あにさきすしょう
アニサキス症
アニサキスという寄生虫が胃や腸の壁に入り、急な腹痛を起こした状態。生の魚介類を食べてから数時間後に起こることが多い
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最終更新: 2019.08.14
アニサキス症の基礎知識
POINT アニサキス症とは
アニサキス症は胃や十二指腸などの中でアニサキスという寄生虫が悪さをする病気です。サバ・イカ・カツオ・サンマなどの魚介類に潜んだアニサキスが胃や腸の壁に食いつくと、アレルギー反応も重なり強烈な痛みが襲ってきます。痛みは非常に強い一方で周期的に強くなったり弱くなったりします。 検査は上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で行います。胃カメラで壁に噛み付いているアニサキスを除去することで治療します。アニサキス症が心配な人や治療したい人は、消化器内科・消化器外科・救急科を受診して下さい。
アニサキス症について
- 魚介類の中に住む寄生虫(アニサキス)が、胃や腸などの壁にとどまることで起こる
- ほとんどの場合が胃にとどまる
- アニサキスによる
アレルギー 反応が起こる
- アニサキスが寄生した魚介類を、生もしくは加熱が不十分な状態で食べた場合に生じる
- サバ
- イカ
- カツオ
- サンマ
- アジ
- 同じものを食べても
発症 する人と発症しない人がいる - 食べる前に熱したり冷凍したりするとアニサキスは死ぬが、魚を酢でしめても死なない
- 魚介類を経由した寄生虫の病気の中で一番多い
アニサキス症の症状
アニサキス症の検査・診断
問診 :当日や数日以内に刺身を食べたかどうか聞く- 酢ではアニサキスは死なないため、しめ鯖も原因となる食物として多いことに注意が必要
胃カメラ (上部消化管内視鏡検査 ):寄生虫がいないか調べる- まれであるが、
大腸カメラ (下部消化管内視鏡検査 )を行うこともある
- まれであるが、
- 血液検査:
アレルギー 反応の有無などを調べる- じんましんなどアレルギー症状が生じた場合に行う
アニサキス症の治療法
- 治療方法はアニサキスがいる場所によって異なる
- 胃アニサキスの場合:
内視鏡 検査を行い、寄生虫をつまんで取り除く - 腸アニサキスの場合:一般的には
保存的治療 - アニサキスは人体に寄生し続けることができないため、長くても5日ほどで便と一緒に排泄され、症状がなくなる
- 胃アニサキスの場合:
- 薬物療法を行うこともある
ステロイド薬 :アレルギー 反応を抑える- 抗
ヒスタミン 薬:アレルギー反応を抑える - テプレノン:胃粘膜を保護する
- 予防として大切なことは原因となりうる魚介類を生で食べないこと
- しっかりと加熱すること
- アニサキスの寄生しやすい魚の生食は避けるようにしたほうが無難
アニサキス症の経過と病院探しのポイント
アニサキス症が心配な方
アニサキスは魚についている寄生虫の一種であり、生魚をそのまま食べた場合に発症するのがアニサキス症です。腹痛が強い場合には我慢できないほどになるため救急車で受診する方もいます。
アニサキス症を診療するのは、主に消化器内科や内視鏡科です。アニサキス症の診断は胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で行いますので、アニサキス症が心配な場合は、胃カメラのできる病院をお勧め致します。それと同時に、同じような急激な腹痛が出る他の病気の可能性を除外するために、採血やCT検査も行われることがあります。
アニサキス症の根本治療は、診断と同じく胃カメラで行います。ただし夜間や土日祝日に病院を受診する際には注意が必要です。胃カメラが夜間に行える医療機関は大病院であっても少ないため、応急処置だけをして翌朝再度の受診が必要となる場合や、入院の上で翌日に改めて治療を行う場合も多いためです。胃カメラ以外の治療としては、アレルギー反応を押さえるような点滴を行うこともあります。