2016.10.21 | ニュース

レーシックに続く新治療、近視を治す「スマイル手術」を米政府機関が承認

88%で裸眼視力1.0

レーシックに続く新治療、近視を治す「スマイル手術」を米政府機関が承認の写真

近視の手術を受けたいと思いますか?レーシックなどの治療は、現在日本では健康保険が適用されない自由診療として行われています。アメリカでは新しく、近視治療に使うレーザー機器が承認されました。

9月13日に、アメリカの政府機関である米国食品医薬品局(FDA)が、レーザーで近視を治療する「スマイル」(SMILE)という治療法に使う機器を承認しました。

対象となる年齢は22歳以上で、手術前1年間に急激な視力低下がないなどの条件に合う場合とされています。

 

スマイル(Small incision lenticule extraction、SMILE)は、目の角膜を一部取り除くレーザー治療です。

近視では角膜の表面から網膜眼球の内側を覆っている膜。目から入った光は網膜に届き、網膜が明るさや色を電気信号に変えることによって情報が脳に伝達されるまでの距離が長すぎているため、角膜の厚さを減らすことで近視治療が図られます。

同じ原理のレーザー治療として、レーシック(laser-assisted in situ keratomileusis、LASIK)がすでによく知られています。

スマイルとレーシックは、角膜の表面にできる切り口の大きさが違います。

レーシックでは、角膜の一部を切り開き、ふたのようにめくり上げて中身にレーザーを当てます。一方、スマイルではあらかじめレーザーで角膜の中身に断片を作っておき、小さい切り口から断片を引き出します。このためスマイルのほうが表面の切り口は小さくなります。

新しい機器の承認にあたって参照された臨床試験では、328人の対象者が参加し、スマイル手術を受けた人では手術後6か月で88%が裸眼視力1.0以上になったと報告されています。

手術後に起こる可能性がある問題として、ドライアイ、まぶしさなどが報告されています。

 

レーシック、スマイルともに、日本では未承認のため、健康保険が適用されない自由診療として一部の施設で行われています。

FDAが承認したことにより、今後世界でスマイル手術を受ける人が増える可能性があります。その中で未知の問題が発見されないかが今後の課題です。

近視は現在、非常に多くの人を悩ませています。眼科治療の進歩により、「近視は治せる」ことがしだいに普通になっていくのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

FDA approves VisuMax Femtosecond Laser to surgically treat nearsightedness.

FDA News Release, 2016 Sept 13

http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm520560.htm

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]