りょくないしょう
緑内障
眼球内部の圧力が上がることで、眼の視神経に障害が生じ、眼が見えづらくなる病気
9人の医師がチェック 158回の改訂 最終更新: 2018.01.18

Beta 緑内障のQ&A

    緑内障の原因やメカニズムについて教えてください

    緑内障は、視神経乳頭(眼球の後方で神経が入ってくる部分)周囲の血流が悪いことや、もともとの視神経細胞の弱さが原因ではないかと言われていますが、はっきりとはわかっていません。しかし眼圧が高い(眼球全体が固い)と視神経乳頭周囲の血流が悪くなり、これが緑内障を発症、進行させる大きな要因となることはわかっています。

    目の中には房水という液体が存在し、その量によって眼圧が決まります。正常人では房水は毛様体という目の中の一部で産生され、隅角と呼ばれる部分から排出されます。これによって、房水は一定量に保たれています。

    房水の作られる量は基本的に常に変わりませんが、排出される量は様々な原因で低下します。これによって眼圧が上昇し、緑内障を発症、進行させることになります。

    緑内障になるとどのような症状が出るのですか?

    緑内障では、視野が欠け、その欠けた部分が広がってきます。初期のわずかな視野欠損は自分で気づくことは困難です。カレンダーなどの数字が並んでいる表を片眼ずつで見てみると、一部分だけ数字がぬけて見えるという検査方法もあります。

    進行して両方の眼の視野欠損がある程度進行すると、両眼で見ても完全に見えない場所ができて、階段をよくふみはずす、車のサイドミラーの同じ側ばかりをよくこする、食事のときに左右のどちらかばかりおかずを残すなどといった、視野欠損が原因と思われる症状が現れます。

    また眼圧が高くなることで、光に輪がかかって見えるなどの症状が自覚されることもあります。

    高度に進行すると残っていた視野が消失して失明してしまいます。緑内障にはたくさんの種類があり、一部に急激な目の痛みや頭痛を自覚するものがありますが、大半は痛みなどの自覚症状はありません。

    緑内障の診断はどのように行われるのですか?

    眼圧を測定し、眼底検査、その他の機械にて視神経乳頭の形を確認します。それから視野検査を行い視野欠損の有無を確認します。

    視神経の形に異常があるところと視野欠損の部位が一致しているようであれば緑内障と診断がつきます。

    緑内障は治る病気ですか?

    緑内障により欠けた視野は元には戻ることがありません。

    緑内障治療は、緑内障を治すためというよりも緑内障を進行させないためという意味合いが大きいものです。治療を行うことで視野欠損をなくすことはできませんが、進行のスピードを緩めることができると言われています。

    緑内障治療には、主に眼圧をさげるための点眼や内服の薬物加療と手術加療があります。治療として点眼薬を処方された場合、薬を使用すると眼圧は下がりますが、点眼薬をやめると眼圧は元に戻ってしまいます。そのため、点眼は継続的に使用しなければなりません。

    緑内障は遺伝する病気ですか?

    緑内障の原因遺伝子は色々とわかってきていますが、実際に緑内障の多くは、遺伝するわけではありません。

    ただし、数は少ないですが、遺伝する緑内障もあることがわかっています。

    閉塞隅角緑内障の急性発作とは何ですか?どのような症状が出るのですか?

    閉塞隅角緑内障の場合、何らかのきっかけで急激に眼圧が上昇することによって、目の痛みや頭痛を自覚することがあります。かなり強い症状で吐き気を伴うこともあり、視力障害も生じます。

    開放隅角緑内障では、このような症状はあまりありません。

    眼圧が正常でも緑内障になりますか?

    眼圧の正常値は21mmHg未満と定められていますが、眼圧が正常範囲内であっても視野欠損があり緑内障を発症している場合があります。これを正常眼圧緑内障といい、これは日本人で一番多いタイプの緑内障です。

    緑内障は手術ができるのですか?

