しょくどうえん、しょくどうかいよう
食道炎、食道潰瘍
食道粘膜が傷つき、食道に炎症や潰瘍が生じた状態
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最終更新: 2017.12.06
食道炎、食道潰瘍の基礎知識
POINT 食道炎、食道潰瘍とは
食道粘膜が傷ついて炎症や潰瘍が生じた状態です。炎症を起こす主な原因は感染症(カンジダ、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスなど)や胃酸逆流、自己免疫の異常(ベーチェット病、クローン病など)などになります。主な症状は胸焼け・胃もたれ感・みぞおちの痛みなどですが、病状が進行すると吐血することがあります。 症状や身体診察に加えて、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で診断します。カンジダ性の食道炎は免疫力の低下した人に起こりやすいため、免疫力を調べるために血液検査を行うこともあります。治療は原因に適した薬物を用いて行うことが多いですが、それに加えて生活習慣の見直し(節酒や禁煙など)を行います。食道炎・食道潰瘍が心配な人や治療したい人は、消化器内科・総合内科を受診して下さい。
食道炎、食道潰瘍について
- 何らかの原因で食道粘膜が傷つき、食道に
炎症 や潰瘍 が生じた状態 - 炎症を起こす主な原因
感染症 細菌 (梅毒など)真菌 (カンジダ など)ウイルス (ヘルペスウイルス 、サイトメガロウイルスなど)
- 胃食道逆流症
- 下部食道括約筋(食道と胃の間の筋肉)の機能低下
- その他
- 原因として多いものは以下の3つのタイプである
- 胃食道逆流症
- 胃液が食道のほうに逆流して炎症を起こす
- 食道カンジダ症
- 真菌(カビ)の一種であるカンジダが食道で繁殖する
- カンジダは食道にいる常在菌であるが、何らかの理由で
免疫 力が低下すると繁殖して炎症を起こす
- ウイルス食道炎
- ヘルペス食道炎やサイトメガロウイルス食道炎など
- 胃食道逆流症
食道炎、食道潰瘍の症状
- 初期に出る
症状 は胸やけやもたれ感 - 進行すると飲み込む際にしみる・胸が痛む・
吐血 する場合がある
食道炎、食道潰瘍の検査・診断
胃カメラ (上部消化管内視鏡検査 ):食道壁の色調やただれや潰瘍 があるか調べる
食道炎、食道潰瘍の治療法
食道炎、食道潰瘍に関連する治療薬
抗コリン薬
- 副交感神経を亢進させるアセチルコリンの作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬
- アセチルコリンは副交感神経を活発にして消化管の運動などを亢進させる
- 副交感神経が活発になると胃や腸などの痙攣・痛み、潰瘍や胃炎・腸炎の悪化などがおこりやすくなる
- 本剤はアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)をあらわす
- 胆石や尿路結石に伴う痛みなどの改善に使用する薬剤もある
- 本剤は薬剤の作用や化学構造などにより、ムスカリン拮抗薬、3級アミン類、4級アンモニウム類などに分けられる
食道炎、食道潰瘍のタグ
食道炎、食道潰瘍に関わるからだの部位

