血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の検査について:血液検査など
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が疑われる人には
1. 問診
問診とは医師などの質問に答える形で身体の状態や生活背景を伝えることをいいます。TTPの人は以下のようなポイントを聞かれます。
- どのような
症状 があるか - 飲んでいる薬は何かあるか
- 治療中の病気・持病はあるか
- 妊娠はしているか
アレルギー があるか
どのような症状があるかはTTPの診断するうえで重要です。TTPは全身性エリテマトーデスや強皮症といった他の病気が原因になることがあるので、今かかっている病気の情報も欠かせません。また過去にアレルギーの経験があれば、使用できる薬に制限がかかる場合があります。
2. 身体診察
身体診察は、TTPによる症状の確認や、原因となっている病気の診断に役立てられます。例えば、
3. 血液検査
血液検査では以下の項目を中心にチェックしていきます。
- 血小板
- ヘモグロビン
- 塗抹検査
- クレアチニン
- ADAMTS13活性
- ADAMTS13インヒビター
以下でそれぞれの項目について説明していきます。
血小板
TTPでは身体の中でたくさんの
参考文献:難病情報センター「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」(2021.2.4閲覧)
ヘモグロビン
ヘモグロビンは貧血の程度を見るための血液検査項目です。12 g/dL未満への減少がTTPの診断項目の一つとなっています。TTPの患者さんではヘモグロビン値は8-10 g/dL程度まで低下することが多いです。
参考文献:難病情報センター「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」(2021.2.4閲覧)
塗抹検査
塗抹検査は血液をガラス板の上にまき、血液細胞の形を顕微鏡で確認する検査です。TTPでは
クレアチニン
クレアチニンは腎臓の機能を調べる検査です。TTPでは腎臓の障害の程度を調べるため、クレアチニンを調べます。クレアチニンは腎臓から排泄されています。腎臓の機能が落ちてくると、血液中のクレアチニンを排泄できずに濃度が上昇してきます。そのため、腎臓の機能を予測する検査として用いることができます。
ADAMTS13活性
ADAMTS13活性はADAMTS13がどれだけ働いているかを調べる検査です。正常な人の値を100%とすると、TTPの場合はADAMTS13活性が10%未満まで低下します。
ADAMTS13インヒビター
多くのTTPはADAMTS13を阻害する物質(ADAMTS13インヒビター)が身体の中でできることで、TTPを起こします。ADAMTS13インヒビターは血液検査で測定することができ、TTPの診断に役立てられています。
4. 便培養検査
TTPと症状が似た病気に溶血性尿毒症候群(HUS)があります。HUSはTTPよりも見通しが良く、治療法も異なるため、TTPとHUSは見極める必要があります。HUSは赤痢菌やO157などの