    緑内障の治療の基本は点眼薬です。

    緑内障治療で行われる手術にはレーザー治療と、目にメスをいれる手術があります。レーザー治療は、房水の排泄部位が狭いときの処置や、眼圧を一時的に下げる効果を狙う場合に使用される場合があります。眼圧を下げるための手術であり、そのため、点眼薬で十分に眼圧が下げられるような場合には手術は行われません。

    目にメスを入れる手術も、同じく眼圧を強制的に下げるための手術です。そのため薬物治療で十分に眼圧が下げられた場合は行われません。また、眼圧が多少高めでも視野欠損に進行が見られない場合にも行われません。

    子どもでも緑内障になることがありますか?

    目の発達異常や形成異常によって、小児でも緑内障になることがあります。3歳以前に緑内障を発症している場合には、黒目が他のお子さんよりも大きかったり、黒目が濁って見えたりして気づかれることがあります。

    治療としては点眼薬(目薬)が無効なことが多く、基本は手術を行うこととなります。

    視野が欠けている症状があれば、緑内障だと考えていいのですか?

    視野が欠ける病気は他にもありますので、必ずしも緑内障だとは言えません。網膜剥離、黄斑円孔、黄斑変性といった網膜の疾患や、緑内障以外の視神経疾患、また目以外で、脳腫瘍や脳梗塞、脳出血など脳の病気でも視野が欠けることがあります。

    よく、緑内障の人は使えない薬があると聞きますが、どうしてですか?

    緑内障には開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障という種類があります。

    目の中には隅角と言う、房水(目のなかに存在する液体)が流れ出ていく部分がありますが、隅角の広さは人によって差があります。もともと偶角が狭い人は何らかのきっかけで隅角が閉じてしまう危険性があり、その場合には房水が排出できず、眼圧が上がってしまいます。

    目の病気以外の理由で処方される薬剤の中には、目の瞳孔を広げる作用のものがあり、その作用によって隅角が狭くなるため、結果的に隅角が閉塞してしまう危険があります。隅角が広く開放されている方は問題ありませんが、隅角が狭い方は薬剤に注意が必要です。

    緑内障になりやすい人や、気をつけた方が良い人というのはいますか?

    糖尿病の人で糖尿病性網膜症が進行してくると、血管新生緑内障という種類の緑内障を発症することがあります。新しく作られた血管が房水の流れ出ていく隅角に発生し、房水が溜まりすぎて眼圧が上昇し、結果的に緑内障になってしまいます。レーザー治療や手術を行いますが、経過は良くありません。

    緑内障になったら必ず目が見えなくなってしまうのですか?

    緑内障により視野が欠けてしまった場合は、今の医学では元に戻すことができません。しかしそのままにして病気が進行すると、視野欠損が進み、見えない部分がさらに増えてしまいます。

    緑内障の診断を受けた時点で治療を開始することで、緑内障の進行のスピードを少し緩めることができます。大事なことは、初期の段階でみつけて早期に治療を開始することです。初期の段階で発見することができた緑内障の場合には、失明する可能性は低いと言えます。

    緑内障にならないための予防法はありますか?

    緑内障にはいくつもの種類があります。この中で予防できる緑内障としてまず挙げられるのは、原発閉塞隅角緑内障です。目の中の液体である、房水の排泄部位が閉塞することで眼圧が高くなり、視神経障害をきたすタイプの緑内障です。眼科診察で排泄部位が狭いことが確認でき、その時点で狭窄を解消するような処置(レーザー治療や手術)を行うことで眼圧上昇を予防することができます。

    また、緑内障を合併しやすい他の病気にかかっている場合には、その病気を適切に治療することで緑内障の発症を予防できる場合が多いです。さらに眼圧が高いだけでまだ緑内障を発症していない場合、普段から眼圧を下げる治療を行うことで、発症を予防することが可能です。

    いずれも自宅でできる予防法ではなく、眼科を受診することが必要です。

    隅角が狭い場合、閉塞隅角にならない予防法はありますか?また閉塞隅角緑内障になってしまった場合、治療法はありますか?

    虹彩(茶目)の部分にレーザーで小さな穴を開けることで、ある程度眼圧上昇の予防ができます。また白内障の手術を行うことでも予防が可能な場合もあります。

    閉塞隅角緑内障により眼圧上昇発作を生じてしまった場合は緊急に対応しなければなりませんので、まずはレーザー治療+点眼治療が必要になります。レーザー治療が無効な場合、緊急手術を行うこともあります。