しきゅうきんしゅ
子宮筋腫
子宮の壁の筋肉の層にできた良性腫瘍。健診などで見つかることが多い
15人の医師がチェック 130回の改訂 最終更新: 2018.09.13

子宮筋腫とは?がんとの違いや名医、治療法の解説

子宮は女性にしかない臓器で赤ちゃん(胎児)が育つ場所です。子宮は伸び縮みができるように大部分が筋肉でできています。子宮をつくる筋肉から発生するのが子宮筋腫です。

1. 子宮はどこにある?どんな形をしている?

女性生殖器の位置のイラスト。子宮は下腹部(骨盤内)にあり、大きさは鶏卵ほど。

子宮は女性にしかない臓器です。子宮は下腹部にあります。

子宮は中身が空洞の西洋梨のような形をしています。子宮は体部と頸部というの2つの部分に分けることができます。子宮体部は球形に近い形をしていて胎児が育つ場所になります。子宮頸部は細長い部分で膣とつながっています。

子宮の大きさは妊娠していないときには縦約7cm、横は約5cmです。正常な子宮の大きさは「ニワトリの卵」の大きさくらいと例えられることもあります。子宮は厚い筋肉でできておりその厚さは1-2cm程度です。

子宮の位置を示す骨盤部正中矢状断面のイラスト。子宮の前は膀胱、後ろは直腸が接している。

子宮の周りには膀胱(ぼうこう)と直腸があります。膀胱は尿を溜める臓器で子宮のお腹側に接しています。直腸は食べ物の通り道で肛門とつながっています。直腸は子宮の背中側にあります。子宮は膀胱と直腸に挟まれるようにしてお腹の中にあります。

2. 子宮の役割は?

子宮は妊娠したときに胎児が育つ場所です。出産の日を迎えるまで胎児は約10ヵ月に渡り子宮の中で過ごします。子宮は胎児を育てるという大事な役割があるので丈夫でなくてはなりません。このため子宮の大部分は筋肉で出来ています。

3. 子宮筋腫とは?

子宮の壁の大部分は筋肉でできています。

子宮筋腫は子宮をつくる筋肉の細胞に異常が起こり腫瘍化したものです。腫瘍化するというと怖い印象があると思いますががんとは異なり生命を脅かすことはありません。がんとは異なる特徴をもつ腫瘍を良性腫瘍といいます。

子宮筋腫は生命を脅かすことはありませんが非常に大きくなることがあり、ときには10kgを超えるような大きさにまで成長することもあります。

子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなることも知られています。女性ホルモンは初経から閉経までの女性の体に多くあるのでこの期間に子宮筋腫を原因とする症状に悩む人がいます。閉経して女性ホルモンが少なくなると子宮筋腫は小さくなります。

4. 子宮筋腫とがんとの違いは?

子宮筋腫は良性腫瘍に分類されます。良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)はその特徴が大きく異なります。

腫瘍というのは「できもの」というイメージで理解しておけばおおむね問題ありません(血液系の腫瘍などはややイメージが違いますがここでは省きます)。

【良性腫瘍と悪性腫瘍の性質の違い】

良性腫瘍 悪性腫瘍(がん)
大きくなるスピードが緩やか 大きくなるスピードが速い
周囲の組織を破壊しにくい 周囲の組織を破壊しやすい
転移しない 進行すると転移する

上の特徴は典型的な場合に限ります。例外はたくさんあります。子宮筋腫はがんではないことを理解するのが大事です。

5. 子宮筋腫の症状は?

子宮筋腫の症状は、月経(生理)などに関連したもの周りの臓器に影響することで現れるものがあります。

月経などに関連した症状

子宮筋腫ができると月経時の出血が多くなる(過多月経)、月経と関係なく出血する(不正出血月経時にひどい下腹部痛などが出る(月経困難症などの症状が現れることがあります。

周りの臓器に関連した症状

子宮筋腫が大きくなると周りの臓器に影響することがあります。子宮の周りには膀胱と直腸という臓器があります。膀胱は尿が溜まる臓器です。膀胱は子宮のお腹側に接しています。子宮筋腫が大きくなり膀胱を圧迫すると膀胱が膨らまなくなり尿が溜められなくなります。膀胱に尿が溜められなくなると頻尿などの原因になります。

直腸は肛門とつながっており、便が最後に通過する場所です。子宮筋腫が大きくなると直腸を圧迫し便が通過できなくなり便秘などが起きます。

子宮筋腫はかなり大きくなることがあり数kgを超えることも珍しいことではありません。子宮筋腫が大きくなると慢性的に周りを圧迫して腹痛などの症状が現れます。子宮筋腫が背中側に向かって大きくなると、背中側にある神経に影響がでます。神経が圧迫されると腰痛などの原因となります。また背中側に子宮筋腫ができている場合、子宮筋腫の周りの痛みを腰痛として感じることも考えられます。

症状と子宮筋腫の種類に関係はある?

