新型コロナウイルス感染症(COVID-19) - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
風邪の原因として一般的なコロナウイルスによる呼吸器感染症。SARSやMERSと同様にウイルスが何らかの変異を起こしたため、通常よりも高い致死率(2-3%ほど)が報告されている
1人の医師がチェック 35回の改訂 最終更新: 2022.04.09

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の基礎知識

POINT 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは

風邪の原因微生物として上位に挙げられるコロナウイルスによる感染症です。一般的にはコロナウイルス感染症が重症になることはほとんどありませんが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関しては致死率が高いことが報告されています。 初期症状は風邪と同じで、ほとんどの人(約8割)は軽い症状のまま回復しますが、感染した一部の人(残りの2割ほど)は重症となることが分かっています。重症になると咳が強くなったり、息苦しさがひどくなったり、強い疲労感を覚えたりします。 COVID-19が心配な方はまずは自宅安静してください。明らかに強い症状(意識もうろう、強い息切れなど)を感じる人や症状がなかなか治らない人は定められた相談センターや発熱外来を行っている医療機関にご連絡ください。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について

  • コロナウイルスによる感染症
    • コロナウイルスは風邪の原因となる代表的な微生物で、風邪の原因の10-15%程を占める(流行期は35%とも言われている)
    • 通常のコロナウイルスであれば感染してもほとんどが軽い症状で済む
    • COVID-19新型コロナウイルス感染症)はコロナウイルスが何らかの影響で変異したもので、一部の人(感染者の約2割)では重症になる
    • 一方で、COVID-19に感染したほとんどの人(およそ8割)は重症にならず自然回復する
    • ただし、ここで言う「重症」というものは医学的にICUにおける治療が必要なレベルのことを指すので、身体のしんどさといった主観と乖離することには注意が必要
      • つまり、重症となる人は濃度の高い酸素を吸っても息苦しくて意識朦朧となるレベルのことである
  • 感染経路について
    • 飛沫感染接触感染が主であると想定されてきたが、2022年4月の段階ではエアロゾル感染も想定されている
      • 接触感染
        • 微生物を手などで触れたあとに、粘膜を触ることで感染が成立する
      • 飛沫感染
        • 主に咳やくしゃみなどの際に周囲に微生物を含んだ飛沫が飛び散ることで感染を起こす
        • およそ1-2m程度は周囲に飛び散ると考えられエる
      • アロゾル感染
        • エアロゾルとは空気中を漂う微粒子のことで、このパターンの感染経路では空気中を長時間、かなり離れた距離広がる可能性が出てくる
        • 似たような感染に空気感染飛沫核感染)があるが厳密な意味でこれらは異なる
        • エアロゾル感染と飛沫感染にはその定義に明確な差分はあるが、実際の場ではその中間点のようなシチュエーションがあり、明確にどちらと言いきれないこともあることに注意が必要である
    • 感染力について
      • 基本再生産数という指標R0(アールノート)は暫定的に2.2という数字と推定されている
        • 基本再生産数とは一人が周囲の何人に感染を広げるかという目安である
        • 2.2という数字は季節性インフルエンザと同程度であるが、SARSよりは低い
        • 基本再生産数は理論的な数字で、実際に世の中でどのくらい感染が拡大しているかについては実効再生産数という数字を用いる
        • 実効再生産数は状況によって時々刻々と変動する
    • 致死率について
      • 未だ暫定値であるが、およそ2-3%程度と推定されている
      • 過去の同じコロナウイルスが起こした重症感染症であるSARS(致死率:9.6%)やMERS(致死率:34.4%)よりは低い数字である
    • 検査について
      • 現在診断を確定するために行われている主な方法がPCR法である
      • COVID-19に対するPCR法は検査の精度が高くないことが報告されているので、検査結果をどこまで信用して良いのかをきちんと吟味する必要がある
