2015.07.02 | ニュース

ユッケによる食中毒ではどんな人が重症になったか、溶血性尿毒症症候群と急性脳症について

2011年アウトブレイクの症例対照研究
from Epidemiology and infection
ユッケによる食中毒ではどんな人が重症になったか、溶血性尿毒症症候群と急性脳症についての写真
(C) Anderson - Fotolia.com

ユッケを食べた人が死亡するなどの結果に及んだ、2011年に富山県近辺で起こった集団食中毒は、大腸菌の一種であるO111が主な原因だったとされています。国立感染症研究所などの研究班が、このときの食中毒患者の特徴をまとめ、特に重症の溶血性尿毒症症候群(HUS)という状態は5歳から9歳の子どもに多かったことなどを報告しました。

◆HUSとは?

O157などの腸管出血性大腸菌が作る毒素によって、赤血球が壊される(溶血性貧血)とともに血小板減少、腎機能低下が起こった状態です。特に重症では播種性血管内凝固症候群という、全身の血管で血のかたまりができてしまう状態を引き起こすなどして、死に至ったり、全身状態が回復しても腎臓に障害が残ることがあります。

2011年の集団食中毒では、O157と同じ腸管出血性大腸菌であるO111が原因となり、HUSのほか、意識障害やけいれんなどの症状が現れた急性脳症という状態に陥る人も多数現れました。

 

◆5歳から9歳に溶血性尿毒症症候群(HUS)多発

調査から次の結果が得られました。

計86人の個人が症例の定義に一致した。そのうち40%にHUSが、24%に急性脳症が起こり、6%が死亡した。病状は牛の生肉料理のユッケを食べることと有意に関連し(オッズ比19.64、95%信頼区間7.03-54.83)、ユッケが食中毒の原因だった可能性が高いと見られた。

HUSは5歳から9歳の個人に最も多く起こり、この年齢グループは急性脳症と有意に関連していた。

この研究の対象となった86人のうち40%にHUSが、24%に急性脳症発症していました。5歳から9歳の子どもには最もHUSが多く、急性脳症も多く発症していました

 

食中毒は夏に多く、2015年も6月末までに各地から集団食中毒が報道されています。家庭でも感染源になりやすい食品は保存方法に気を付ける、十分に加熱する、手洗いなど衛生を保つといった基本的な予防方法に気を付けてください。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Epidemiological analysis of a large enterohaemorrhagic Escherichia coli O111 outbreak in Japan associated with haemolytic uraemic syndrome and acute encephalopathy.

Epidemiol Infect. 2015 Jan 20 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 25600435]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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