子宮筋腫の症状には過多月経月経困難症、圧迫症状があります。これらの症状は筋腫のできた場所により出やすいものと出にくいものがあります。

子宮筋腫はできる場所で3つに分類することができます。粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)、筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)、漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)の3つです。

子宮筋腫の場所による分類のイラスト。粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫に分類できる。

以下では症状と子宮筋腫の種類の関係性について解説していきます。

粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)とは?

子宮内膜のすぐ下に発生するタイプの筋腫を粘膜下筋腫といいます。子宮内膜は子宮の層構造のうち最も内側の層のことです。粘膜下筋腫は子宮の内側に向かって発育します。

粘膜下筋腫は症状が現れやすいです。その症状は月経の時の痛みが強かったり月経のときの出血量が多くなるなどです。

また粘膜下筋腫は大きくなると膣から飛び出すことがあります。これを筋腫分娩(きんしゅぶんべん)といいます。粘膜下筋腫は子宮の内側に向かって大きくなるので周りの臓器に影響したりすることは少ないです。このため腹痛などの症状が現れることは少ないと考えられています。粘膜下筋腫は不妊症の原因になることも知られています。

筋腫分娩(きんしゅぶんべん)とは?

粘膜下筋腫は子宮の内側に向かって大きくなります。粘膜下筋腫が大きくなるとその重みで子宮の外に飛び出してしまうことがあります。筋腫分娩といいます。筋腫分娩は粘膜下筋腫に特徴的な症状です。筋腫分娩がおきると不正出血の回数が増えたり貧血がおきることがあります。飛び出した筋腫を摘出する治療などが必要になります。

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)とは?

子宮の筋肉の層の中に発生するタイプの筋腫を筋層内筋腫といいます。子宮の筋層は子宮の中からみると一番内側である粘膜の奥にあります。

筋層内筋腫は子宮筋腫の中で最も多いタイプのものです。子宮筋腫が小さいうちは症状はほとんどありません。子宮筋腫が大きくなると子宮の内側にある子宮内膜に影響を及ぼし月経時の出血量の増加、不正出血などの症状があらわれます。

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)とは?

漿膜の下に発生して大きくなるタイプの筋腫を漿膜下筋腫といいます。漿膜は子宮の最も外側にある膜構造です。漿膜下筋腫は他の筋腫に比べると膣からみてもわからないことが多いです。

漿膜下筋腫は子宮の外側に向かって大きくなるので子宮内膜への影響は少ないです。このために月経時の出血が多くなったりする症状は出にくいです。

参照:日産婦誌 2009;61:145-146

症状と筋腫の種類のまとめ

子宮筋腫の種類と症状の関係を示したものが以下の表です。

  粘膜下筋腫 筋層内筋腫 漿膜下筋腫
過多月経
月経困難症
圧迫症状
不妊症

△=現れにくい ◯=現れやすい ◎=特に現れやすい

どの種類でも、比較的現れにくいはずの症状が目立つ場合も少数ですがあります。

参照:日産婦誌 2009;61:145-146

6. 子宮筋腫の原因は?

子宮筋腫ができる原因は未だ不明ですがいくつかの仮説があります。

子宮内膜と筋層の間には子宮筋幹細胞があります。子宮筋幹細胞は様々な細胞に変化することができる細胞です。月経の影響で子宮筋幹細胞から筋腫細胞が発生しそれが大きくなるというのが一つの説です。

他には生まれたときから子宮筋腫の芽がすでにありそれが大きくなる説や、子宮の壁をつくっている筋細胞が筋腫細胞に変化するなどの説もあります。今後の研究で子宮筋腫の発生原因が明らかになるかもしれません。

参照:日本生殖内分泌学会雑誌 2010;5:25-27

7. 子宮筋腫の検査で何がわかる?

子宮筋腫の検査の目的は以下の3つを診断することです。

  • 子宮筋腫があるのかないのか 
  • 子宮筋腫と疑われるものがある場合は本当に子宮筋腫なのか
  • 子宮筋腫の大きさ、場所

月経困難症過多月経など子宮筋腫が原因となる症状があるときに子宮筋腫の検査が行われます。子宮筋腫は超音波検査MRI検査などの検査を用いて診断します。

8. 子宮筋腫には治療が必要?