      • 検査前確率が低い人(COVID-19が疑わしくない人)が検査を受けても、検査がエラーが起こりやすく結果を信用できないので、検査を受けるのは望ましくない
      • 抗原検査も臨床現場で利用されているが、PCR検査よりも精度が落ちるため状況と併せて考えていく必要がある
      • 抗体検査はいまだCOVID-19との関係の詳細がわかっていないので参考程度と考えたほうが良い
        • 感染しても抗体価が上がらない可能性がある
        • どの程度の抗体価があれば免疫を獲得したとみなせるかが不明である
        • COVID-19以外のコロナウイルス感染症や他の種類のウイルス感染症でも抗体価が上がる可能性がある
    • 治療について
      • COVID-19に対して大幅な有効性を示す特効薬は存在しない
      • 基本的に症状を和らげる治療がメインとなるが、レムデシビル(ベクルリー®)やデキサメタゾン(デカドロン®、デキサート®など)、バリシチニブ(オルミエント®)、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®)、ソトロビマブ(ゼビュディ®)、モルヌピラビル( ラゲブリオ®)などは状況に鑑みて使用が検討される
      • COVID-19に対して適応外ではあるが、トシリズマブ(アクテムラ®)やファビピラビル(アビガン®)なども使用されることがある
    • 感染者のポイント
      • 軽症者は基本的に自宅待機となる
        • COVID-19に対する特効薬が存在しないため
        • 入院加療が必要となるほど状態が悪くはないため
        • 周囲にうつす可能性を最小限にするため
        • 基礎疾患を持つ人や高齢者は重症化のリスクが高いため、社会的背景を考慮しつつ入院という判断となる可能性が高い
      • 重症者は肺炎まで進行し症状が強くなるため、入院加療が必要となる
      • 肺炎になると強い呼吸困難や強い疲労感、意識もうろうが見られるようになる
      • 症状を緩和する治療(対症療法)を行いつつ、場合によっては呼吸状態をサポートする治療(人工呼吸器や人工肺)を行うことがある
    • 予防のポイント
      • 接触感染予防に手洗いとアルコール消毒が重要である
      • 飛沫感染予防に咳エチケット(咳などの症状がある人がマスクをする)が重要である
      • うがいに関して効果は限定的と考えられている
      • ワクチン
        • 2022年1月時点、ファイザー/ビオンテック社、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンが国内で承認されている
        • 接種後は疼痛や発熱などの副反応が見られることがある
        • 重要な副反応としてアナフィラキシーがあるが、見られる場合はほとんどが接種後30分後であるため、接種してから30分は健康観察するようにする
    • 新型コロナウイルスの変異について
      • 2020年7月あたりからウイルスの変異が多数報告されている
      • 2021年10月の時点で多くの変異が報告されているが、特に国内で話題となっているのは、通称アルファ株(B.1.1.7系統)、通称ベータ株(B.1.351系統)、通称デルタ株(B.1.617.2)、通称オミクロン株(B.1.1.529系統)などである
      • 変異によって感染力の変化が起こるだけでなく、重症度の悪化やワクチン有効性の低下についても注意が必要である

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状

  • 症状の特徴
    • 初期症状は一般的な風邪と同じくさまざまであるので見分けることが難しい
    • 病状が進行するにつれて症状が強くなってくる
    • 一般的な風邪よりも症状の持続が長いのが特徴である
  • 初期症状
    • 発熱
    • 喉の痛み
    • 呼吸困難感(息切れ)
    • 倦怠感
    • 頭痛
    • 目の充血
    • 嗅覚異常
    • 味覚異常 など
  • 重症になった場合の症状
    • ひどい咳
    • 強い呼吸困難感(息切れ)
    • 強い全身倦怠感
    • 意識朦朧(もうろう)
  • 身体バランスが悪くなるため気をつけなければならない症状
    • 飲食できない(特に飲水が出来ない)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査・診断

