食中毒の基礎知識
POINT 食中毒とは
飲食物を介して発症する病気です。細菌やウイルスによって感染が起こることなどで食中毒になります。主な症状は、発熱・下痢・血便・腹痛・吐き気・嘔吐です。血液検査・細菌検査を参考にして診断されますが、発症した状況や周囲の人の発症状況が診断には最も重要です。治療は原因によって異なります。食中毒が心配な人や治療したい人は、消化器内科や感染症内科を受診して下さい。
食中毒について
- 飲食物を介して
発症 する病気の総称 - 主に
細菌 性とウイルス 性に分けれられる - 細菌性食中毒には3つのタイプがある
- 生体外毒素型:細菌の出す毒素が体内に入ることで起こる(細菌自体が体内に入るわけではない)
- 感染型
- 生体内毒素型:細菌が体内に入った後に、毒素を産生し、その毒素により起こる
- 感染非毒素型:細菌が体内に入り、その細菌が原因で起こる
- 代表的な食中毒
- 細菌性
- 生体外毒素型
- 黄色ブドウ球菌食中毒
- ボツリヌス
感染症 - 感染型
- 生体内毒素型
- コレラ
- 腸管出血性大腸菌感染症
- 腸炎ビブリオ
- 感染非毒素型
- ウイルス性
- その他
- 細菌性
食中毒に関連する治療薬
マクロライド系抗菌薬
- 細菌のタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす薬
- 細菌の生命維持や増殖にはタンパク質合成が必要となる
- タンパク質合成はリボソームという器官で行われる
- 本剤は細菌のリボソームでのタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑える
- マイコプラズマやクラミジアなどの菌に対しても高い抗菌作用をあらわす
- 服用する際、比較的苦味を強く感じる場合がある
食中毒の経過と病院探しのポイント
食中毒が心配な方
食中毒は、原因となる病原体や毒素によっていくつかの種類に分かれます。有名なものにはノロウイルス感染症や、黄色ブドウ球菌食中毒があります。食事をとってから症状を発症するまでにかかる時間もばらばらであり、症状も少しずつ異なります。
古くなったものを口にして発症するものや、海外などで衛生管理が十分になされていない生水が原因となって発症するものなどがあります。特に海外旅行後に症状が出たものなどは、その情報がないと適切な診断にたどり着けないことがありますので、嘔吐や下痢といった症状の前1か月以内に海外旅行をされた方は、食中毒を念頭に置いて診断を考えてもらうために、そのことをぜひ申し出るようにしてください。
食中毒かどうかが分からなくても嘔吐や下痢、発熱といった症状がある場合に受診する先は、まずは一般的な内科のクリニックをお勧めします。あえて言うならば内科の中でも消化器内科ですが、専門病院である必要はなく「◯◯内科」のような名前の医療機関であれば食中毒には基本的に対応可能です
食中毒でお困りの方
食中毒の治療は原因となる病原体や毒素によって異なります。抗生物質が有効なものもあれば、そうでないものもあるためです。嘔吐や下痢が止まらずにつらいというのが典型的な症状ですが、抗生物質以外には吐き気止め、熱冷まし、整腸剤といった薬を併用することが多いです。
下痢がある場合でも、下痢止めは使わないことが多いです。下痢は、体内にいる病原体や毒素を外に排泄する目的で生じているためです。下痢を無理やり薬で止めると、その原因物質が取り除かれるのが遅れることになってしまいます。結果的に、食中毒から回復するまでにかかる時間が伸びてしまうため、下痢止めは避けて治療を行います。
ご自身で、食中毒だという認識がはっきりしている場合には、受診する先は一般的な内科のクリニック、あるいは消化器内科のクリニックが良いでしょう。
食中毒が含まれる病気
食中毒のタグ
食中毒に関わるからだの部位



