[医師監修・作成]緑内障の日常生活の注意点や疑問、悩みについて | MEDLEY(メドレー)
りょくないしょう
緑内障
眼球内部の圧力が上がることで、眼の視神経に障害が生じ、視野に障害が出る病気
9人の医師がチェック 167回の改訂 最終更新: 2022.07.25

緑内障の日常生活の注意点や疑問、悩みについて

緑内障は点眼薬などによって進行を抑えることはできますが、完治は難しい病気です。病気とずっと付き合っていくことになるので、日常生活で注意を払わなければならないことが増えます。ここでは緑内障の人が日常生活を送る上での注意点に加えて、疑問や悩みについてもまとめました。

1. 緑内障の人が日常生活を送る上での注意点

緑内障の人は日頃から眼圧の上昇に気を配る必要があります。薬の中には副作用で眼圧の上昇を起こすものがあるので、市販薬を服用するときや病院を受診するときの注意点を説明します。

緑内障の人は避けるべき薬(禁忌薬)がある

薬の中には眼圧の上昇を起こすものがあり、緑内障の人が服用する際には注意が必要です。

【眼圧上昇を起こす主な薬】

  • 散瞳薬
  • 睡眠薬
  • 抗うつ薬
  • ステロイド薬
  • 感冒薬(風邪薬)
  • アレルギー

お医者さんはこれらの薬を処方する際には患者さんの持病に緑内障があるかどうかを注意しているので、あまり心配になることはありません。また、市販されている総合感冒薬(風邪薬)や抗アレルギー薬にも眼圧を上昇させる危険性があります。

緑内障の人は風邪やアレルギーに関係した病気(例:アレルギー性結膜炎アレルギー性鼻炎)になったときの避けるべき(禁忌薬)薬について、眼科のかかりつけのお医者さんに確認しておいてください。また、薬局で購入する際に薬剤師さんに緑内障であることを相談すると禁忌薬をより確実に避けられます。

緑内障の人がかかりつけ医以外を受診するときの注意点

医療機関で受ける検査や治療の中には緑内障に悪影響を及ぼすものがあります。かかりつけ医以外を受診するときには、緑内障への影響を避けるために、まず、緑内障であることをはっきりと伝えるようにしてください。また、かかりつけ医以外を受診する際には、かかりつけ医に紹介状診療情報提供書)を作成してもらうとより多くの情報を伝えられます。紹介状の利用も検討してみてください。

2. 緑内障の疑問について

緑内障は耳にしたことがあるかもしれませんが、詳しく知られていないことがあります。ここでは緑内障の疑問について説明していきます。

緑内障は失明する病気なのか

緑内障によって失明することはあります。しかし、緑内障の人が必ず失明するわけではありません。緑内障になっても適切な治療を続けることで、視力を保てる可能性が高まります。

緑内障の原因に予防できるものはあるのか

緑内障の発症のメカニズムはまだ不明な点があり、はっきりとした予防方法は確立していません。一方で、緑内障の発病の危険性をあげるものとして「高血圧症」や「糖尿病」が知られています。かからないようにすることやきちんした治療は、緑内障になる可能性を下げることにつながります。

緑内障を抜きにしても、糖尿病高血圧症は全身にさまざまな悪影響を及ぼすので、予防やきちんとした治療によって、健康の維持に取り組んでみてください。

眼圧が高くなくても緑内障になることはあるのか

眼圧の正常な範囲は10mmHgから20mmHgとされています。そして、眼圧の上昇は緑内障の原因として考えられており、眼圧を下げることによって病気の進行を緩やかにできます。しかし、眼圧が正常範囲内でも緑内障になることがあり、このタイプを「正常眼圧緑内障」と言います。正常眼圧緑内障も、眼圧が高い緑内障の人と同様で、眼圧を下げることによって病気の進行を抑えられます。

緑内障は遺伝やストレスが原因になるのか

遺伝やストレスが緑内障の発病と関係するかは気になる人が多いようです。ここでは、それぞれの関係性について説明していきます。

■遺伝

血のつながった人の中に緑内障の人がいると、緑内障になりやすいとされています。詳しいことはまだ分かってはいませんが、なんらかの遺伝による影響緑内障の発症に関わっていると考えられています。ただし、どの程度なりやすいかについては、はっきりとした数値としては分かっていないのが現状です。

遺伝と関係があると聞くと、家族に緑内障の人がいる人は発病するのではないかと心配になるかもしれません。必ず発病するわけではないので、過度に心配しすぎることはありません。

■ストレス

緑内障の発病とストレスの関係性については現在のところ不明です。一般的にストレスは身体の変調に影響すると考えられているので、全身のコンディションを整える意味で、ストレスは出来るだけ小さくするのが望ましいです。「音楽鑑賞」や「入浴」、「友人との食事」などストレスの解消法はひとそれぞれです。自分にあったものを生活に取り入れてください。