子宮筋腫があると必ず治療が必要な訳ではありません。子宮筋腫はがんではありません、他の臓器に転移をして増殖したり他の臓器に入り込んだりはしません。つまり子宮筋腫が体に悪影響を及ぼしていないときは治療の対象にはなりません。

ではどのような人が子宮筋腫の治療をした方が良いのでしょうか。子宮筋腫の治療を検討したほうがよい人は以下の条件に当てはまる人などです。

  • 子宮筋腫を原因とする症状がある
  • 子宮筋腫が不妊症不育症の原因と考えられる
  • 出産希望だが妊娠中や分娩時に子宮筋腫がトラブルを引き起こす可能性が高い
  • MRI検査などで典型的でない特徴を示し、子宮平滑筋肉腫やその他の悪性疾患の疑いがある

子宮筋腫は他の病気の検査をしている時に偶然指摘されることもあります。子宮筋腫があるというと大きな病気が見つかったと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。治療の必要があるかどうかを含めて産婦人科医の診察を受けて意見を聞くことが大事です。

参照:日産婦誌.2009;61:145-150

9. 子宮筋腫の治療には何がある?

診察や検査の結果子宮筋腫の治療を検討した方がよいと医師から提案されたとします。子宮筋腫の治療法にはいくつかあり、一人ひとりに適したものを選ぶことが大事です。

  • 薬物療法
    • ピル(経口避妊薬) 
    • ホルモン療法(GnRH アゴニスト)
  • 手術
    • 子宮筋腫核出術
      • 開腹手術
      • 腹腔鏡手術
    • 子宮全摘除術
      • 開腹手術 
      • 経膣式手術
      • 腹腔鏡手術
    • 子宮鏡下筋腫摘出術
  • 子宮動脈塞栓術 
  • MRガイド下集束超音波治療

それぞれの治療法は一長一短で、治療法の選択はその先に妊娠を希望するかや子宮を残すか、手術かそれ以外かなどいくつかの判断基準を組み合わせて決めます。以下ではそれぞれの治療方法について解説します。

薬物療法

子宮筋腫は薬を使うことで症状を緩和することができます。子宮筋腫の薬物療法にはピルとホルモン療法があります。ピルはホルモン療法の一つに分類されることもありますがここでは別とします。GnRHアゴニストを使った治療をホルモン療法として説明します。

ピルは女性ホルモンでできており、ピルを飲むと体は妊娠中に似た状態になります。ピルを飲むと脳が妊娠状態と錯覚し、妊娠のための準備を体の中ではしなくなります。妊娠への準備の一つである子宮内膜が厚くなる反応は子宮筋腫があると強い症状がでる原因になります。ピルを飲むと子宮内膜を厚くせずにすむので症状を和らげることにつながります。

ただしピルには症状を緩和する効果はありますが、子宮筋腫が小さくしたいり消すことはできません。

GnRHアゴニストは脳に作用して女性ホルモンを出さないようにします。子宮筋腫は女性ホルモンにより大きくなり、女性ホルモンが減ると子宮筋腫は小さくなります。GnRHアゴニストは注射や鼻の中の粘膜から吸収するものがあります。

薬物療法については「子宮筋腫の治療には何がある?」で解説しています。

手術

子宮筋腫の手術の種類は2つあります。子宮を全て取り除く子宮全摘除術と子宮筋腫だけを摘出する筋腫核出術です。子宮筋腫の治療では必ず子宮の摘出をしなければならないわけではありません

どちらの手術も、操作する場所まで道具を届かせる経路が3通りあります。

筋腫ができた場所や大きさに応じて最も良い手術の方法を選択します。

  • 子宮筋腫核出術
    • 開腹手術
    • 腹腔鏡手術
    • 子宮鏡手術
  • 子宮全摘除術
    • 開腹手術 
    • 経膣式手術
    • 腹腔鏡手術 

手術の詳しい内容については「子宮筋腫の手術はどんなことをする?」で解説しているので参考にしてください。

子宮動脈塞栓術

子宮動脈塞栓術はカテーテルを使った治療法です。カテーテルは心臓や脳血管の治療法として聞いたことがあるかもしれません。

子宮筋腫は子宮動脈から栄養をもらって大きくなります。子宮動脈の血流を止めると子宮筋腫への血流がなくなります。栄養を絶たれた子宮筋腫は兵糧攻めを受けた状態になり小さくなります。この子宮筋腫に対する兵糧攻めはカテーテルを用いて行うことができます。子宮筋腫のカテーテル治療をUAE(子宮動脈塞栓術:Uterine artery embolization)といいます。

