しんせいじおうと
新生児嘔吐
生後1か月頃までにみられる、様々な先天性の病気によって嘔吐をきたす状態の総称
6人の医師がチェック 103回の改訂 最終更新: 2017.12.06

新生児嘔吐の基礎知識

新生児嘔吐について

  • 生後1か月頃までにみられる、様々な先天性の病気によって嘔吐をきたす状態の総称
  • 咳き込んで嘔吐する場合は「咳」が問題であるため、区別して考える必要がある
  • 原因となる病気ごとに、嘔吐の様子に特徴がある
    • 食道閉鎖症:泡のような嘔吐(泡沫状嘔吐)
    • 幽門狭窄(胃の出口の部分の狭窄):勢いのある嘔吐(噴水状嘔吐)
    • 先天性腸管閉鎖:黄色、緑色や濃い色の嘔吐(胆汁性嘔吐)
  • その他の原因
    • 消化管の器質的・機能的異常
      ヒルシュスプルング病便秘により大腸が拡張
      壊死性腸炎
      ・腸回転異常症
      胃食道逆流症
    • 中枢神経系の異常
      ・頭蓋内出血
      脳浮腫
    • 感染症
      新生児敗血症
      細菌性髄膜炎
    • 各種の内分泌・代謝異常症
      副腎性器症候群:性器の機能に異常がみられる
      ・先天性代謝異常症
      低血糖
    • 消化管アレルギー(いわゆるミルクアレルギー)
    • 初期嘔吐:生まれる際に飲みこんだ羊水などの刺激で嘔吐する。生理的な嘔吐であり、自然に治まり治療の必要性がない
    • 授乳過誤
      ・過剰授乳
      空気嚥下症:大量の空気を無意識のうちに飲み込む
      ・排気不良

新生児嘔吐の症状

  • 注意すべき症状
    • 体重減少、体重増加不良:慢性の基礎疾患の存在を疑う
    • 低身長がある:内分泌疾患などの基礎疾患の存在を疑う
    • 胆汁性嘔吐(黄色・緑色の嘔吐物):腸管が閉鎖した状態を疑う
    • 吐いたものに血が混じっている:食道炎、胃炎や消化性潰瘍の関与を疑う
    • 便に血液が混じっている:腸重積や腸管粘膜病変を考慮
    • 排便不良:胎便性腸閉塞ヒルシュスプルング病などを考慮
    • 授乳前から頻回に嘔吐:重症な基礎疾患を疑う
    • 発熱や活気のなさ:重症の感染症を疑う
    • 腹部膨満腹水や腫瘤など、膨満の原因が何か早急に判断が必要
  • 新生児では、脱水症による黄疸の悪化にも注意が必要
  • 全身状態が良好で頻度や量が少なく、吐物がミルクの残りカスのようであり、検査で他の病的嘔吐が否定されれば、「初期嘔吐」の可能性が高い
  • それ以外の場合は、病的嘔吐が疑われる

新生児嘔吐の検査・診断

  • 問診
    • 嘔吐が現れた時期と持続時間を聴取
    • 吐いた物の様子、量を聴取
    • 嘔吐以外の症状を聴取
    • 母の妊娠分娩歴を聴取
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 腹部レントゲン消化管の異常の有無を調べる
  • 腹部超音波検査:消化管の異常の有無を調べる
  • 上部、下部消化管造影:消化管の異常の有無を調べる
  • CT:全身の異常の有無を調べる
  • MRI:全身の異常の有無を詳しく調べる

新生児嘔吐の治療法

  • 原因に対する治療
    • 外科疾患の場合は手術が必要なこともある
    • 神経疾患、感染症代謝異常症では原因疾患に対して薬物などの治療を行う
  • 対症療法
    • 理由があっての嘔吐なので、吐き気止めは基本的に使用しない
    • 嘔吐が続いている間は一時的に禁乳することもある
    • 脱水がある場合は、点滴で水分と電解質を補給する
    • 胃管を使用し、胃の中身を抜いて嘔吐を予防することもある
  • 授乳過誤による嘔吐を予防するために気を付けること
    • 授乳後にげっぷをさせる
    • 授乳量を調節し、少量ずつをこまめに飲ませる
    • 哺乳瓶なら穴が小さめの乳首を使用する
    • 母乳なら授乳前に少し絞って勢いを抑える


新生児嘔吐のタグ


新生児嘔吐に関わるからだの部位

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