緑内障は子どもや若い人にも起こることがあるのか

40歳代になると緑内障になる人が現れ始め、年齢を重ねるとともに発病する人が増えていきます。しかし、少ないながらも子どもや若い人も発病することがあります。子どもや若い人の緑内障は発達緑内障と呼ばれることもあり、先天性の病気です。ほとんどが1歳までに発病しますが、10歳代から20歳代で発病することもあります。発達緑内障では薬物治療の効果が十分ではないことが多く、手術が検討されます。

緑内障の人はコンタクトレンズを使っても大丈夫なのか

緑内障の人でもコンタクトレンズを使うことはできます。ただし、正常な人より適切に使うことが大切です。例えば、「使い捨てタイプのものは使用期間をまもる」や「装着したまま寝ない」などです。緑内障の人がコンタクトレンズを使う際には、目に負担をかけないように適正使用により気を配ってください。

緑内障に回復効果のある食べ物やサプリメントはあるのか

緑内障の回復にはっきりと効果のある食べ物やサプリメントはみつかっていません。現在の所、緑内障の治療は食事ではなく、薬や手術によって眼圧を下げることです。回復効果のある食べ物が今後見つかるかもしれませんが、現状では食事やサプリメントに過度な期待をするより、効果が確立した治療をしっかりと行うことが重要です。

緑内障の人は白内障手術を受けられるのか

緑内障の人が白内障を起こすことがあります。白内障の治療は主に手術です。緑内障があると手術ができるかどうか気になるところです。結論から言うと、ほとんどの緑内障の人は白内障手術を受けることができます。白内障手術を行うと眼圧が下がることが多いので、緑内障にも良い効果が期待できます。ただし、緑内障の状態によっては、白内障手術を行うかどうかやその方法などを慎重に決めなければならないこともあります。緑内障の人が白内障手術を検討するときは、必ず緑内障であることをお医者さんに伝えるようにしてください。

3. 緑内障の検査や治療に関する悩みについて

緑内障で検査や治療が必要となるとそれまでとは違った悩みが出てきます。ここでは緑内障の検査や治療に関する悩みを説明していきます。

緑内障は早期発見できるのか

初期の緑内障は自覚症状がないことが多いです。そのため、症状を頼りにした早期発見は簡単ではなく、病気に気付いた時にはすでに進行していることが珍しくありません。定期的に眼科で調べてもらうと、早期発見に期待できますが、全ての人に必要であるとは限りません。

また、どのくらいの頻度で受診すれば効果的かの間隔も定まってはいません。緑内障が心配な人は眼科を受診し、お医者さんと定期検査の必要性や検査の間隔などについて相談してみてください。

緑内障かどうか調べたいときにはどんな病院に行けばいいのか

まず、緑内障の診療を専門とするのは眼科です。調べたい人は眼科を受診してください。緑内障の診察や検査は一般的な眼科でも行うことができるので、クリニックでも良いですし、専門病院や総合病院でも良いです。

緑内障は治療で完治するのか

緑内障は眼圧の上昇によって視神経(目で見たものを脳に伝える神経)が傷付く病気です。傷ついた神経が元の状態に戻ることはないので、「完治」を元の状態に戻ることと捉えるならば、完治は難しいと言わざるをえません。眼圧を下げることで緑内障による視神経の障害を遅らせることができ、目の機能の維持にもつながります。緑内障治療の目標は完治ではなく、目の残された機能をできるだけ守っていくことです。

治りにくい緑内障でセカンドオピニオンを受けたい場合はどうすればいいのか

緑内障が治りにくく他の医療機関での診察を受けたい場合は、セカンドオピニオンを利用するとよいです。セカンドオピニオンとは、主治医以外のお医者さんに「現在受けている」もしくは「これから受ける」治療の方針などについての意見を聞くことです。多くの場合は、主治医に紹介状(診療情報提供書)を作成してもらい、それを持って他の医療機関を受診し自分の病状や治療についての意見を聞きます。セカンドオピニオンは、より広い視野で治療を選択するのに有効な方法です。

■セカンドオピニオンを受けるにはどうすればいいのか

主治医との関係が悪くなるような気がするためか、「セカンドオピニオンを受けたい意志をなかなか切り出しにくい」と言う声をよく耳にします。セカンドオピニオンは患者さんがもつ権利です。もし他の医師の意見を聞いてみたいと思ったならば、遠慮なく主治医にセカンドオピニオンを求めることをお薦めします。

■セカンドオピニオンの目的と注意点

セカンドオピニオンを受ける時に大切なことは、受診する目的をはっきりとさせることです。セカンドオピニオンを担当する医師は主治医とは異なり、初対面になります。今までの治療経過については診療情報提供書で把握していても、患者さんの性格や価値観などは把握できていません。診療情報提供書には通常書かれない患者さん自身の考えや心配事を明確に伝えなければ、本当に聞きたかったことをうまく聞けないかもしれません。自分の意思を知ってもらうために、あらかじめ聞きたい点を紙に書き出すなどして整理しておいてください。

【参考文献】

・UpToDate Open-angle glaucoma: Epidemiology, clinical presentation, and diagnosis Author:Deborah S Jacobs, MD
・UpToDate Angle-closure glaucoma Author:Jennifer S Weizer, MD