近視や高血圧を持っている人は緑内障になりやすい?
緑内障は眼球内にある水分の流れが悪くなり、視神経が圧迫される病気です。視野が狭くなることや、失明の原因になります。緑内障のうち原発性開放隅角緑内障と、ほかの健康状態が関連しているのか調べられました。
◆原発性開放隅角緑内障になりやすい人の特徴とは?
研究班は、2008年から2011年までに行われた、韓国国民の健康調査よりデータを集めました。40歳以上の韓国人、13,831人のデータが分析に使われました。対象者は原発性開放隅角緑内障を持っている人と持っていない人に分けられました。2つのグループは比較され、原発性開放隅角緑内障と様々な要因の関連が調べられました。
◆近視や高血圧が原発性開放隅角緑内障と関連
次の結果が得られました。
多変量ロジスティック回帰分析では、この韓国人の集団において高齢(P<0.001)、男性(P<0.001)、高眼圧(P<0.001)、近視(P<0.001)、高血圧(P=0.031)、非過体重状態(P=0.017)が原発性開放隅角緑内障と
有意 に関連していた。
近視や高血圧を持っている人は原発性開放隅角緑内障になる人が多かった事が報告されました。
今回の調査は、ある一時点でのデータを比較したもので、近視や高血圧が原発性開放隅角緑内障の直接的な原因になると断定することはできません。時間を追ったデータで同じ関連があれば、近視や高血圧の人は緑内障になりやすいため注意すべきだという結論に近づけるかもしれません。
執筆者
Prevalence, Awareness, and Risk Factors of Primary Open-Angle Glaucoma: Korea National Health and Nutrition Examination Survey 2008-2011.
Ophthalmology. 2015 Dec 30. [Epub ahead of print]
[PMID: 26746594]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。