UAEに向いている人は以下のような人です。

  • 子宮筋腫が原因の症状(過多月経疼痛、圧迫症状)がある 
  • 薬物療法では症状のコントロールが難しい 
  • 手術を希望しない
  • 閉経前
  • 現在妊娠していない
  • 将来の妊娠、出産を希望しない
  • 子宮がんを発生していない
  • 骨盤内に感染がない
  • 症状の原因と考えられる筋腫に血流が確認できる

UAEに関しては「子宮筋腫の治療には何がある?」で解説しているので参考にしてください。

MRIガイド下集束超音波治療

子宮筋腫の新しい治療法に、体の外から超音波を子宮筋腫に当てることで子宮筋腫を小さくする方法があります。MRIを使って目標を定めるのでMRガイド下集束超音波治療といいます。なお超音波は検査でも使われますが、検査の超音波には治療効果はありません。

MRIガイド下集束超音波治療は「子宮筋腫の治療には何がある?」で解説しているので参考にしてください。

10. 他の治療法が気になったらどうする?

子宮筋腫の治療法にはいくつか種類があります。そして治療法にバリエーションがあると他の治療法が気になることもあると思います。そんなときにはどうすればよいでしょうか。答えは医師に相談してみることです。治療の長所、短所を説明してくれると思います。いま受診している医療機関では実施していない治療に興味をもつこともあると思います。そんなときにはセカンドオピニオンを利用してみてください。

セカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンとは主治医以外の医師に現在受けているもしくはこれから受ける治療の方針などについての意見を聞くことです。多くの場合は主治医から紹介状診療情報提供書)を作成してもらい、それをもとにして他の医療機関を受診し自分の病状や治療についての意見を聞きます。

セカンドオピニオンを受けるには?

セカンドオピニオンを受けることを希望すると主治医との関係が悪くなるような気がするかもしれません。そのためになかなか切り出しにくいという声を実際よく耳にします。

セカンドオピニオンを受けたいと相談しても、「今の治療方針に疑問がある」と受け取られる心配は要りません。セカンドオピニオンは患者さんがもつ権利です。セカンドオピニオンを受けることで適した治療が選択されたり、今の治療に納得してくれるならば主治医の立場からみてもありがたいことだと思います。

セカンドオピニオンでは何に気をつければいい?

セカンドオピニオンを聞く時にもっとも注意してほしいのは、受診する目的をはっきりとさせることです。

セカンドオピニオンを受ける施設でしかできない治療法について知りたいのであればその治療についてできるだけ聞きたいことの優先順位をしっかりさせるとよいと思います。セカンドオピニオンは受診する前の準備も大事です。

セカンドオピニオンを受ける前にすることは?

セカンドオピニオンを受けるには、診療情報提供書を主治医に書いてもらうことと、セカンドオピニオンに対応してくれる医療機関を探すことが必要です。診療情報提供書を持たずにいきなりセカンドオピニオンを目的として受診したり、診療情報提供書を持っていても予約がなければセカンドオピニオンには対応してはくれないことがあります。

セカンドオピニオンを受けたあとはどうする?

セカンドオピニオンを受けたあとには、治療や検査についての決断をしないといけません。つまりどの医療機関でどんな治療や検査を受けるかを決めます。

セカンドオピニオンを受けた結果、もとの施設で検査や治療を受けることになるかもしれません。施設を変わることもあると思います。

セカンドオピニオンを受けた施設での治療を希望した場合でも、もとの主治医に経緯を報告し、必要ならば改めて紹介の手続きを取ってもらってください。少し負担かもしれませんが情報が追加して提供されたりしてその後の治療にもいい影響が期待できます。主治医もきっとその選択を後押ししてくれると思います。

11. 子宮筋腫の名医はどこにいる?

どの病気においても名医の定義はありません。それには理由があります。

医師と患者の関係は人間同士の関わりです。出会った医師を名医と呼べるかどうかはそれぞれの患者さんの考え方が影響します。つまり名医の定義はその人によって異なると考えられます。ここでは名医の実名をあげるのではなく名医に出会う方法を考えてみたいと思います。

子宮筋腫の名医の条件は?

子宮筋腫の治療は多くの種類があります。子宮筋腫の名医は子宮筋腫のあらゆる治療に精通している必要があります。

子宮筋腫の治療法はいくつも種類があります。手術、ホルモン療法、カテーテル治療などです。それぞれの治療にはメリット、デメリットがあります。子宮筋腫の治療は多くの治療から最適な治療を選ぶことが難しいと言えるかもしれません。患者さんの望みと治療効果の両方を満たす治療法を選ぶために、名医はあらゆる治療法について精通していることが条件だと思います。

名医に出会うにはどうすればいい?

