こつそしょうしょう
骨粗しょう症
骨がもろくなって、骨折の危険が高くなってしまう病気。女性の高齢者に特に多く見られる
9人の医師がチェック 133回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 骨粗しょう症のQ&A

    骨粗しょう症の薬の副作用で注意することはありますか?

    骨粗しょう症の治療薬で多く用いられている薬にビスホスホネート系製剤がありますが、使用している患者さんが抜歯やインプラントなどの手術をした場合に顎の骨が壊死(顎骨壊死)してしまう副作用があることが知られています。

    ここでは顎骨壊死になりやすいリスク要因とビスホスホネート系製剤を使用されている方が手術をする場合の注意点についてご紹介します。

    顎骨壊死になりやすいリスク要因として以下が挙げられます。

    • ビスホスホネート系製剤の種類による要因

      • 注射は飲み薬よりもリスクが高い
    • 口の中の衛生状況が不良または歯周病や歯周膿瘍などの炎症がある

    • ステロイド薬や免疫抑制薬などを使用している

    • がんを患っている

    • 糖尿病を患っている

    • 血液透析をしている

    • 肥満

    • 喫煙

    • 飲酒

    ■抜歯やインプラントなどの手術をする場合は要注意

    ビスホスホネート系製剤の飲み薬を使用している場合、以下の項目が当てはまる場合には可能であれば手術をする前の3か月間はビスホスホネート系製剤の使用を中止します。手術を終え骨の治癒を認めた後に使用を再開します。

    以下の人は顎骨壊死を起こすリスクが高いため注意が必要です。

    • ビスホスホネート系製剤の飲み薬を使用して3年以上が経過している

    • ビスホスホネート系製剤の飲み薬を使用して3年未満だがステロイドを併用している

    なお、ビスホスホネート系製剤の注射をしている場合に、抜歯やインプラントなどの手術を行って良いかどうかについては定まった一つの見解がないため、担当の歯科医や口腔外科医と相談の上、治療方針を検討する必要があります。基本的に飲み薬と同様にビスホスホネート系製剤の投与期間が3年未満で顎骨壊死のリスク要因がない場合は薬の投与を中止する必要はないと言われています。

    なお、手術をした後はなるべく骨髄炎を発症させないように歯茎の傷や歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)を洗う、抗菌薬や抗菌性の洗口液(口の中をゆすぐ液体)を使用するなどして清潔を保つようにします。

    骨粗しょう症の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    骨粗しょう症は、骨の量(骨量、骨密度)が減少したり、骨の質(骨質)が悪くなったりして骨が弱くなり、骨折しやすくなる疾患です。骨の内部には、骨梁といって、骨の柱が縦横にたくさんあり、骨の強度を保っています。骨粗しょう症になると、骨梁が細くなったり、弱くなったりして、脆くスカスカの状態になるため、骨折しやすくなります。

    骨粗しょう症は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    骨粗しょう症の患者さんは、人口の10%ほどの1280万人(男性300万人、女性980万人)ともいわれています。患者数は50歳代から急激に増え始め、高齢になるほど発症しやすい疾患です。男性よりも女性がなりやすい疾患です。

    骨粗しょう症が発症しやすくなる、または骨粗しょう症の人が他に注意すべき病気はありますか?

    高齢になるほど、発症しやすい疾患です。特に女性がなりやすく、男性の3倍ともいわれています。女性は、閉経により、女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。エストロゲンは骨にカルシウムを蓄えたり、骨からカルシウムが溶け出すことを抑えたりする働きがあります。そのため、閉経によるエストロゲンの減少により、骨粗しょう症になりやすいとされています。また、喫煙もエストロゲンの分泌を抑えるため、骨量が不足しやすくなります。

    骨粗しょう症は、遺伝する病気ですか?

    骨の強さは、遺伝的な要素も関係すると言われています。近親者に骨粗しょう症の患者さんがいたり、母親が骨折しやすい場合などには注意が必要です。ただし、家族の間で似ている生活習慣から発症している場合もあり、遺伝と混同してしまう場合もあります。

    骨粗しょう症は、どんな症状で発症するのですか?

