2015.07.05 | コラム

下痢止めで緑内障が悪化!?

「下痢止め」の"意外な"作用とは?
下痢止めで緑内障が悪化!?の写真
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色々なストレスがあふれている現代社会。胃腸の病気はある意味時代を象徴する病気といえるのかもしれません。特に「急なお腹のくだり」は世代を問わず身近な症状といえ、そんな時に速効性の「下痢止め」は強い味方になってくれるのですが・・・。

◆ "お腹の急降下"に使っているのはどんな薬?

「急なおなかのくだりにこの1錠」・・・

こんなフレーズがコマーシャルなどでも宣伝されていて、"お腹の急降下"には心強い味方になっている、いわゆる「下痢止め」。

ひとえに「下痢止め」といっても様々な薬があるのですが、市販薬で販売されている薬の成分で多く使われているのが「ロートエキス」という薬です。

"お腹がくだる"という体の作用は副交感神経の働きが主に関与しています。この神経が過剰に反応している状況に消化管の動きが過剰になり過ぎて"お腹の急降下"がおこることがあります。この過剰な働きを抑えるには抗コリン作用という副交感神経を遮断させる作用を用いることが一つの方法で、この「抗コリン作用」を持つ薬の一つが「ロートエキス」なのです。

「ロートエキス」にはいわゆる下痢止めの他、消化剤や整腸剤と一緒に配合されている薬もあります。広く知られている整腸剤のビオフェルミンにも一部にロートエキスを含んだ商品(「ビオフェルミン止瀉薬」など)が存在します。このように多くの市販薬にも使用されている「ロートエキス」ですが、その主な効果である「抗コリン作用」には思わぬ副産物があることをご存知でしょうか?

 

◆ お腹の薬が眼に影響する??

「ロートエキス」などの「抗コリン作用」をもつ薬は消化管の過剰な動きを抑える反面で、逆に便秘になったり、口が渇くなどの副作用が出る場合があります。そして忘れてはならないのが眼圧への影響です。詳しい機序は割愛しますが、抗コリン作用によって眼が散瞳(瞳孔が過度に拡大)する場合があり、これが眼圧上昇につながり、果ては緑内障の悪化(眼圧の上昇により視野が狭くなる等)につながる可能性があるとされています。

もちろんロートエキスを飲んで眼圧が上がる可能性がある緑内障の方は非常に少ないとされていますが、一方で可能性がゼロというわけでもないのは事実です。緑内障で治療されていて、体質的にお腹がくだりやすい方などはロートエキスなどの「下痢止め」を飲んで大丈夫かを、事前に医師や薬剤師に確認しておくとよいでしょう。また緑内障などの持病をもっていない方でも、細菌などが原因の下痢の場合などでむやみに「下痢止め」を飲むとかえって症状が長引く可能性もあります。これは下痢を止めることで、細菌や細菌が作り出す毒素などを体の外へ排泄する働きを妨げてしまう可能性があるからです。

困った時の頼りになる「下痢止め」ですが、自分の体質と症状に合わせて有効に使用していきましょう。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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