内痔核(いぼ痔)の基礎知識
POINT 内痔核(いぼ痔)とは
肛門の内部の血管がうっ滞(流れが悪くなること)を起こして、こぶのように腫れた状態のことで、内痔核はいぼ痔と呼ばれることもあります。外痔核と違い痛みはほとんどありません。便秘や排便のいきみが強いこと、長時間同じ姿勢をとることが内痔核の発症に関わっているとされます。視診や触診から診断が行われ、治療には安静にすることや患部を温めること、便を柔らかくすることなどが効果的です。内痔核が心配な人は肛門科や消化器内科、消化器外科を受診してください。
内痔核(いぼ痔)について
内痔核(いぼ痔)の症状
- 痛みはほとんどない
- 排便時の出血:赤い鮮血が便に混じる
- 肛門からいぼが脱出する
内痔核(いぼ痔)の検査・診断
- 視診、触診から診断する
内痔核(いぼ痔)の治療法
- 安静にする
- 患部を温める
- 薬物療法
- 緩下剤:便を柔らかくして肛門に負荷をかけないようにする
- 痛み・かゆみを止める軟膏や
坐薬
- 硬化療法:注射で痔核を固める
- 痔核の原因となる行動を、できる範囲で改善する
- トイレに長く座らない
- 食物繊維を摂取する
- 脂肪食を摂りすぎないようにする
- 長い時間座り続ける姿勢をとらないようにする
内痔核(いぼ痔)に関連する治療薬
痔治療薬(内服薬)
- 肛門の周囲や内部などの血流などを改善して腫れ(浮腫)を改善することで痔核による出血、痛み、かゆみなどを改善する薬
- 痔核は肛門の周囲や内部の血流が悪くなり腫れた状態で出血や場合によっては痛みやかゆみなども伴う
- 患部の血流を改善することで痔核の腫れ(浮腫)の改善が期待できる
- 本剤は肛門周囲や内部などにおける血流改善作用などをあらわす
- 薬剤によっては抗炎症作用や患部の治癒促進作用などをもつ
痔治療薬(外用薬)
- 痔の炎症を抑える成分や傷の治りをよくする成分などによって痔の症状を改善する薬
- 痔は直腸や肛門に炎症ができていて、硬くなった便によって傷がつきやすくなり症状が継続してしまう
- 痔は創傷部の炎症を抑えたり、傷の治りをよくしたりすることで症状の改善が期待できる
- 本剤は抗炎症作用をもつ成分や傷の治りをよくする成分などを含む製剤
- 製剤によって抗菌作用をもつ成分や痛みを抑える局所麻酔薬などが含まれる場合もあり個々に特徴がある
内痔核(いぼ痔)の経過と病院探しのポイント
内痔核(いぼ痔)が心配な方
内痔核は、肛門のそばにご自身で触れられるしこりが特徴です。しこりがありながらも、痛みは無いことが多く、いわゆる「いぼ痔」と呼ばれるものの一つです。このような症状に該当してご心配な方は外科のクリニックでの受診をお勧めします。内痔核は外科の病気の中ではよくあるものですから、一般外科の医師であれば初期対応は可能です。
ただし、一部の医療機関では痔に関連した病気を特に専門としているところもあります。肛門科や大腸外科を掲げているクリニックなどは、専門性が高い医療機関だと考えて良いでしょう。
内痔核の診断は診察で行います。レントゲンやCTといった画像検査で診断することはできません。したがって、内痔核の診断という面から、特殊な医療機関を選ぶ必要はありません。
内痔核(いぼ痔)でお困りの方
内痔核の治療は、軽いものであれば軟膏や座薬で対応します。逆にある程度以上の内痔核であれば、注射や外科処置(手術)で対応します。医療機関によって普段からこのような処置をやり慣れているところとそうでないところがありますので、事前に調べたり、痔の治療が受けられるか問い合わせをしたりした上で受診すると良いでしょう。
肛門科や大腸外科を掲げているところや、痔の治療を宣伝しているところでは専門的な治療が受けられると考えられますが、それ以外の病院だと、軟膏や座薬以上の治療に対応できないこともあり得ます。
女性の場合は特に、同性の医師に診てもらいたいということもあるかもしれません。女性医師がいるかどうかも病院を探す上で判断材料になり得る項目でしょう。