2017.11.19 | ニュース

高齢者が転ばないようにするにはどの方法が効果的?

文献の調査から

from JAMA

高齢者が転ばないようにするにはどの方法が効果的?の写真

高齢者の転倒は骨折につながりやすく、以後の生活に大きく影響する場合があります。転倒防止のためにこれまで研究されてきた方法の効果について、体系的な調査が行われました。

65歳以上の転倒防止

カナダの研究班が、65歳以上の人に対する転倒防止策の研究報告の調査を行い、結果を医学誌『JAMA』に報告しました。

この調査は、文献の検索により過去の研究報告を集めて評価したものです。転倒防止のために多くの方法が試されているため、複数の方法の効果を比較できるネットワークメタアナリシスという統計的手法を使いました。

 

運動とその他の組み合わせ

調査の結果、283件の研究結果が採用されました。対象者数は合計159,910人でした。ネットワークメタアナリシスで比較された転倒防止法は、通常のケアのほか39種類にのぼりました。

解析の結果、以下の方法が通常のケアよりもけがにつながる転倒が少ないと見られました。

  • 運動
  • 運動と視力検査視力を測定する検査。ランドルト環と呼ばれる、アルファベットのCに似た形の向きを答える測定法がある・治療の組み合わせ
  • 運動、視力検査・治療、住環境の調査と調整の組み合わせ
  • クリニックごとのケアの質改善・多視点での状態の評価と治療・カルシウムとビタミンD脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの量を体内で適切に調整する働きを持つ。外部から摂取する他に、紫外線を浴びることで体内でも合成されるの補充

ほかに社会参加などの効果を試した研究がありましたが、データから有効性は確認できませんでした。

 

転倒防止には運動?

転倒防止についての研究を紹介しました。運動単独のほかいくつかの方法が、けがにつながる転倒を防ぐという結果でした。

この報告が載った『JAMA』の編集部記事は、運動の効果に着目しつつ、「運動のすすめは個人に合わせて調整されるべきである」、「患者に運動はゆっくり気を付けて始めるようアドバイスすることは普通、効果的である」、また人によっては「個人トレーナーまたは理学療法体の障害に対して、動かしたり、電気や熱で刺激したりすることを通じて行う治療。理学療法士はPT(Physical Therapist)と呼ばれる士を薦めることが助けになるかもしれない」と記しています。

運動は多くの面で健康によく働きます。医学研究の中で検証を重ねることが、目的に応じた運動のすすめにも活かされています。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Comparisons of Interventions for Preventing Falls in Older Adults: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2017 Nov 7.

[PMID: 29114830] https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2661578

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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