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脳卒中

脳卒中の基礎知識

脳卒中とは?

  • 脳梗塞脳出血くも膜下出血などの脳の血管が破れたり詰まったりする病気の総称
    • 詳細はそれぞれの疾患を参照
  • 特に前触れはなく、ある時突然起こることが多い

症状

  • 突然の意識障害や体の片側の麻痺などが起こることが多い
    • 症状の程度や場所は、ダメージを受けた脳の部位や範囲によって変わる
  • 脳出血くも膜下出血では頭痛が起きるのに対して、脳梗塞では頭痛はみられない

検査・診断

  • 頭部CT検査
    • 基本的にまず初めに行う検査
    • 脳出血があるかないかを判断するにはCT検査が最も有効
    • 頭部CT検査を行い、脳出血がなく脳梗塞が疑われる場合には、頭部MRI検査を行うことが一般的
  • 脳梗塞の診断は一般的にCT検査では困難なことも多く、MRI検査が有効である
    • MRI検査機器はCT検査機器よりも設置されている病院が少なかったり、MRI機器があってもすぐに検査できない場合がある

治療

  • 急性の脳卒中と診断されると、入院して緊急の治療が行われる
    • それぞれの病気(脳出血脳梗塞くも膜下出血)によって治療法は異なる
    • ある程度時間がたった脳卒中では、症状が落ち着いていれば外来で治療することもある

脳卒中に関連する治療薬

PDE阻害薬(抗血小板薬)

  • 血液をサラサラにすることで血液が固まって血管がつまることを防ぎ、血栓の形成を予防する薬
    • 体内で血小板凝集が起こると血液が固まりやすくなる
    • 体内にホスホジエステラーゼ(PDE)という血小板凝集を進める酵素がある
    • 本剤はPDEを阻害するなどの作用により血小板凝集を抑え血液の流れをよくする抗血小板薬の一つである
  • 慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍疼痛、冷感などを改善する作用もある
  • 嚥下障害の改善効果なども期待できるとされる
PDE阻害薬(抗血小板薬)についてもっと詳しく≫

FXa阻害薬(抗凝固薬)

  • 体内の血液が固まる作用の途中を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞心筋梗塞などを予防する薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)が必要である
    • 本剤は血液凝固因子の因子Xa(FXa)を阻害し、抗凝固作用をあらわす
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ADP阻害薬(抗血小板薬)

  • 血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑え血管をつまらせないようにする薬
    • 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血栓ができやすくなる
    • 体内にADPという血小板凝集を促進させる物質がある
    • 本剤は血小板でのADPの作用を抑えることで、抗血栓作用をあらわす
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クマリン系抗凝固薬(ワルファリンカリウム製剤)

  • ビタミンKが関与する血液凝固因子の産生を抑え、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 体内で血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)の中にビタミンKを必要とするものがある
    • 本剤は体内でビタミンKの作用を阻害し、ビタミンKを必要とする血液凝固因子の産生を抑えることで抗凝固作用をあらわす
  • ビタミンKを多く含む食品などを摂取すると薬の効果が減弱する場合がある
    • 納豆、クロレラ、青汁などはビタミンKを多く含む
    • 本剤を服用中は上記に挙げた食品などを原則として摂取しない
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COX阻害薬(抗血小板薬)

  • 体内の酵素であるCOXを阻害し血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑えて血管をつまらせないようにする薬
    • 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血栓ができやすくなる
    • 体内で血小板凝集を促進させるTXA2という物質はCOX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素によって生成される
    • 本剤はCOXを阻害することでTXA2の生成を抑える作用をあらわす
  • 薬剤の中には川崎病の治療などに使用される薬もある
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ダビガトラン(直接トロンビン阻害薬)

  • 血液が固まる過程を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞心筋梗塞などを予防する薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因(血液凝固因子)が必要となる
    • 本剤は血液凝固因子の一つトロンビン(第IIa因子)を阻害し、血液の抗凝固作用をあらわす
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脳卒中の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

突然手足に麻痺が出現して動かしづらくなった、舌が回らなくなったなどの症状があれば、すぐに救急車を呼びましょう。数時間から1日かけて徐々に症状が出現するのではなく、ある瞬間から急に変化が生じる、というのが脳卒中の特徴の一つです。脳卒中の対応ができるかどうかは病院によって異なることと、脳卒中は他の病気にもまして特に一刻も早く治療を受けることが重要な病気であるため、遠くの大病院よりも近くの適切な病院の方が治療が奏功することがあります。医療機関選びは救急隊の判断に任せるのが結果的に最も治療の結果が良くなると考えられます。

病院によっては脳神経外科(脳外科)と神経内科が両方あることがあり、病院ごとにどちらの科がどの脳卒中を診療しているかがおおむね決まっています。しかし、どちらの科を受診しても適切に案内してもらえますので、まずは受診の上で、もし迷ったら窓口でどちらの科を受診すべきか確認してみてください。

脳卒中を主に診療する専門医は、脳神経外科専門医、神経内科専門医です。この専門医の中でも、脳卒中を多く見ている医師もいれば、そうではなく脳腫瘍パーキンソン病などの病気を中心に診療している医師もいます。しかしこれらの科の医師であれば、脳卒中についても一定の経験があると考えられます。

脳卒中の診断は、症状と頭部CT頭部MRIの結果から行います。脳卒中を大きく分類すると脳出血脳梗塞になりますが、脳出血は頭部CT、脳梗塞は頭部MRIで診断を行います。従って、脳卒中ではないかと心配になってご自身で受診するような場合には、MRIの検査を行える医療機関を受診することが勧められます。MRIの機械があっても、たとえば夜間は専門の放射線技師が不在の場合がありますので、機械さえ病院にあれば土日や夜間でも行える検査だというわけではない点に注意してください。

脳卒中センターのある病院は専門性が高く高度な医療を提供していることが多いです。SCU (stroke care unit) といって、脳卒中専門の病棟を設置している病院もあります。


この病気でお困りの方

脳卒中の治療は、脳出血脳梗塞かによって大きく異なるため、詳細はそれぞれの病気のページをご参考になさってください。

各種治療の中で、最も急を要するのは脳梗塞のt-PAと呼ばれる治療です。t-PA(脳血管の詰まりを改善させる注射薬)の治療は、脳卒中を発症した瞬間から4.5時間以内でないと行うことができません。副作用に脳出血があり、それは時間が経てば経つほど可能性が高まるため、4.5時間を越えてt-PAの治療を行うことは逆効果です。4.5時間ぎりぎりだから良いということではなく、早ければ早いほど効果が高い治療です。t-PAの治療を行える医師は限られているため、脳神経外科専門医や神経内科専門医がいる医療機関の受診が勧められます。

脳卒中を起こした場合、その後に血液をさらさらにする薬を飲み続ける場合があります。こちらについては、もし入院したのであればそちらの科の外来に退院後もかかり続けることもありますし、すでに高血圧や脂質異常症などでかかりつけの病院、クリニックがあるのであれば、そちらで薬をまとめて処方してもらうことも可能です。

脳卒中については、内科のクリニックであれば、特に専門を限らずに定期的な通院での対応が可能な病気になります。

また、脳卒中で後遺症が残ってしまった場合、長期間のリハビリテーションが必要となります。後遺症が大きく一人で日常生活を行うことができないような場合には、急性期病院から回復期病院(リハビリ病院、療養型病院)に転院して、リハビリに専念することになります。

急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったスタッフです。患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を選ぶ上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点は、回復期の病院を探す上でのポイントとなります。





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