げっけいこんなんしょう
月経困難症
強い生理痛と、それに関連した頭痛や吐き気などを伴いやすい状態
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最終更新: 2023.09.01
月経困難症の基礎知識
POINT 月経困難症とは
日常生活に影響が及ぶほどの生理(月経)を原因とした、重い下腹部の痛みや頭痛、吐き気などのことです。子宮・卵巣に問題がある場合とそうでない場合があります。診断のために問診や内診、尿検査、超音波検査などが行われます。治療法は原因に応じて異なります。子宮や卵巣の病気によって起こっている場合は、原因となっている病気の治療を行い、子宮や卵巣に病気がない場合は症状を和らげてるためにホルモン剤の内服などが行われます。月経困難症の相談がしたい人は産婦人科を受診してください。
月経困難症について
- 生理のときに、日常生活に支障がでるほどつらい症状が起こる状態
- 例えば下腹部の痛み、腰痛、頭痛、吐き気などが起こったり、それらの症状によって
抑うつ 気分になる
- 例えば下腹部の痛み、腰痛、頭痛、吐き気などが起こったり、それらの症状によって
- 月経困難症の原因は大きく2つ
月経困難症の症状
- いわゆる「生理痛」と違い、日常生活に支障が出るような場合は月経困難症と呼ぶ
- 以下のような症状が生理前から生理中にかけて起こる
- 下腹部の痛み
- 腰痛
- 頭痛
- 吐き気
- これらの症状によって
抑うつ 気分になったり、イライラしたりする場合もある
月経困難症の検査・診断
問診 :月経周期が不規則になっていないか、腹痛が強く起こっていないかなどを調べる- 月経周期や症状から診断される
- 原因を調べるために行うより詳しい検査
内診 :膣内や子宮の入り口に腫瘍 がないかなどを調べる- 尿検査、血液検査:
ホルモン バランスが崩れていないかなどを調べる - 妊娠検査:実は妊娠によってバランスが崩れていたということもあるので、いつもと違うといった感覚のある場合は妊娠も検査する
- 画像検査:原因となる子宮筋腫などの病気の有無を調べる
- 経膣
超音波検査 腹部MRI など
- 経膣
月経困難症の治療法
月経困難症に関連する治療薬
卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合製剤
- 女性ホルモンを補充し卵胞の成熟を抑え排卵を抑えることで月経困難症や月経周期異常などを治療する薬
- 子宮内膜は受精が不成立なら剥がれ落ち、その際に下腹部の強い痛み、吐き気やそれに伴う抑うつなどがあらわれることがあり、これが月経困難症の症状となる
- 適正に月経が起こるには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きが必要で、これらのホルモンが脳に指令を与えることで卵胞の成熟が止まる
- 本剤は卵胞ホルモン・黄体ホルモンの混合剤で、脳にこれらを認識させることで卵胞の成熟を抑え排卵を抑える
- 薬剤によっては、骨粗しょう症や更年期障害などの治療に使われる場合もある
- 一般的に、卵胞ホルモンの含有量によって少ない順に低用量製剤、中用量製剤、高用量製剤に分けられる(一般的な低用量製剤に比べ、卵胞ホルモンの含有量がさらに少ない超低用量製剤もある)
黄体ホルモン製剤
- 黄体ホルモンを補充し、無月経、月経周期異常、月経困難症、機能性子宮出血、不妊症などを治療する薬
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)には子宮内膜を増やし受精卵が着床するように子宮内環境を整える作用がある
- 黄体ホルモンの不足やバランスの崩れにより無月経や月経周期異常がおこる
- 黄体ホルモンの不足やバランスの崩れは機能性子宮出血や不妊症なども引き起こす