難病「好酸球性食道炎」の症状をおさえるのに効果的な食事療法とは?

好酸球性食道炎は幼児から成人まで起こりうる難病で、原因はわかっていません。持続的な炎症が起こることにより食道が狭くなり、食べ物を飲み込みにくい症状が現れます。免疫の異常が関係していると考えられ、治療にはステロイド薬などが使われます。ギリシャの研究班が、好酸球性食道炎がある人に多い食物アレルギーに注目し、アレルギーを起こす食品を除いた食事によって、好酸球性食道炎の症状が改善したことを報告しました。
◆7か月から12歳の子どもに食事指導
研究班は次のように食事療法を行いました。
好酸球性食道炎がある7か月から12歳の子ども35人が登録された。対象者には胃食道逆流症様
症状 (21人、グループA)またはより重度の症状(14人、グループB)の臨床的既往歴があった。診断の直後に対象者はIgE検出(皮内テストと血清中
特異的 IgE)およびアトピーパッチテスト によるアレルギー 試験を受けた。その結果に従って、12か月のテイラーメイドの食事療法が処方された。
好酸球性食道炎がある子どもを対象として、アレルギー試験で反応のあった食品を除く食事を摂るよう指導しました。
◆27人中26人で症状改善
食事療法から次の結果が得られました。
症状の改善は研究完了まで参加した27人中26人に見られた。
32人の対象者が食事指導を受け、研究終了まで食事療法を続けていた27人のうち26人で好酸球性食道炎の症状が改善していました。
研究班はこの結果から「中等度から重度の好酸球性食道炎の症状がある患者にも軽症患者と同様の改善があり、ここからアレルギーを起こす食品を除いた食事が
好酸球性食道炎によって食べ物がうまく飲み込めなくなると生活に大きな影響があり、手術が必要になることもあります。食品アレルギーをよく調べて食事を変えることで対策できれば、より負担の少ない治療が可能になるかもしれません。
執筆者
Allergy-test-driven elimination diet is useful in children with eosinophilic esophagitis, regardless of the severity of symptoms.
Pediatr Allergy Immunol. 2015 Jun
[PMID: 25845555]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。