だいたいこつきんいぶこっせつ(てんしぶこっせつ、けいぶこっせつ、てんしかこっせつ)
大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)
太ももの骨の、股関節の部分(大腿骨近位部)の骨折
7人の医師がチェック 114回の改訂 最終更新: 2017.12.06

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)の基礎知識

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)について

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)の症状

  • 足を動かしたときや股関節の周りに力を入れたときに痛みが生じる
  • 転倒後では痛みのために立ち上がれないことが多い
  • 骨折した方の足は、がに股のように外を向くことが多い
  • 骨折した方の足が、反対側の足よりも短くなって見えることがある

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)の検査・診断

  • 画像検査:骨折の有無や程度などを調べる
    • レントゲン
    • CT
    • MRI:レントゲンやCTではわからないような骨折を調べるために行われることがある

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)の治療法

  • 基本的には手術を行い、その後リハビリテーションを実施する
  • 手術
    • 骨の中に金属を入れる手術:ガンマネイル・ハンソンピン・コンプレッションヒップスクリューなど
    • 置換術:人工骨頭置換術や人工関節全置換術など
    • 年齢・重症度・認知機能などを鑑みてどの治療法を用いるかが決まる
  • 保存的治療
    • 骨折が軽い場合やもともと歩行が困難である場合には、手術を行わずに自然と骨が固まるのを待つこともある
  • リハビリテーション
    • 足に体重をかける練習
    • 歩行練習
    • 日常生活を送る上で必要な動作(家事、入浴、階段昇降など)の練習
    • 外出に必要な動作(公共交通期間の利用・買い物など)の練習
  • 以下のことを行うことで予防、再発予防を行うことができる
    • 日常的に運動を行うことや認知機能を低下させないことで、転ぶことを予防する
    • 退院後の継続的なリハビリテーションや環境設定(家屋改修:手すりの設置など)により、転倒を予防できる可能性がある
    • 転倒したときの衝撃を和らげる「ヒッププロテクター」を装着する
  • 高齢者の場合には、骨折をきっかけに寝たきりになってしまう場合もある
  • 寝たきりを防ぐためにも、積極的なリハビリテーションが重要

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)の経過と病院探しのポイント

大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)が心配な方

大腿骨近位部骨折は、足の付け根や股関節の近くに起きる骨折で、特に高齢の方に多いです。転んで強く打ったりひねったりした後から足の付け根が痛くて動かせない場合には、大腿骨近位部骨折の可能性があります。それ以外にも似た症状を来たす疾患としては股関節の脱臼や肉離れ筋断裂)などが色々とあります。ご自身で大腿骨近位部骨折と診断するのは必ずしも容易ではありません。実際に医療機関を受診された後は、大腿骨近位部骨折の診断は診察とレントゲンで行います。また、場合によってはCTやMRIを補助的に使用します。

ご自身の症状が大腿骨近位部骨折でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。痛みで全く立ち上がれないという時には救急車での受診が良いでしょう。歩いての受診が可能で、結果的に骨折ではなく筋肉や靱帯の問題であればクリニックで対応が可能です。もし診断が大腿骨近位部骨折で手術が必要となる場合には、レントゲンやその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書(紹介状)とともに、手術可能な病院を紹介してもらうことになります。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来が空いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要であったりします。

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大腿骨近位部骨折(転子部骨折、頸部骨折、転子下骨折)でお困りの方

大腿骨近位部骨折の場合、その他の部位の骨折と違ってギプスで固定することなどができませんから原則は手術が必要です。ただし、ご高齢の方や心臓・肺・その他の臓器に持病がある方などで手術を行うリスクが大きい場合には、自然に骨がつくのを待つこともあります。しかし、こちらの方法だと骨折が治っても歩行が困難なままになってしまったり、痛みが残ってしまったりするため、手術が可能であれば治療の原則は手術です。大腿骨近位部骨折では、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ない疾患かもしれません。

手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。また、ご高齢の方で入院中に筋力が低下してしまったり、以前のように歩くことが難しくなってしまった場合には長期間のリハビリテーションが必要となります。一人で日常生活を行うことができないような場合には、急性期病院から回復期病院(リハビリ病院や療養型病院)に転院して、リハビリを行います。急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったスタッフですが、患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を探す上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点も、回復期の病院を探す上でのポイントとなります。

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