転倒予防バランストレーニングでけがを防止

転倒は、特に高齢の人では大腿骨近位部骨折などの深刻な負傷につながることも珍しくありません。フランスで75歳以上の女性を対象に2年間のトレーニングを行った研究で、負傷に至る転倒が少なくなる結果が得られました。
◆フランスの高齢女性が対象
研究班は、75歳から85歳で、歩行やバランスの能力低下が見られた女性706人を対象として、毎週のグループトレーニングと家庭での運動指導によってバランストレーニングをするグループ(介入群)と、何もしないグループ(対照群)にランダムに分け、トレーニングが行われる2年間で転倒の頻度を比較しました。
◆負傷が減少
次の結果が得られました。
介入群で305例の負傷に至る転倒が起こり、対照群では397例が起こった(ハザード比0.81、95%信頼区間0.67-0.99)。
トレーニングを行った介入群では、対照群よりも負傷に至る転倒が少なくなっていました。
高齢で運動能力が下がった人にとって、転倒による負傷は寝たきりの原因になることも多く、転倒を防ぐことが大きな課題です。これまでにもさまざまな観点から転倒防止プログラムが考案されており、この研究で示されたプログラムもそのひとつに加わっていくかもしれません。
執筆者
Effectiveness of two year balance training programme on prevention of fall induced injuries in at risk women aged 75-85 living in community: Ossébo randomised controlled trial.
BMJ. 2015 Jul 22
[PMID: 26201510]
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