あたまがいたい
頭が痛い(数日以内)

激痛が繰り返す群発頭痛とは?原因、治療を解説

群発頭痛の特徴は、ある時期に集中して激しい頭痛の発作が起きることです。目が充血する、涙が流れる、ひとみが縮むなどの症状もあります。トリプタン製剤などが治療に使われます。

1. 群発頭痛とは?

群発頭痛(ぐんぱつずつう)とは、頭の中に外傷や脳腫瘍などの目に見える原因がないにもかかわらず発生する激しい頭痛の一種です。

群発頭痛の特徴は、ある時期に集中して頭痛の発作が起きることです。痛みはかなり強く、発作が起きると痛さのあまりのたうちまわるほどです。頭痛と同じ側の目が充血したり、涙が流れたり、ひとみが縮むなど、頭痛以外に目立つ症状があります。

痛みのあまり日常生活ができなくなり、仕事を休まざるをえないことも多いです。

群発頭痛の症状

典型的な群発頭痛は、症状に特徴があります。

  • 頭の片側目の周り、目の奥、側頭部が痛い
  • 頭痛は数十分間持続する
  • 痛い側の目が充血したり、が出てくる
  • 痛さのあまりじっとしていることができない、のたうちまわる
  • 「群発期」と呼ばれる1~2ヶ月の間に集中して頭痛の発作が起きて、「群発期」を過ぎると治る

ただし、群発頭痛と診断される場合でもすべてに当てはまるとは限りません。

群発頭痛の診断基準

群発頭痛を見分けられる検査はありません。CTMRIなどの画像検査で異常が見つからないのが群発頭痛の特徴のひとつです。

群発頭痛は、症状の特徴をもとに、以下の基準で診断されます。

A. B〜Dを満たす発作が5回以上ある

B. 未治療で一側性の重度~きわめて重度の頭痛が、眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に、15~180分間持続する

C. 頭痛と同側に少なくとも以下の1項目を伴う

  1. 結膜充血または流涙(あるいはその両方)

  2. 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)

  3. 眼瞼浮腫

  4. 前頭部および顔面の発汗

  5. 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)

  6. 落ち着きがない、あるいは興奮した様子

D. 発作頻度は1回/2日~8回/日である

E. その他の疾患によらない

(『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』をもとに作成)

2. 群発頭痛の原因は?

群発頭痛の根本的な原因はわかっていません。以前から群発頭痛がある人では、アルコールなどをきっかけに発作が引き起こされることがあります。

群発頭痛の原因は片頭痛とも関係している?

群発頭痛の原因には片頭痛(偏頭痛)と同じく三叉神経や自律神経が関係していると考えられます。片頭痛と群発頭痛の症状にも似ているところがあります。片頭痛と群発頭痛の治療薬として同じ薬(トリプタン製剤)が使われています。

片頭痛と群発頭痛の違いについては頭痛の種類のページで詳しく説明しています。

群発頭痛の原因、メカニズムははっきりとわかっていません。ひとつの説は、内頚動脈という血管が拡張して痛みが生じるとしています。この説では内頚動脈は目の奥の辺りを走っているため、群発頭痛では片側の目の奥の強い痛みが生じると考えられています。

群発頭痛の原因には自律神経が関係している?

群発頭痛の発作時には、頭痛と同じ側のひとみが小さくなる、まぶたが垂れ下がる、涙が流れる、目が充血する、鼻がつまって鼻水が流れるなど、自律神経が関係した症状が現れます。

自律神経とは、人間の生命維持のために働いている神経で、心臓の動きや食べ物の消化、汗をかくなどの重要なはたらきを調整しています。

群発頭痛では自律神経に関係する症状がとても特徴的であるため、群発頭痛と自律神経の関係性は今も研究されている最中です。群発頭痛に自律神経の症状を伴う理由としては3つの説が唱えられています。

  • 内頚動脈という目の奥側に位置する脳の動脈が起源だという説
  • 脳のなかでからだのリズムを司る、視床下部が起源だという説
  • 顔の感覚をになう三叉神経が異常に興奮して、自律神経の一種である副交感神経を活発にするという説

どの説が正しいのかも、それ以前に3つの中に正しい説があるのかさえも、まだわかっていません。

群発頭痛の発作はアルコールや薬でも引き起こされる

群発頭痛の発作は、特定のきっかけによって引き起こされたり、痛みがいっそう悪くなったりすることがあります。

群発頭痛を引き起こす、あるいは悪くするきっかけとして、アルコールやニトログリセリン、ヒスタミンといった物質が挙げられます。

また群発頭痛の人には、大酒飲み、ヘビースモーカーが多いですが、喫煙が群発頭痛を引き起こすかどうかについては良くわかっていません。

3. 群発頭痛の治療薬

群発頭痛の治療には一般的な鎮痛薬(痛み止めの薬)ではなく、トリプタン製剤などいくつかの方法が有効です。群発頭痛で使われる薬について、注意点もあわせて説明しています。

トリプタン製剤とは?

