2015.12.05 | ニュース

足首の骨折は他の部位と比べてどんな特徴があるか?

約600万人を分析

from The Journal of bone and joint surgery. American volume

足首の骨折は他の部位と比べてどんな特徴があるか? の写真

高齢者では、股関節や背骨、足首の骨折が起きやすいことが知られています。今回の研究では、足を骨折した高齢者とその他の骨折や病気を比較して、その後の死亡率とどのような関連性があるか検証しました。

◆足首の骨折ではその後の死亡率にどんな特徴が?

今回の研究では、足首の骨折患者19,648人、股関節の骨折患者193,980人、その他の病気やけがで入院した患者約580万人を比較し、死亡率との関連を検証しました。

 

◆足首の骨折があると死亡リスクが低くなる!?

以下の結果が得られました。

年齢と併存症を考慮した多変量解析では、骨折に関連した1年死亡率のハザード比は、股関節骨折の患者で1.088、足関節骨折の患者で0.557であった。

足首の骨折があった人では、足首の骨折・股関節骨折以外の理由で入院した人に比べて、死亡する危険性が低いという結果でした。

この結果を受けて筆者らは、「足首を骨折した高齢者は、年齢や併存症を単純に考慮することでは捉えられない点で、より健康かつ活動的な傾向があるかもしれない。これらの知見は、このような対象におけるケガのより積極的な決定的管理を支持するかもしれない」と述べています。

 

足の骨折と死亡率の低下の間に、どのような直接的な関係があるかは不明です。しかし、もしかしたら足首の骨折では、股関節の骨折などよりも少し前向きに考えても良いのかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Morbidity and Mortality Associated with Geriatric Ankle Fractures: A Medicare Part A Claims Database Analysis.

J Bone Joint Surg Am. 2015 Nov 4

[PMID: 26537162]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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