◆35~65歳まで839人のデータを解析
研究チームは、35~65歳までの患者さん839人が心停止を発症する前4週間の症状を調査し、早期治療が退院までの生存率にどう影響するかを解析しました。
◆半数に前兆があった
全体の51%の患者さんは、心停止発症前の4週間に胸の痛みや息苦しさなどを感じていました。そのうち93%は、発症前の24時間以内に同じ症状が再発していました。心停止の発症前にそれらの症状を救急へ連絡したのは19%でした。 退院までの生存率を比べると、救急へ連絡した患者さんの生存率は32.1%。連絡しなかった患者さんの生存率は6.0%でした。前兆があったときに救急車を呼べば生存率が高くなる、ということになります。
同じような報告は日本からも出ていて、心停止の前駆症状は62%に及ぶとしています。ほとんどは1時間以内で、症状はここでの報告と同じです。自分や周囲の人に心停止の前兆を疑わせる症状があれば、すぐに救急車を呼んで病院に行けば、さらに深刻な事態を防ぐ手が打てるかもしれません。
執筆者
Warning Symptoms Are Associated With Survival From Sudden Cardiac Arrest.
Ann Intern Med. December 2015
[PMID: 26720493]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。