    骨粗しょう症そのものに症状はありませんが、骨が脆くなり骨折しやすくなります。骨折をしてはじめて、骨粗しょう症に気づく場合もあります。骨折しやすい部位は、主に4つで、腕の付け根(上腕骨近位部)や、背骨(椎体)、手首(橈骨遠位端)、足の付け根(大腿骨近位部)がいわれています。

    骨粗しょう症が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    重症化すると、つまずいたり、尻もちをついたりといった軽い力でも骨折する場合があります。また、腰の骨を骨折すると、背骨が曲がったり、身長が縮んだりする場合もあります。

    骨粗しょう症は、どのように診断するのですか?

    骨密度を測定することで診断できます。骨密度を測定する方法はいくつかあり、微量のX線を使う方法(DXA法)や、超音波を使う方法(定量的超音波法)などがあり、痛みなく行えます。背骨や手首、足の付け根の骨などいろいろな場所で測定できます。

    骨粗しょう症の、その他の検査について教えて下さい。

    骨折が起きていないか、骨がスカスカになっていないか、X線(レントゲン)検査を行います。また、骨粗しょう症以外の病気がないか、血液検査や尿検査を行います。また、血中の骨形成や骨吸収マーカー(骨形成や骨吸収の際に血液中に放出される物質)を調べることで骨粗しょう症の程度を調べることもできます。

    骨粗しょう症の治療法について教えて下さい。

    主に、食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。食事療法では、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、骨の形成に必要なビタミンD、ビタミンKをとるようにし、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

     運動療法は、運動して骨に負荷をかけることで、骨を丈夫にする効果が期待できます。また、筋肉を鍛えることでふらつきが少なくなり、転倒を予防することもできます。薬物療法では、骨の吸収を防いだり、骨の形成を促進して骨量を増やす薬や骨の代謝を助ける薬を使って治療を行います。また、痛みには、痛み止めを使う場合もあります。

    骨粗しょう症の治療薬の使い分けについて教えて下さい。

    骨粗しょう症の治療薬は、「骨の吸収を防ぎ、骨量を増やす薬」、「骨の形成を促進し、骨量を増やす薬」、「骨の代謝を助ける薬」があります。

    「骨の吸収を防ぎ、骨量を増やす薬」は、破骨細胞(骨を壊す作用をもつ)の働きを抑えたり、女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをする薬などがあり、広く用いられます。「骨の形成を促進し、骨量を増やす薬」は、骨折が多発している患者さんや、重度の骨粗しょう症の患者さんに用います。「骨の代謝を助ける薬」は、ビタミンDやビタミンKが含まれた薬を内服します。

    骨粗しょう症の薬は、生涯飲み続けることになるのですか?

    お薬を飲むことで、骨密度の値が改善しても、勝手に薬を中断すると骨密度は再び低下してしまいます。骨粗しょう症の薬の中には、途中で休みを入れながら服用するものもあります。また、十分に骨密度の値が改善すれば、お薬での治療をやめることもあります。その判断は、医師が検査の結果を診ながら慎重に判断します。自己判断で勝手に薬をやめることはせず、医師の指示のもときちんと治療することが大切です。

    骨粗しょう症に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    生活習慣として、食事と運動に気をつけましょう。食事では、骨を作るために必要なカルシウムやビタミンD、ビタミンKを多く含む食品を摂るようにしましょう。喫煙や飲酒はカルシウムの吸収を減らしたり、カルシウムを体外に排出する作用があると言われています。喫煙、アルコールの摂りすぎには注意が必要です。

    また、骨を作るためには適度な運動も必要です。体操したり、散歩をしたり、無理のない範囲で継続することが大切です。

     さらに、転ばないように自宅内の環境を整えることも必要です。小さな段差やマットなどにつまずき、骨折する場合もありますので、自宅内を整理整頓しておくことも重要です。


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