こうげんけんさ
抗原検査
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

気道分泌物、尿、血液、糞便、体液 など

対象疾患

さまざまな感染症の診断に用いられています。検体(検査に用いる材料)には、咽頭・鼻咽頭ぬぐい液(のど・鼻の奥の粘膜をぬぐう)、尿などがあり、用いる検体は感染症の種類によって異なります。

対象疾患と用いる検体の例

病原体 検体(検査に用いる材料)
新型コロナウイルスCOVID-19 鼻咽頭ぬぐい液、唾液
インフルエンザウイルス 咽頭・鼻咽頭ぬぐい液
A群レンサ球菌 咽頭ぬぐい液
RSウイルス 咽頭・鼻咽頭ぬぐい液
アデノウイルス 咽頭・鼻咽頭ぬぐい液
マイコプラズマ 咽頭ぬぐい液
肺炎球菌 尿
レジオネラ 尿、血液
ノロウイルス 糞便
クロストリジウム 糞便(クロストリジウムが産生する毒素を検出する)
サイトメガロウイルス 血液(アンチゲネミア)、尿、気管支肺胞洗浄液
アスペルギルス 血液、尿、気管支肺胞洗浄液
クリプトコッカス 血液、気管支肺胞洗浄液、髄液
カンジダ 血液
HBs抗原(B型肝炎 血液(※B型肝炎の確定診断)
HBe抗原(B型肝炎 血液(※HBe抗体とともに測定され、どちらか一方が陽性になる。HBe抗原陽性はウイルスの増殖が活発であること、HBe抗体陽性は増殖力は低下していることを示す)
HCV core抗原(C型肝炎 血液(※C型肝炎の確定診断)

概要

抗原検査は感染症の検査の一つです。「抗原」とは、細菌やウイルスの表面にあるタンパク質のことです。検査には、咽頭・鼻咽頭ぬぐい液(のど・鼻の奥の粘膜をぬぐう)、尿、血液、糞便など、患者さんの身体から採取したものや排泄物を用います。これを検体といい、抗原検査では検体中に細菌やウイルスが存在しているかを調べます。
簡便であり、外来や病棟で実施し、短時間で結果が得られることも多く、感染初期の治療を決めるのに有用です。

メリット

  • 迅速に結果がわかる(感染症の種類にもよるが、15-30分程度)
  • 簡便であり、場合によっては外来や病棟で実施可能

デメリット

  • 検出するためには、一定以上の病原体が検体に存在していることが必要
  • 感染早期は感度が低いことがある
  • 同時に複数の病原体に感染しているかどうかを調べることはできない
  • 感染後しばらくは陽性が蔓延するため、治療効果判定には不向き

詳細

抗原検査は感染症の検査の一つです。私たちの身体では、体内に病原体が入るとそれを認識して排除する「免疫」という働きが備わっています。病原体の表面にあるタンパク質である「抗原」を目印にして、抗体産生細胞により「抗体」というものがつくられます。「抗体」は「抗原」に結合することで、病原体を排除するために一役を担っています。
検査には、咽頭・鼻咽頭ぬぐい液(のど・鼻の奥の粘膜をぬぐう)、尿、血液、糞便など、患者さんの身体から採取したものや排泄物を用います。これを検体といい、抗原検査では検体中に細菌やウイルスが存在しているかを調べます。検体を「抗体」が入っている特殊な液体に入れると、病原体の表面にある「抗原」が「抗体」と結びつくので、それを検出することができます。
感染症の種類にもよりますが、比較的すぐに検査結果がわかります(15-30分程度)。インフルエンザウイルス、A群レンサ球菌、RSウイルス、肺炎球菌、レジオネラなどの抗原検査は簡便であり、外来やベッドサイドで実施し、短時間で結果が得られるため、感染初期の治療を決めるのに有用です。肺炎球菌、レジオネラでは尿中抗原検出キットが存在し、迅速かつ簡便で、正確性も高いことが知られています。また、アデノウイルスやノロウイルスなどの感染症においては、感染者が発生したときに周囲の感染対策を考える上でも有用です。現在、新型コロナウイルスの診断に関しては、PCR検査より精度は劣るものの、その迅速性、簡便性から抗原検査が診断に用いられることがあります。