2016.02.19 | ニュース

1日2回、ほうれん草・キャベツなどの葉物野菜を食べると緑内障が減る?

追跡調査による検証

from JAMA ophthalmology

1日2回、ほうれん草・キャベツなどの葉物野菜を食べると緑内障が減る?の写真

葉物野菜には硝酸塩(しょうさんえん)という物質が多く含まれており、健康との関係が研究されています。今回の研究では硝酸塩と原発性開放隅角緑内障という目の病気の関連が調べられました。

◆硝酸塩は目の病気に効果がある?

原発性開放隅角緑内障(げんぱつせいかいほうぐうかくりょくないしょう)は、眼球の中にある水分の流れが悪くなってしまいます。この結果、視覚を伝える神経が圧迫されてしまい、視野が狭くなったり、失明の原因になります。

今回の研究では、アメリカで過去に行われた調査の男性、女性対象者が対象となりました。対象者の中から40歳以上の人で原発性開放隅角緑内障が発生したかどうか、また食事による硝酸塩摂取のデータなどが集められ、統計解析されました。

 

◆硝酸塩摂取が原発性開放隅角緑内障の減少と関連

次の結果が得られました。

食事による硝酸塩の摂取が最低5分位群(第一5分位群: 約80 mg/日)とくらべて、最高5分位群(第五5分位群: 約240 mg/日)のプールされた多変量率比は0.79(95% 信頼区間、0.66-0.93; Pトレンド=0.02)だった。

1日につき0.31食分を摂った人に比べて、1日につき1.45食分以上を摂った人の多変量率比は全体の原発性開放隅角緑内障で0.82だった(95% 信頼区間、0.69-0.07; Pトレンド=0.02)、そして、傍中心視野欠損のある原発性開放隅角緑内障で0.52だった(95% 信頼区間、0.29-0.96; Pトレンド<0.001)。

一日に食事で葉物野菜を1.45食分以上摂っている人は、一日0.31食分摂っている人に比べて原発性開放隅角緑内障になりにくいことが報告されました。

 

硝酸塩を多く摂っている人と少ない人を比べた時に原発性開放隅角緑内障になるリスクに差があった事は事実です。しかし、他の要素が関係する可能性もあるため、食事による硝酸塩の摂取だけで原発性開放隅角緑内障の予防に対する効果を判断するには限界があります。健康的な食生活を考えるうえで、全体のバランスを取りながら、葉物野菜を取り込むことに意味があるかもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Association of Dietary Nitrate Intake With Primary Open-Angle Glaucoma: A Prospective Analysis From the Nurses' Health Study and Health Professionals Follow-up Study.

JAMA Ophthalmol. 2016 Jan 14. [Epub ahead of print]

[PMID: 26767881]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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