りょくないしょう
緑内障
眼球内部の圧力が上がることで、眼の視神経に障害が生じ、眼が見えづらくなる病気
9人の医師がチェック 161回の改訂 最終更新: 2018.10.08

緑内障の疑いがある人に行われる検査:診断のための眼底検査・視野検査・OCT検査や検査時間・費用について

視野の欠損や視力の低下などから緑内障が疑われる人には診察や検査で詳しく調べられます。検査の中では隅角検査や眼圧検査眼底検査が特に重要です。緑内障の診断に用いられる診察と検査の内容や所要時間、費用についても説明します。

1. 問診

問診は対話形式の診察方法です。患者さんが困っている症状や、患者さんの持病などの背景を確認することが目的です。患者さんは困っている症状や心配している症状をお医者さんに伝えます。一方で、お医者さんは患者さんがかかったことのある病気や持病、服用している薬について質問をします。

視野の欠損や視力の低下から緑内障が疑われる人には次のような質問が行われます。

  • どんな症状があるか
  • 症状はいつからあるのか
  • 他に気になる症状はあるか
  • 持病はあるか
  • 定期的に飲んでいる薬はあるか

緑内障では視力が低下したり、視野が欠けたりしますが、同じような症状は他の目の病気でも起こります。問診の内容からある程度確率の高い病気が絞り込むことができ、次の身体診察や眼科検査でより詳しく調べられます。

2. 身体診察

身体診察ではお医者さんが患者さんの身体の状態をくまなく調べます。特に問診で異常が疑われた場所は、より念入りに調べられます。具体的には、身体の表面を観察したり、手で触ったりして詳しく調べられます。目の状態を詳しく調べるには肉眼での観察だけでは不十分なので、次で説明する眼科検査が行われます。

3. 眼科検査

目の状態を詳しく調べるには、いくつか検査が必要です。緑内障が疑われる人に行われる検査の目的は「緑内障の診断」と「緑内障以外の病気がないことの確認」です。

【緑内障が疑われる人の眼科検査】

  • 視力検査
  • 視野検査
  • 眼圧検査
  • 隅角検査
  • 眼底検査
  • 光干渉断層計(OCT)検査

それぞれについて詳しく説明します。

視力検査

視力検査は学校や職場の健康診断で受けるものと同じです。さまざまな向きと大きさの「C」の形(ランドルト環)を見て、切れ目の入っている方向を答えます。視力は片目ずつ測定されます。

視野検査

ある一点を見つめた状態で、見ることのできる範囲を視野と言います。視野検査では視野の範囲や視野の欠けの有無調べます。緑内障が進行すると視野が欠けたり狭くなったりします。検査にはとくに準備は必要はなく、検査中に痛みもありません。片目ずつ検査を行い20分から30分かかります。

眼圧検査

眼圧が高くなると目が硬くなり、眼圧が低くなると目の張りが失われ柔らかくなります。

緑内障は房水が多くなることによって眼圧が上昇し、目の奥にある視神経(目で見たものを脳に伝える神経)が障害される病気です。眼圧を測定することで、緑内障かどうかの判断がつきやすくなります。検査は特殊な器具に顎を載せて行い、目に空気を拭き当てて目の硬さを測定します。検査時間は3分程度です。痛みを感じることは少ないですが、施設によっては検査の前に麻酔の効果のある点眼薬をさすことがあります。

隅角検査

隅角検査は隅角の状態を調べる検査です。隅角は虹彩(茶色目の部分)と角膜が接近している部分のことで、緑内障の発病と強い関係があります。また、隅角の先には線維柱帯という房水を吸収する場所があります。房水は線維柱帯に吸収されて目の外へ排出されます。隅角が狭くなっていると房水が線維柱帯に流れにくくなり、目から排出される量が減ります。排出量が減ると、眼球の中にある房水が過剰になり眼圧が上昇してしまいます。

隅角が狭いことを「狭隅角」と言い、隅角がより狭くなることや閉塞してしまうことを原因とする閉塞隅角緑内障を起こしやすいです。閉塞隅角緑内障は急速に進行して失明を起こす「急性緑内障発作(「緑内障の症状」を参考)」が起こる可能性がありますが、あらかじめ房水の逃げ道を作る処置を行い、発作を予防することができます。隅角検査は専用のコンタクトレンズを患者さんの目に押し当てて行います。器具を目に押し当てますが、検査の前に麻酔効果のある点眼薬を使うので痛みはほとんどありません。

眼底検査

眼底とは

眼底は目の一番奥側の場所のことです。

眼底には網膜という膜が裏打ちしており、血管や視神経があります。眼底検査では、この網膜に張り巡らされた血管や視神経の状態を調べることができます。視神経は目でみたものの情報を脳に伝える役割を担っています。緑内障になると、視神経が障害されて視力の低下や視野の欠損が起こります。眼圧の上昇に加えて、眼底検査で視神経に障害が見られると、より緑内障の疑いが強くなります。

眼底検査は詳しく目の状態をみるために、点眼薬を使って瞳孔を開いた状態(散瞳)にして行います。薬の効果によって散瞳が起こると、しばらく光を極端に眩しく感じたり近くが見えににくなったりします。そのため、検査を終えてから4時間から5時間は車の運転などは避けてください。

光干渉断層計(OCT)検査

光干渉断層計検査では特殊な光(近赤外光)を用いて、網膜の状態を詳しく調べます。この検査でどの程度網膜が障害を受けているかがわかります。網膜の状態をより詳しく調べられる検査なので、治療の効果をみるために定期的に行われることもあります。光干渉断層計検査には痛みはなく、5分から10分と短時間でできる検査で、身体への負担はほとんどありません。

4. 緑内障の検査にかかる時間や費用

緑内障かどうかを調べるのにかかる費用は5000円程度(3割負担)で、検査時間は1時間から1時間半程度です。保険の種類や、両目か片目かなどの条件によって費用に差がでます。費用が心配な人は受診を考えている医療機関に問い合わせるとより正確に負担額を知ることができます。

【参考文献】

緑内障診療ガイドライン(第4版)
・医科診療報酬点数表