いんふるえんざのうしょう
インフルエンザ脳症
インフルエンザウイルスへの感染が原因で、脳の障害が生じた状態。小児に多く起こる
14人の医師がチェック 123回の改訂 最終更新: 2017.07.21

インフルエンザ脳症の基礎知識

POINT インフルエンザ脳症とは

インフルエンザウイルスの感染が原因で脳の障害が生じた病気です。5歳以下の小さな子供に多く、年間に数百人ほどがこの病気になります。主な症状は、インフルエンザに特有の発熱・倦怠感・咽頭痛・鼻汁などに加えて、けいれんや意識障害になります。 診断するためには、インフルエンザの迅速キット・頭部MRI検査・髄液検査・脳波検査などを行います。治療は抗インフルエンザ薬を用いて行いますが、脳症に対してステロイドパルス療法や免疫グロブリン大量療法を行う場合があります。インフルエンザ脳症が心配な人や治療したい人は、小児科・内科・神経内科・感染症内科を受診して下さい。

インフルエンザ脳症について

  • インフルエンザウイルスへの感染が原因で、脳の障害が生じた状態
    • 正確な原因は不明であるが、インフルエンザウイルス自体が問題なのではなく、インフルエンザウイルスと戦うために活性化した免疫細胞が脳や神経細胞に障害を与えることによると考えられている
  • 年間100-500人の発生頻度
    • 5歳以下の子供に多い
  • 病気の経過は大きく2通りの経過がある
    • けいれんや意識障害を起こし、そのまま脳のむくみが悪化して命に関わる場合
    • けいれんや意識障害を起こして、一旦回復したのち(数日から10日程度)に再度悪化する場合

インフルエンザ脳症の症状

  • 一般的なインフルエンザの症状の他に起こる症状
    • けいれん
      ・繰り返すけいれん、15分以上続くような長いけいれんが特徴
    • 意識障害
  • 高熱によるせん妄と呼ばれる異常行動と、インフルエンザ脳症による意識障害の区別は難しい
    • 異常行動の例
      ・高いところから飛び降りようとする
      ・家族を間違える
      ・知らない人がいる、アニメのキャラクターがいるなどないものが見える(幻視)  など
    • せん妄は、夜間に暗いところにいると起こることが多く、明るいところに子供を連れていくと症状が無くなることが多い
    • せん妄が見られても一時的で症状が落ち着くのであれば、インフルエンザ脳症による意識障害ではない可能性が高い

インフルエンザ脳症の検査・診断

  • インフルエンザ迅速検査キット
    • インフルエンザウイルスに感染しているかを調べる
  • 血液検査
    • 全身の状態や、脳や腎臓や肝臓などの臓器の状態を調べる
  • 脳波検査
    • 脳の働きの異常や意識障害の有無、けいれんの原因などを調べる
  • 頭部MRI検査
    • 脳に炎症が起こっていないか、炎症の広がりなどを調べる
  • 頭部CT検査
    • インフルエンザ脳症の診断に直接繋がるわけではないが、脳出血脳腫瘍などでないことを確認する
  • 髄液検査
    • 免疫細胞の数や種類を調べる
  • 似たような症状を起こす病気(除外診断が必要)

インフルエンザ脳症の治療法

  • インフルエンザの一般的な治療
    • 解熱薬:アセトアミノフェン(商品名カロナール、アンヒバ、アルピニーなど)を使う
      ・ボルタレンやメフェナム酸などの解熱鎮痛薬はインフルエンザ脳症を誘発、もしくは悪化させることがあるので避ける
    • インフルエンザ薬(商品名ラピアクタ、タミフル、リレンザ、イナビルなど)
      ・ラピアクタは注射可能な薬剤であり、意識の状態が悪くて内服薬が飲めない場合でも使用が可能
  • 脳症に対する治療、対症療法
    • ステロイドパルス療法
    • 免疫グロブリン大量静注療法
    • 抗けいれん薬 など
  • 集中治療による全身管理が必要になることもある
  • 死亡率は30%で後遺症(てんかん、手足の麻痺知的障害など)が残るのは25%ほどである


インフルエンザ脳症が含まれる病気


インフルエンザ脳症のタグ


インフルエンザ脳症に関わるからだの部位


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