  • 現在(2020年4月)COVID-19に対する検査はPCR法が主流である
    • PCR法の他の検査としてLAMP法や抗原検査(定性法または定量法)がある
    • インフルエンザと同じような簡易検査を確立させる動きがある
  • COVID-19に対する検査の中ではPCR法が最も検出感度が高いと考えられているが、それでも検査精度(感度と特異度)はあまり高くないことに留意が必要
    • 感度(感染している人が検査陽性となる割合)は高くなく、30-50%という報告や70%という報告がある
    • 特異度(感染していない人が検査陰性となる割合)は正確になっていないが、かなり高値(95%以上)が予想される
    • 検体(唾液や痰などのウイルスの存在を調べる材料)を効率的に採取できているかによって検査の精度は左右される
  • 検査の結果をどの程度信用して良いのかの基準には陽性適中率と陰性適中率がある
    • 陽性適中率は検査陽性となった人の中で実際に感染している人の割合を指す
    • 陰性適中率は検査陰性となった人の中で実際には感染していない人の割合を指す
  • 陽性適中率と陰性適中率は感度と特異度だけではなく、検査前確率(検査を受ける前に疾患が疑われる確率)によって大きく影響されるので、検査を受ける人は疑わしい人に絞る必要がある
    • COVID-19が疑わしくない人が検査を受けることや希望者全員に検査を行うことはほとんど意味がないので避けるべきである

