むずむず脚症候群とは
むずむず脚症候群はじっとしている時に脚を動かさずにいられない衝動にかられたり、脚に不快感が現れる病気です。就寝前に
1. むずむず脚症候群の症状
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:restless legs syndrome:RLS)は症状が特徴的です。脚に症状が起こることがほとんどですが、全身にあらわれることもあります。
- 脚を動かさずにはいられない衝動
- 不快感・異常な感覚
- むずむずする
- 虫が這うような感覚
- 電気が流れているような(しびれる)感覚
- 水が流れるような感覚
- 引っ張られるような感覚
- 引き裂かれるような感覚
- 痛い
- かゆい
- ほてる
- 冷える など
不快感は皮膚の表面ではなく、内部の深いところに感じます。また、人によって感じる症状はさまざまですが、次のような共通点があります。
- 寝ている時や座っている時など、静かにしている状態で起こりやすい
- 歩いたり下肢を伸ばすなどの運動によって症状が和らぐ
- 日中より夕方・夜間に強くなる
基本的にはじっとしている時に起こりやすく、少しの運動で症状は軽くなります。夕方から夜間に強く起こるので、
2. むずむず脚症候群の分類と原因
むずむず脚症候群(RLS)は原因がはっきりしない「
特発性RLSでは家族内に同じ症状の人がいる傾向が見られ、遺伝的な要因の関与が考えられています。遺伝が関連するRLSでは
二次性むずむず脚症候群の原因は、大きくわけると次のようになります。
【二次性むずむず脚症候群の原因】
病気が原因でRLSを発症していると考えられる人では、元々の病気の治療がRLSの症状緩和につながります。
また、カフェイン、アルコール、タバコといった嗜好品はRLSの症状を悪化させるため、治療ではこれらの減量や中止をすることが大切です。
詳しくはこちらのページを読んでみてください。
3. むずむず脚症候群の検査
むずむず脚症候群を診断するために次のような検査が行われます。必ずしも全部行われるわけではなく、必要に応じて検査が選ばれます。
問診 - 身体診察
- 血液検査
- 終夜
睡眠ポリグラフ検査 (PSG) - 指示不動検査(SIT)
- 生理学的検査:末梢神経伝導速度検査、血管機能検査(ABI、PWV)
- 画像検査
RLSの診断では自覚症状がもっとも重要であるため問診で詳しく聞かれます。また、補助的な検査として終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)や指示不動検査(SIT)などが行われることもあります。また、似たような症状を起こす他の病気を区別するために画像検査などの検査が追加されることもあります。検査の詳細はこちらのページで説明しています。
4. むずむず脚症候群の治療
むずむず脚症候群の治療には次のようなものがあります。
- 生活習慣の見直し
- 原因となる薬物・嗜好品の中止
- 睡眠の改善
- 適度な運動、ストレッチ
- 原因となる病気の治療
- 薬物治療
- ドパミン作動薬(ドパミンアゴニスト/ドパミン受容体刺激薬)
- レボドパ(L-DOPA:L-ドパ)製剤
- ベンゾジアゼピン系薬:クロナゼパム(ランドセン®︎、リボトリール®)など
- 抗けいれん薬:ガバペンチン(ガバペンチン エナカルビル)など
- プレガバリン(リリカ®)
- 鉄剤
- オピオイド
治療ではまず生活改善を行い、それでも改善しない人には薬物治療が検討されます。薬物治療はRLSの重症度に応じて検討され、症状があっても生活に支障がない人は薬物治療は受けなくても構いません。詳しくこちらのページで説明しています。
5. むずむず脚症候群の人が知っておくとよいこと
ここまでむずむず脚症候群の原因や治療などを説明してきましたが、治療する際に知っておくとよいことをひとつ取り上げます。
むずむず脚症候群の人が心がけると良い食事
むずむず脚症候群の要因の一つに鉄の不足があり、鉄を補う食べ物が症状の緩和に効果的なことがあります。
鉄は肉・魚、海藻類や卵・乳製品などに含まれます。肉や魚に含まれる鉄はヘム鉄とよばれ、それ以外に含まれる鉄(非ヘム鉄)よりも3-10倍、身体への吸収率が高いとされています。そのため、鉄を補いたい時には肉や魚から摂取すると効率的です。
さらに、非ヘム鉄は一緒に食べるものによって吸収率が異なります。タンパク質や
その他、知っておくと良いことについてはこちらのページを読んでみてください。