ユッケによる食中毒ではどんな人が重症になったか、溶血性尿毒症症候群と急性脳症について
ユッケを食べた人が死亡するなどの結果に及んだ、2011年に富山県近辺で起こった集団食中毒は、大腸菌の一種であるO111が主な原因だったとされています。国立感染症研究所などの研究班が、このときの食中毒患者の特徴をまとめ、特に重症の溶血性尿毒症症候群(HUS)という状態は5歳から9歳の子どもに多かったことなどを報告しました。
◆HUSとは?
O157などの腸管出血性
2011年の集団食中毒では、O157と同じ腸管出血性大腸菌であるO111が原因となり、HUSのほか、
◆5歳から9歳に溶血性尿毒症症候群(HUS)多発
調査から次の結果が得られました。
計86人の個人が症例の定義に一致した。そのうち40%にHUSが、24%に急性脳症が起こり、6%が死亡した。病状は牛の生肉料理のユッケを食べることと
有意 に関連し(オッズ比19.64、95%信頼区間7.03-54.83)、ユッケが食中毒の原因だった可能性が高いと見られた。
この研究の対象となった86人のうち40%にHUSが、24%に急性脳症が
食中毒は夏に多く、2015年も6月末までに各地から集団食中毒が報道されています。家庭でも感染源になりやすい食品は保存方法に気を付ける、十分に加熱する、手洗いなど衛生を保つといった基本的な予防方法に気を付けてください。
執筆者
Epidemiological analysis of a large enterohaemorrhagic Escherichia coli O111 outbreak in Japan associated with haemolytic uraemic syndrome and acute encephalopathy.
Epidemiol Infect. 2015 Jan 20 [Epub ahead of print]
[PMID: 25600435]
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