◎感度と特異度、陽性適中率と陰性適中率について詳しく知りたい方は以下の詳細を参考にしてください。

  • 抗体検査も参考程度と考えたほうが良い
    • 抗体価や他の感染症との交差反応については今後の検証待ちである
検査・診断の詳細

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法

  • COVID-19に対する明らかな治療効果が証明された治療薬は2021年10月現在存在していない
    • 症状が軽い人は薬を使わないでも問題なく過ごせるが、症状を和らげる治療(対症療法)を行うこともできる
      • 解熱鎮痛薬
      • 鎮咳薬(咳止め)
      • 漢方薬
    • 症状が強い人や重症である人には呼吸のサポート治療や生命維持のための治療が行われることがある
      • 人工呼吸器管理
      • 人工肺装置(ECMOなど)
      • 中心静脈栄養
    • 以下の薬はCOVID-19に対して国内で使用が認められている
      • ファビピラビル(アビガン®)
        • 酸素投与を必要としない軽症患者に対して使用が推奨されている
        • ただし、使用するには厚生労働科学研究費等において行われる観察研究への参加が必要(2021年3月現在)
      • レムデシビル(ベルクリー®):エボラ出血熱に用いられている薬
        • 2020年5月7日に特例承認という本来の段階を経ていない薬剤使用の承認が下されたため、薬剤の適切な使用量や副作用の確認などがまだ完了していない
        • 酸素投与を必要とする中等症から重症の患者に対して使用が推奨されている
      • デキサメタゾン(デカドロン®、デキサート®など)
        • 酸素投与を必要とする中等症から重症の患者に対して使用が推奨されている
        • COVID-19による全身炎症反応を抑えて肺障害や多臓器不全を予防または抑制する目的
        • 英国でCOVID-19による入院患者の死亡率を改善したデータがある
      • カシリビマブ/イムデビマブ(ロナプリーブ®)
        • カクテル抗体療法と呼ばれている
        • 点滴で投与する
        • 発症してから7日以内に投与することで重症化を予防する効果がある
          • 入院や死亡のについて70%ほどの確率で回避できる
        • 既に重症化している人には効果が期待しにくい
        • 重症化リスクのある人を中心に投与を行う
          • 重症化リスク(50 歳以上 、肥満BMI 30kg/m2以上)、心血管疾患(高血圧を含む) 、慢性肺疾患(喘息を含む) 、1 型又は 2 型糖尿病 、慢性腎障害(透析患者を含む) 、慢性肝疾患 、免疫抑制状態(医師の判断が必要、例:悪性腫瘍治療、骨髄又は臓器移植、免疫不全、コントロール不良の HIVAIDS、鎌状赤血球貧血サラセミア、免疫抑制剤の長期投与))
      • ソトロビマブ(ゼビュディ®)
        • モノクローナル抗体と呼ばれる薬剤
        • 点滴で投与する
        • 感染の早い段階で重症化リスクの高い人に投与すると重症化や死亡を8割ほど予防できる
      • モルヌピラビル( ラゲブリオ®)
        • 核酸代謝拮抗薬と呼ばれる薬剤
          • モルヌピラビルが変化した物質がウイルスRNAに取り込まれた後に、ウイルスゲノムのエラー頻度が増加することでウイルスの増殖が阻害される
        • 内服で投与する
        • 発症5日以内に内服することで重症化リスクを30%程度下げることができる
        • 以下の人は使用することができない
          • 重傷者
          • 重症化リスクの低い人(リスクとベネフィットの観点から)
          • 妊娠している人及び妊娠の可能性がある人
          • 18歳未満
  • 抗ウイルス薬の使用に関しては次のように定められている(COVID-19に対する薬物治療の考え方 第6版より)
    • 酸素吸入・侵襲的人工呼吸器管理・体外式膜型人工肺(ECMO)を要する低酸素血症がある人や酸素飽和度94%(室内気)以下の人では抗ウイルス薬治療の開始を検討する
    • 高齢者(およそ60歳以上)や糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・悪性腫瘍、慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態等のある人においては、特に重症化や死亡のリスクが高いため慎重な経過観察を行いながら開始時期を検討する
    • 無症状者や低酸素血症を伴わない軽症者では薬物治療は推奨しない
    • PCR検査などによりCOVID-19の確定診断がついていない人は薬物治療を行わない
  • 他にも以下の薬に関しては国内ガイドラインで中等症以上の患者に対して治療に用いることが弱く推奨されてい
    • 抗IL-6受容体抗体
      • トシリズマブ(アクテムラ®)
    • 抗凝固薬
      • ヘパリンナトリウム
      • ワーファリン
      • エドキサバン(リクシアナ®)
      • アピキサバン(エリキュース®)
      • リバーロキサバン(イグザレルト®) など
  • 新型コロナの患者は一定確率で重症化するため、ワクチン接種によって罹患の確率を下げることもとても重要である

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経過と病院探しのポイント

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が心配な方

新型コロナウイルス感染症COVID-19)が心配な人はまず周囲の流行状況をご確認ください。流行度が高い時期には特に症状の有無に注意が必要になります。また、新型コロナウイルス感染症の確定者が周囲にいて、その人と濃厚接触した場合は感染を考える必要があります。
症状がないのに慌てて受診する必要はありません。数日以上(高齢者、持病のある人、妊婦は2日以上)熱や咳といった風邪の症状が見られて心配な人や明らかに濃厚接触して不安な人は、医療機関や保健所に連絡し相談するようにしてください。また、感染者と濃厚接触したと思われる人も相談が必要です。
相談や受診も時として重要ですが、自宅で過ごせる範囲の風邪症状であれば、自宅安静しながら体力の回復を図ることが最も重要になります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でお困りの方

新型コロナウイルス感染症COVID-19)と診断された人は、自宅やホテルでの待機を指示されるか入院を指示されるかのどちらかになると思います。
入院となった場合は院内で適切な治療が行われますので、主治医の方針に任せてください。自宅待機となった場合には不安もあると思いますが、症状の悪化がなければ飲水を欠かさないで安静にしておくことが回復を早める最も有効な方法となります。極力ご家族を含めた周囲の人との接点も少なくし、咳エチケットと手洗いを徹底してください。状況悪化時の診察や定期的な健康相談にオンライン診療を利用するのも有効です。症状が強くなった場合には入院の要否を判断する必要が出てきますので、上記の相談センターにご連絡ください。

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