドフォンを当てて機械から出る音を聞いて、「ピーっと鳴ったらボタンを押してください」と言われる検査です。検査で使う機械はオージオメーターといいます。音の高さごとに、どれぐらいの強さの音なら聞こえるのかを調べています。

聴力検査でわかること

難聴が見つかった場合、低い音が聞こえにくいのか高い音が聞こえにくいのかが、症状の原因を探る手掛かりになります。

2. 平衡機能検査

耳鳴りと一緒にめまいの症状が出ているときには平衡機能検査も行われることが多いです。

平衡機能検査にはいくつかの方法があります。
そのひとつが眼振がんしん)を観察する方法です。眼振とは目が揺れ動く症状のことを指します。めまいが出ている人では、目が揺れ動く様子を観察できることがあります。眼振の特徴は、耳鳴りとめまいの原因を知る役に立ちます。眼振を調べるには、フレンツェルのめがねという器具をつける方法がよく行われます。

また電気的眼振記録法といって、ひたいや目の周りに電極をつけて、眼振をグラフに記録することもできます。

眼振の観察の他にも、目をつぶった状態で足踏みをしてどれだけ移動するかをみる足踏み検査などもあります。

3. 血液検査

血液検査は全身の状態や臓器の機能などを調べる目的で行われます。たとえば急性中耳炎で耳鳴りが出ているとき、血液検査で白血球の数などを調べることで、全身の状態を知る役に立ちます。

4. CT検査、MRI検査

脳のCT検査やMRI検査といった画像検査は、耳鳴りがするだけで行われる検査ではありません。聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)や脳梗塞(のうこうそく)などの脳の病気が疑わしい人に行われます。

耳鳴りに画像検査は必要なのか

脳の病気が原因で耳鳴りを起こしている場合はごく一部です。耳鳴りがあるだけでほかの症状などの疑わしい要素がない場合にはCT検査やMRI検査の必要は少ないと考えられます。むしろ耳鳴りのよくある原因を見分けるには画像検査が適していない場合もあります。たとえば耳鳴りの原因がメニエール病のときは画像検査ではなく内リンパ水腫推定検査という検査のほうが重要です。

5. 心理検査

耳鳴りに心理的な要素が関係していないかどうかを知るために心理検査も使われます。

神経症の評価を行うCMI(コーネル・メディカル・インデックス)、うつの程度を知るSFS(抑うつ性尺度)、性格の特徴を知るMAS(顕在性不安尺度)などです。認知行動療法を行ううえでも、心理傾向を知るのは役立ちます。



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