中年までの軽症高血圧患者では、コーヒー摂取量が増えるほど、重篤な心血管系疾患の発症リスクも増加

コーヒーが心筋梗塞や脳卒中に与える影響に関して、リスクが増えるという報告も増えないという報告もあります。今回は軽症高血圧患者を対象にして、コーヒーと脳卒中や心筋梗塞など入院を要する重篤な心血管系疾患の関係が検討されました。
◆若年高血圧の1,204例を12.6年間観察
解析の対象となったのは、18歳から45歳で血圧が140~159/90~99mmHgの1,204人です。調査時点で糖尿病があった人は除かれています。この人達を1日コーヒー摂取量にしたがい「多飲」(4杯以上)、「通常量」(1~3杯)、「無飲」の3群に分け、12年間程度観察しました。
その期間に発生した心筋梗塞や脳卒中など、重篤な心血管系疾患の件数を数え、発生率を比較しました。
◆コーヒー摂取量が増えると心血管系疾患も増える
その結果、コーヒー摂取量の増加に伴い、心筋梗塞や脳卒中などを合計した発生率が増えていました。
これらの病気の発生率は「無飲」群の2.2%に対し、「通常量」群では7.0%、「多飲」群では14.0%でした。また摂取量増加に伴い増加するという傾向も認められました。
重篤な心血管系疾患
研究者らはこの結果から、「高血圧のある若年から中年の患者はコーヒーを控えるべきだ」と結論しています。
執筆者
Coffee consumption and risk of cardiovascular events in hypertensive patients. Results from the HARVEST.
Int J Cardiol. 2016 Jun.
http://www.internationaljournalofcardiology.com/article/S0167-5273(16)30417-X/abstract※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。