しちゅうはいえん
市中肺炎
病院と関わりのない人の肺に感染が起こった状態。
4人の医師がチェック 25回の改訂 最終更新: 2017.10.10

市中肺炎の基礎知識

POINT 市中肺炎とは

市中肺炎は病院や介護施設とは関係のない場所(例えば、自宅やオフィスなど)で感染が起こったタイプの肺炎です。主に肺炎球菌やマイコプラズマなどの細菌が原因になります。抗菌薬を使うとたいてい1週間以内に感染は治まりますが、心臓や肺に持病のある場合は重症になることがありますので注意が必要です。年齢が65歳以上・口の中が乾く・息苦しくて息が荒い・意識が朦朧とするといった症状がある場合は肺炎が重症になっている可能性がありますので、必ず医療機関にかかって下さい。その際は内科・呼吸器内科・感染症内科にかかることをおすすめします。

市中肺炎について

  • 肺炎=空気の通り道の末端である肺胞で感染が起こっている
  • 肺炎のうち、入院中や介護施設入所中に感染したものを除いたものが市中肺炎
  • 市中肺炎とは病院と関わりのない生活上で起こる肺炎
    • 入院中の人や施設に入っている人の肺炎とは区別される
  • 原因となる菌は、肺炎球菌が最も多く、その他にインフルエンザ桿菌・モラクセラカタラーリス・マイコプラズマ・クラミドフィラ・レジオネラと呼ばれる菌が多いとされる
  • 肺炎の重症度を見分けるツール(A-DROP、CURB-65)がある
  • A-DROP
    • A(Age 年齢):男性は70歳以上、女性は75歳以上
    • D(Dehydration 脱水):採血でBUN >21 mg/dl または脱水あり
    • R(Respiration 呼吸):SpO2 <90%(PaO2 <60Torr) ※酸素投与しないで測定する
    • O(Orientation 見当識):意識障害あり
    • P(Pressure 血圧):sBP(収縮期血圧) < 90mmHg
      ・以上の5項目の中で何項目が該当するのかで判断する
       ・0項目:軽症であるため外来での治療が原則
       ・1-2項目:中等症であるが外来でも治療可能
       ・3項目:重症であるので入院治療が必要
       ・4-5項目:超重症であるのでICUで集中治療を受けるのが望ましい
  • CURB-65(イギリスのガイドライン
    • C(Confusion 意識レベル):意識障害あり
    • U(Urea 腎機能):採血でBUN>20mg/dl
    • R(Respiratory rate 呼吸数):呼吸回数≧30回/分
    • B(Blood pressure 血圧):収縮期血圧(sBP)<90mmHgまたは拡張期血圧(dBP)<60mmHg
    • 65(65歳):年齢≧65歳
      ・2項目以上該当する場合は入院して治療すべきである

市中肺炎の症状

  • 息苦しさ
  • 発熱
  • 倦怠感

市中肺炎の検査・診断

  • 胸部X線レントゲン)検査/胸部CT検査
  • 血液検査
    • 重症度や、他の臓器のダメージなどを判定する検査
  • 痰の培養検査/血液の培養検査
    • 感染の起炎菌を見つける重要な検査
  • 尿中抗原検査
    • 肺炎球菌
    • レジオネラ
  • 咽頭抗原検査

市中肺炎の治療法

  • 抗菌薬を用いた治療
    • 原因となる菌によって抗菌薬の選択が変わる
      ・各種培養検査の結果で得られた情報から適切な抗菌薬を選んでいく(抗菌薬の適正化)
    • 肺炎球菌であればペニシリンと呼ばれる抗菌薬がよく効く
    • マイコプラズマ・クラミドフィラ・レジオネラなどの菌はペニシリンが効かないため、これらにはニューキノロン系やマクロライド系を代表とする特殊な抗菌薬を用いる
  • 上記のA-DROPやCURB-65などの基準を用いて入院の必要性を判断する
    • 必ずしも全員が入院で治療する必要は無い

市中肺炎が含まれる病気

市中肺炎のタグ

市中肺炎に関わるからだの部位

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