2016.09.03 | ニュース

エナジードリンクを1缶飲むと血圧が6mmHg上がった

ボランティア25人が飲み比べ
from JAMA
エナジードリンクを1缶飲むと血圧が6mmHg上がったの写真
(C) g-stockstudio - iStock

疲れたときに栄養ドリンクを飲んだことがありますか?カフェインなどを含む栄養ドリンクは、心臓に負担をかけるかもしれません。栄養ドリンクを1缶飲んだ人で血圧が6mmHgほど上がったなどの実験結果が報告されました。

◆エナジードリンクにはコーヒーと同じぐらいのカフェインが入っている

栄養ドリンク、エナジードリンクといった呼び方で、カフェインなどの刺激物を含む清涼飲料水が売られています。多くは同じ量のコーヒーと同程度のカフェインを含んでいます。

たとえば世界的に人気商品になっている「ロックスター」の480ml缶には、240mgのカフェイン、2000mgのタウリン、ガラナエキス、高麗人参エキス、マリアアザミエキスなどが含まれています(日本では500ml缶などが販売されています)。

カフェインは交感神経を刺激して一時的に血圧を上げるなどの作用が知られています。

 

◆ロックスターを飲む前後で血圧を測定

アメリカのメイヨー・クリニックの研究班が、ロックスターが体に与える影響を調べ、有名学術誌『JAMA』で報告しました。

実験には18歳以上のボランティア25人が参加しました。参加者はロックスター1缶と、偽物のエナジードリンク1缶をそれぞれ別の日に飲みました。偽物のドリンクは成分、見た目、風味を本物のロックスターに似せてあり、カフェインなどの刺激物は含んでいません。

飲む前と飲んだ後30分で心拍数や血圧を測り、前後の変化を調べました。

 

◆ロックスターで6mmHg、偽物のドリンクで3mmHg上昇

参加者の平均で血圧に次の変化がありました。

  • ロックスターを飲んだあと:
    • 収縮期血圧上の血圧)が6.6mmHg上昇
    • 拡張期血圧下の血圧)が4.2mmHg上昇
  • 偽物のドリンクを飲んだあと:
    • 収縮期血圧(上の血圧)が3.3mmHg上昇
    • 拡張期血圧(下の血圧)が0.2mmHg低下

心拍数などについては、ロックスターと偽物のドリンクで差がありませんでした。

研究班は、ロックスターが血圧を上げたことから「[...]心血管系のリスク増加を起こりやすくするかもしれない」と結論しています。過去の研究で、不整脈や心電図変化にエナジードリンクとの関連が疑われた15人の例などが参照されています。

なお、この報告について、偽物のドリンクに含まれている糖類にも心血管系に影響があるという指摘があります。ロックスターまたは偽物のドリンクを飲んだあとの変化には糖類の影響も含まれていると考えられます。

 

エナジードリンクを飲んだ直後の影響が計測値から確かめられました。

カフェインなどで体を刺激することはエナジードリンクの「効果」そのものとも言えるので、意外な結果ではないかもしれません。また、エナジードリンクが毎年何万本と消費されている中で、一見健康に影響が出たように見える例が少数あったとしても、別の原因による症状とたまたまタイミングが重なった場合があるかもしれません。

しかし、あらゆる薬に副作用があるのと同じように、エナジードリンクの「効果」にも悪い面が決してないとは言えません。糖類の摂りすぎにもつながります。

睡眠、休養、食事など基本的な生活習慣を守ったうえで、常識的な範囲で飲むのが正しい飲み方と言えるでしょう。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A Randomized Trial of Cardiovascular Responses to Energy Drink Consumption in Healthy Adults.

JAMA. 2015 Nov 17.

[PMID: 26547226]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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