ようけつせいにょうどくしょうしょうこうぐん
溶血性尿毒症症候群(HUS)
貧血、血小板減少、急性腎不全などの症状を起こす重篤な病気。O-157に感染した人などに起こることが多い
10人の医師がチェック 93回の改訂 最終更新: 2017.12.12

溶血性尿毒症症候群(HUS)の基礎知識

POINT 溶血性尿毒症症候群(HUS)とは

O-157など病原性の強い大腸菌に感染することを主なきっかけとする病気です。全身の血管で小さい血の塊(微小血栓)ができることで各臓器がダメージを受け、それと同時に出血を止める血小板が消費されてしまうので出血が起きやすくなる病気です。血栓性微小血管障害(TMA)という病気の一部に含まれます。大腸菌などの感染によらず、自身の免疫異常で起きる非定型HUSという病気もあり、こちらは厚生労働省が難病に指定しています。症状としては下痢、嘔吐、腹痛、血便などの大腸菌感染症状、めまい、脱力、顔面蒼白、血圧低下などの貧血症状、紫斑、出血傾向、鼻血、歯茎からの出血などの血小板減少症状が主に見られます。治療は大腸菌感染によるHUSか、非定型HUSかで大きく異なりますが、抗菌薬治療や血液透析が行われます。HUSが心配な方や治療したい方は、小児科、消化器内科、腎臓内科、血液内科などを受診してください。

溶血性尿毒症症候群(HUS)について

  • 赤血球が壊れることによる貧血溶血性貧血)、血小板減少による出血傾向、急激な腎機能低下、が起こっている状態
  • 病原性を持った大腸菌の感染が主な原因(志賀毒素産生大腸菌:STEC)
    • ベロ毒素、志賀毒素などの毒素が体に直接ダメージを与える
  • O-157に感染した人の1-10%がHUS発症すると考えられている
    • 子供に起こることが多い
  • 血栓性血小板減少性紫斑病TTP)と症状は似ているが、より重篤な腎機能障害が起こる
  • 大腸菌などの感染によらず、自身の免疫異常で起きる非定型HUSという病気もある
    • 非定型HUSは厚生労働省の指定する難病であり、基準を満たせば治療費の補助を受けられることがある

溶血性尿毒症症候群(HUS)の症状

  • O-157による感染(下痢、発熱など)が最初に起こることが多い
  • 大腸菌感染による症状
    • 発熱
    • 下痢
    • 嘔吐
    • 腹痛
    • 血便 など
  • 溶血性貧血による症状
    • めまい、ふらつき
    • 脱力、倦怠感
    • 顔面蒼白
    • 血圧低下 など
  • 血小板減少による症状
    • 青あざ(紫斑)が出来やすい
    • 出血が止まりにくい
    • 粘膜出血(鼻血、歯茎からの出血) など

溶血性尿毒症症候群(HUS)の検査・診断

  • 主症状と検査結果から総合的な診断が行われる
    • 血液検査:血液中における赤血球血小板が減っているかや、腎機能の程度などを調べる
    • 細菌検査:便から病原体への感染を調べる(便培養検査、ベロトキシン同定)
    • 画像検査:超音波検査CT検査で大腸の腫れなどを確認する

溶血性尿毒症症候群(HUS)の治療法

  • 入院治療が原則
    • 血液透析:腎臓の機能が悪くなった場合
    • 輸血:貧血が強い場合
    • 抗菌薬大腸菌を倒すために使うが、毒素の放出を促進して逆効果になる場合もありえる
    • 抗けいれん薬:けいれんがある場合の対症療法
    • 播種性血管内凝固DIC)に至っている場合はこれに対する治療
    • エクリズマブ(ソリリス®):非定型HUSで使われることがある
  • 予防
    • 十分火の通っていない肉や殺菌処理されていない牛乳、チーズ、汚染された水(井戸水など)の摂取を避ける
    • 手洗いを心がける
  • 退院後も腎機能障害が残ることがあるため、長期的に経過を見ながら、その都度必要な検査や治療を受ける


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