トリプタン製剤は、片頭痛の代表的な治療薬で、群発頭痛にも使われます。

スマトリプタンの皮下注射は海外をはじめ日本においても有効性が確認されています。特にスマトリプタンとして6mgを皮下注射により使うことでかなりの確率で群発頭痛が改善できることがわかっています。

日本においてスマトリプタンの皮下注射製剤として医療機関で注射するイミグラン®注3の他、自分自身で皮下注射ができるイミグラン®キット皮下注3mgが使われています。

またイミグラン®には点鼻薬(イミグラン®点鼻液20)もあり、皮下注射ほどの効果ではないまでも有効性が確認されています(但し、イミグラン®点鼻液20は2016年4月時点で群発頭痛に対する保険適応はありません)。群発頭痛で鼻水が出ていたら、点鼻薬を使う前に鼻をかんでおきましょう。

他のトリプタン製剤ではゾルミトリプタン(商品名:ゾーミッグ®など)などによる有効性が確認されています。

トリプタン製剤は薬価(薬の価格)が比較的高価で、内服薬であれば1錠の薬価が900円前後です(2016年3月現在)。

トリプタン製剤の副作用は?

一般的なトリプタン製剤の副作用として、眠気、めまいなどがあらわれる場合があります。

また授乳中の女性は注意が必要です。

トリプタン製剤は処方されたときの用法・用量を守って使ってください。

4. 群発頭痛の酸素吸入治療とは?

群発頭痛の治療として、薬以外では、酸素吸入による治療の有効性が確認されています。

酸素吸入にはいろいろな方法がありますが、群発頭痛には医療用の純度100%の酸素をフェイスマスクを通して一定時間吸入する「純酸素吸入」が有効です。

5. 群発頭痛の発作を予防する薬

群発頭痛の治療では、発作が起きたときに痛みを収めるだけでなく、発作がなるべく起きないように予防することも大切です。カルシウム拮抗薬などに群発頭痛の予防効果が知られています。

カルシウム拮抗薬

群発頭痛の予防においては、ベラパミル(商品名:ワソラン®など)による予防効果の報告があります。ベラパミルは元々、狭心症不整脈など心臓の病気の治療薬でもあり、心臓の働きに影響する可能性があるので、副作用に対しては注意が必要となります。

ベラパミルと同じカルシウム拮抗薬に分類される薬のうち、片頭痛予防薬としても使われるロメリジン(商品名:テラナス®、ミグシス®)も群発頭痛の予防薬として期待されています。

ステロイド薬

副腎皮質ステロイド(プレドニゾロンなど)による予防治療も群発頭痛の選択肢の一つとされています。

ステロイド薬の長期内服は副作用による感染症高血糖骨粗鬆症などにも注意が必要です。詳しくは「ステロイド内服薬の副作用とは」で説明しています。

群発頭痛の発作を予防するその他の治療法

その他、群発頭痛に対して大後頭神経ブロック、脳深部刺激、後頭神経刺激、翼口蓋神経節刺激、迷走神経刺激などの治療法が有効とする説もあり、今後の進展が注目されています。

6. 群発頭痛に自分でできる対策はある?

群発頭痛は医療機関で治療を受けるべき病気です。

生活に関わる点としては、群発頭痛の発作が繰り返し起こる群発期に、お酒と煙草が発作を引き起こしたり、悪くするきっかけになったりする場合があります。禁酒・禁煙は良い方向に働くと考えられます。

7. 群発頭痛と見分けるべき病気とは?

群発頭痛は痛みが非常に強いので、怖い病気ではないかと心配になります。

強い頭痛を起こす危険な病気としては、くも膜下出血脳出血などが挙げられます。こうした危険な頭痛は以下のような特徴を現す場合があります。

  • ある瞬間に突然始まった頭痛
  • 今まで経験したことがない激しい頭痛
  • いつもと様子の異なる頭痛
  • 頭痛がだんだん多く、強くなってきている
  • 50歳以降で初めて発症した頭痛
  • 手足が動きにくい
  • しゃべりにくい
  • 意識がもうろうとしている
  • 変なことを言う
  • がん免疫不全(薬や病気が原因で免疫力が低下していること)の状態である

当てはまるものがひとつでもあれば、緊急事態かもしれません。急いで病院に行ってください。

ほかに頭痛を起こす病気として以下が考えられます。

ほかの病気はこのページの最初に挙げた群発頭痛の特徴とはそれぞれ違った点があります。診察や検査によって群発頭痛と区別して診断されます。

8. 群発頭痛の病院は何科?

群発頭痛の治療に適しているのは神経内科などです。

群発頭痛と自己診断しなくても、耐えられないほどの激しい頭痛があれば神経内科などで原因を調べることが適切な治療に結び付きます。