かいほうぐうかくりょくないしょう
開放隅角緑内障
眼球内の水分(房水)の流れが悪くなるため、慢性的に房水が貯留し視神経を圧迫する病気
4人の医師がチェック 89回の改訂 最終更新: 2020.04.21

開放隅角緑内障の基礎知識

POINT 開放隅角緑内障とは

眼球の中は房水という液体で満たされており、その房水は目の中を循環することで目の形状を保っています。房水が眼球の中にたまりすぎると、眼圧(眼球の圧力)が上昇して、緑内障が起こります。 房水がたまる原因の1つは隅角という場所が狭くなることで、隅角閉塞の有無で緑内障は2つに大別されます。隅角の閉塞がないタイプを開放隅角緑内障といい、隅角の閉塞があるタイプを閉塞隅角緑内障といいます。 開放隅角緑内障の原因は房水の吸収が悪いことです。初期症状はほとんどないことが多いですが、進行すると、視野が欠けたり歪んだりします。健康診断の眼圧測定で見つかることもあり、疑わしい人には眼圧測定に加えて、視野検査、視力検査が行われます。眼圧を下げることが治療になり、点眼薬や内服薬が用いられます。進行している場合はレーザー治療や手術が検討されます。開放隅角緑内障が心配な人は、眼科を受診してください。

開放隅角緑内障について

  • 眼球の中を満たす房水の流れが悪いため、慢性的に房水が溜まる病気
    • 房水は眼の中の毛様体で作られて隅角から流れ出している
    • 防水が存在することで、眼の中に一定の圧力(眼圧)を与えている
    • 開放隅角緑内障では、隅角は開いているが、排水がうまくいかない状態
    • 房水の排水がうまくいかないことで、眼圧が高まってしまう
    • 眼圧が高いと視覚を伝える視神経がダメージを受け、視野狭窄・眼痛・眼精疲労などの症状が起こる
  • 40歳以上の日本人成人の5-7%が開放隅角緑内障を持っていると考えられている
    • そのうち約90%の人には症状が出ていないので、本人も病気に気づいていない
  • 完全に房水の流れなくなる閉塞隅角緑内障よりは緊急性は低いが、長期的にしっかりとした管理が必要となる

開放隅角緑内障の症状

  • 自覚症状は初期には出てこない
  • 進行すると、眼精疲労・眼が重い・肩が凝るなどの症状が出てくる
  • さらに症状が進んでくると、視野欠損(視界の中で見えない部分が出てくること)などの視野の異常を生じる

開放隅角緑内障の検査・診断

  • 眼圧検査:目の圧力を調べる
  • 視力検査:視力や視野の状態を調べる
  • 眼底検査:目の中の状態を調べる

開放隅角緑内障の治療法

  • 点眼薬で眼圧を低下させる
    • β遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬:房水の産生を抑える
    • プロスタグランジン関連薬や縮瞳薬:房水の流出を促進する
  • 進行している場合、眼圧を下げる炭酸脱水酵素阻害薬などの内服・レーザー治療・手術を行う
  • 眼圧は低いほうが症状の進行を予防ができるが、いきなり大きく下げることは難しいことが多い
    • 治療開始時の眼圧から20%減少させることをひとまずの目標とすることが多い(治療開始時の眼圧が20mHgならば、まずは16mmHgを目標とする)
    • 症状の進行や目の状態を見ながら、さらに眼圧を下げる必要があるのかをみていく

開放隅角緑内障の経過と病院探しのポイント

開放隅角緑内障が心配な方

緑内障は国内だけでも400万人の緑内障患者がいるとされており、眼科の中でとても一般的な疾患です。そしてその緑内障患者の大半が、開放隅角緑内障とされています。

緑内障の診断は眼圧検査で行います。その際に一般的な視力検査や視野検査も行いますが、総合病院ではなく眼科のクリニックであっても、ほとんどの医療機関で検査が可能ですので、診断のために特別な病院を選択しなければならない、ということはありません。

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開放隅角緑内障でお困りの方

緑内障は長期間かけて付き合っていく必要のある病気です。点眼薬(目薬)での治療が基本となります。症状が特にない場合でも、定期的に通院して悪化していないことを確認していく必要があります。

長期的な通院が必要となりますので、何よりも主治医との相性や病院の通いやすさが重要です。医師によって治療方針が大きく変わってくる病気ではありませんので、信頼できて、日常生活の悩みをしっかり相談できる主治医を見つけることがとても大切です。

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