こつそしょうしょう
骨粗しょう症
骨がもろくなって、骨折の危険が高くなってしまう病気。高齢女性で特に多い
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最終更新: 2024.01.20
骨粗しょう症の基礎知識
POINT 骨粗しょう症とは
骨がもろくなる病気で、骨を作る細胞と壊す細胞のバランスが崩れることが原因です。高齢者に多いです。骨粗しょう症の人が転倒したときには骨折しやすくなっているので、転倒予防が必要になります。骨粗しょう症にはホルモンのバランスの崩れやカルシウムの低下、ビタミンDの低下などが関わっています。骨折してしまう前に骨の強度を高くする必要があり、食事療法や運動療法、薬物療法などが有効です。骨粗しょう症が心配な人は整形外科や内科で相談してみてください。
骨粗しょう症について
- 骨がもろくなってしまうことで、ちょっとした衝撃でも骨が折れてしまう危険性が高くなる病気
- 転倒による骨折が多い
- 骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れることで起こる
- 人間の骨は常に新しく生まれ変わっている(骨の吸収と骨の再生が繰り返されている)
- 骨を壊す細胞は古くなった骨を溶かし、骨を作る細胞は新しく丈夫な骨を作っている
- 新鮮で丈夫な骨を保つバランスが崩れて、骨を壊す細胞が強くなると骨粗しょう症が起こる
- バランスが崩れる原因
骨粗しょう症の症状
骨粗しょう症の検査・診断
骨密度検査 :骨の塩量から、骨の強度などを調べるレントゲン 検査(X線 写真):脊椎圧迫骨折など、骨折がないかなどを調べる- ただし、骨折をすでに起こしてしまった患者で、骨粗しょう症が疑わしい場合は治療を開始することもある
骨粗しょう症の治療法
- 食事療法
- カルシウム、
ビタミン (特にビタミンD とK)の多い食事を心がける
- カルシウム、
- 運動療法
- 運動することで骨を丈夫にし、かつ転ばないための筋力やバランス力をつける
- 主な治療薬
- ビスホスホネート(商品名:ボナロン、アクトネル、ボノテオなど)
- 活性型ビタミンD3(商品名:アルファロール、エディロールなど)
副甲状腺ホルモン 製剤(商品名:テリボン、フォルテオ、オスタバロなど)- デノスマブ(商品名:プラリア)
- ロモソズマブ(商品名:イベニティ)
- 選択的
エストロゲン 受容体調節薬(商品名:ビビアント、エビスタなど) - 更年期以降の女性に骨粗しょう症の予防として、
ホルモン 補充療法を行うことがある
骨粗しょう症に関連する治療薬
副甲状腺ホルモン製剤(骨粗しょう症治療薬)
- 骨を作る細胞の機能を活性化し骨をつくる過程を促進させることで骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
- 骨粗しょう症では骨を壊す過程(骨吸収)が骨を作る過程(骨形成)を上回り骨量が低下して骨折などの危険が伴う
- 副甲状腺ホルモンは断続的に途切れ途切れ投与すると骨を作る細胞の機能が活性化し骨形成が促進される
- 本剤は副甲状腺ホルモンの製剤で骨形成を促進させる作用をあらわす
- 投与期間の制限(上限)が決められている
活性型ビタミンD3製剤
- 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
- 骨粗しょう症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れ骨がもろくなってしまう
- ビタミンDは活性型ビタミンD3となると、小腸からのカルシウムの吸収を促進させ骨量の減少を抑える
- 本剤は体内で活性型ビタミンD3とほぼ同様の作用をあらわす
- 続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使用する薬剤もある
ビタミンK製剤
- 体内にビタミンKを補うことで、ビタミンKの以下の働きにより骨粗しょう症の治療や出血傾向などの改善へ使用する薬
- ビタミンKは骨を強くする働きをもつ
- ビタミンKは血液を固める要因(血液凝固因子)に関与し、血液を固める働きをもつ
- 製剤によって使用する症状や疾患が異なる場合がある