では名医に出会う方法について考えてみます。

子宮筋腫の治療実績数を参考にするのは名医を探す有力な手段です。治療実績数が多いと多くの患者さんの支持を集めていることも想定されます。治療実績数の多い施設には名医がいる可能性が高いと思われます。

名医と言われる医師に会って診察を受けてもどうもしっくりこないと思う人も中にはいると思います。それはありうる話です。医師も人間なので患者さんとの間にどうしても相性というものが生まれてしまいます。どんなに名医と誉れ高い人でも相性が良くなければ良い治療につながらない可能性もあります。医師を選ぶさいには名医の評判だけではなく人間同士の相性も大切にしてください。

名医に出会う方法について考えてきました。一人ひとりで価値感が異なるので名医もその人の数だけいるかもしれません。自分の価値基準などと照らし合わせながら名医を探してみてください。

12. 子宮筋腫は再発する?

子宮筋腫は治療法によっては再発することがあります。再発とは一度、子宮筋腫の手術をして症状がなくなったものの再び筋腫が子宮にできたり、大きくなったりして症状がでることなどです。それぞれの治療での再発率について説明していきたいと思います。

子宮全摘除術

子宮全摘除術は子宮をすべて摘除します。子宮は残らないので子宮筋腫が再発することはありません。

子宮筋腫核出術

子宮筋腫核出術は子宮筋腫のみを取り除き子宮を残す治療です。子宮を残すことで後に妊娠ができる可能性がある点が利点です。しかし、子宮が残っているために再び筋腫ができることもあります。再び筋腫ができることを再発といいます。子宮筋腫核出術後の再発率は23−30%とされています

再発した場合には症状や筋腫の状態(大きさ、位置)、妊娠・出産の希望などから最適な治療法を選択します。

参照:日産婦誌 2001;53:200-203

子宮動脈塞栓療法(UAE:uterine artery embolization)

子宮動脈塞栓療法(以下UAE)の再発率は16%という報告があります。

UAEはカテーテルを使った治療法です。子宮筋腫は子宮動脈という血管から栄養を得て大きくなります。子宮動脈の流れをとめると子宮筋腫は小さくなります。UAEではカテーテルを用いて子宮動脈の流れをとめます。手術とは異なり筋腫は体の中に残りますが小さくなるので症状は改善します。再び筋腫が大きくなる場合もあります。

参照:BJOG.2006;113:464-8

13. 子宮筋腫の手術の費用は?

子宮筋腫の手術の治療費について示します。

治療 費用(保険適用3割負担)
開腹手術 15−20万円
膣式手術 20万円前後
腹腔鏡手術 20−25万円前後
子宮鏡下手術 約10-15万円
子宮動脈塞栓術(UAE) 約15-20万円

病院や入院期間によって費用は変わります。費用について気になる場合治療前に治療をする医療機関などに確認しておくことをお勧めします。また高額療養費制度と限度額適用認定証などを使うことで負担額を減らせる可能性があります。

高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)とは?

高額療養費制度とは、家計に応じて医療費の自己負担額に上限を決めている制度です。

医療機関の窓口において医療費の自己負担額を一度支払ったあとに、月ごとの支払いが自己負担限度額を超えた部分について、払い戻しがあります。払い戻しを受け取るまでに数か月かかることがあります。

たとえば70歳未満で標準報酬月額が28万円から50万円の人では、1か月の自己負担限度額が80,100円+(総医療費-267,000円)×1%と定められています。それを超える医療費は払い戻しの対象になります。

この人で医療費が1,000,000円かかったとします。窓口で払う自己負担額は300,000円になります。この場合の自己負担限度額は80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円となります。

払い戻される金額は300,000-87,430=212,570円となります。所得によって自己負担最高額は35,400円から252,600円+(総医療費-842,000円)×1%まで幅があります。

高額療養費制度については下記の厚生労働省のウェブサイトも参考にしてください。

参照:高額療養費制度を利用される皆様へ

限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)とは?

あらかじめ医療費が高額になることが見込まれる場合は「限度額適用認定証」を申請し、認定証を医療機関の窓口で提示することで、自己負担分の支払い額が一定額まで軽減されます。高額療養費制度で支払われる還付金の前払いといった位置づけになります。保険外の費用(入院中の差額ベッド代や食事代など)は対象外となります。