[医師監修・作成]血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の症状について:発熱、あざ、貧血、頭痛、むくみなど | MEDLEY(メドレー)
けっせんせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう(てぃーてぃーぴー)
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
全身の細い血管に血のかたまり(血栓)ができ、さまざまな臓器の機能が低下したり、血小板が足りなくなって出血しやすくなる病気
7人の医師がチェック 123回の改訂 最終更新: 2021.11.23

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の症状について:発熱、あざ、貧血、頭痛、むくみなど

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の症状には特徴があります。代表的なものは発熱、あざができやすくなる、息切れ、頭痛・意識障害、手足のむくみなどです。ここでは、これらの症状について詳しく説明します。

1. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の5つの代表的な症状

TTPには以下の5つの特徴的な症状があります。ただし、これら5つの症状が全てあらわれることは珍しく、この5つのいくつかの症状が同時にあらわれることが多いです。

【TPPの代表的な症状】

  • 発熱による症状
    • 熱(38度を超えることも多い)
    • 倦怠感
    • 筋肉痛
  • 血小板減少による症状
    • あざができやすくなる(紫斑
  • 貧血による症状
    • 息切れ
    • 動悸(どうき)
    • たちくらみ
  • 精神神経症状
    • 頭痛
    • 錯乱(さくらん)
    • 意識を失う(意識障害)
    • 痙攣(けいれん)
    • 手足の麻痺
    • 言葉がしゃべれない(失語
  • 腎臓の障害による症状
    • 血尿
    • 尿が泡立ちやすくなる(タンパク尿
    • 手足がむくむ

以下でそれぞれの症状を説明していきます。

発熱による症状

TTPによる発熱では38度を超える高熱が出ることも多いです。発熱に、倦怠感や筋肉痛を伴うこともあります。

これらの症状だけみるとインフルエンザなどの感染症を想起するかもしれません。TTPであるかを見極めるためには、次に説明する血小板減少による症状、溶血性貧血に伴う症状、精神神経症状、腎機能障害による症状があるかどうかが非常に重要になります。

血小板減少による症状

血小板は血液を構成する成分の1つです。出血をした時に止血をする重要な役割があります。血小板が少なくなると、出血をしやすくなり、手足にあざができやすくなります(医学用語で紫斑:しはんと呼びます)。出血は手足だけでなく、脳出血や胃や腸からの出血(消化管出血)の原因になることもあるので注意が必要です。

貧血による症状

赤血球には全身に酸素を運ぶ役割があります。TTPでは赤血球が壊されてしまうことで、貧血による下記の症状があらわれます。

  • 息切れ
  • 動悸(どうき)
  • たちくらみ

また赤血球が壊された時にビリルビンという物質ができますが、この物質が黄疸(おうだん)の原因になるため、皮膚や白目が黄色くなることがあります。生まれつきのTTPであるUpshaw-Schulman症候群(アップショー・シュールマン症候群)は、生まれた直後に現れる重症な黄疸から見つかることもあります。Upshaw-Schulman症候群については「原因のページ」で詳しく説明しています。

精神神経症状

私たちの身体は脳で意識のコントロールを行ったり、手足を動かす指令を出したりします。TTPでは脳が影響を受けて、以下の症状が現れることがあります。

  • 頭痛
  • 錯乱(さくらん)
  • 意識を失う(意識障害)
  • 痙攣(けいれん)
  • 手足の麻痺
  • 言葉がしゃべれない(失語)

これらの症状は精神神経症状と呼ばれます。TTPの精神神経症状は一時的なことが多いです。ただし、後遺症を残すこともあるので、見つかり次第、早急に治療する必要があります。

腎臓の障害による症状

TTPでは以下のような腎臓の障害もしばしば起こします。

  • 血尿
  • 尿が泡立ちやすくなる(タンパク尿)
  • 手足がむくむ

腎臓は本来、身体の中の毒素を濾過(ろか)して尿として排出し、血液やタンパク質など身体に必要な成分は血管の中にとどめておく役割があります。TTPでは腎臓が障害されることで、腎臓が正常に働けなくなり、尿の中に血液やタンパク質が漏れ出るようになります。その結果、血尿やタンパク尿が出ます。腎臓の障害がかなり強い場合には、尿が全く作れなくなることもあり、透析が必要になる人もいます。

2. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と似た病気? 溶血性尿毒症症候群(HUS)はどんな症状があらわれる?

TTPと似た病気にHUSという病気があります。TTPとHUSは症状が似ていますが、原因や治療が異なるため、別の病気として扱われます。

  TTP HUS
病気にかかりやすい人 大人 子ども
症状の違い 腎臓の障害は比較的少ない 嘔吐、腹痛、下痢が先行する
腎臓の障害が多い
原因(詳細はこちら ADAMTS13の低下
ADAMTS13を阻害する物質の出現
O157、赤痢菌(*)
治療(詳細はこちら 血漿(けっしょう)交換療法 点滴療法のみで良くなることが多い
腎臓の障害が進行する場合には透析が必要

O157や赤痢菌以外にも免疫物質(補体)の異常でもHUSが起こることがあります。補体の異常によるHUSは非典型HUS(atypical HUS:aHUS)と呼ばれます。

HUS大腸菌の一つであるO157といった感染症により起こります。このO157感染により嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が先立ってあらわれることが多いです。また、TTPよりも腎臓の障害のあらわれる頻度が多いことが知られています。