血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の症状について:発熱、あざ、貧血、頭痛、むくみなど
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の
1. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の5つの代表的な症状
TTPには以下の5つの特徴的な症状があります。ただし、これら5つの症状が全てあらわれることは珍しく、この5つのいくつかの症状が同時にあらわれることが多いです。
【TPPの代表的な症状】
- 発熱による症状
- 熱(38度を超えることも多い)
倦怠感 - 筋肉痛
血小板 減少による症状- あざができやすくなる(
紫斑 )
- あざができやすくなる(
- 貧血による症状
- 息切れ
動悸 (どうき)- たちくらみ
- 精神神経症状
- 頭痛
- 錯乱(さくらん)
- 意識を失う(意識障害)
- 痙攣(けいれん)
- 手足の
麻痺 - 言葉がしゃべれない(
失語 )
- 腎臓の障害による症状
血尿 - 尿が泡立ちやすくなる(
タンパク尿 ) - 手足がむくむ
以下でそれぞれの症状を説明していきます。
発熱による症状
TTPによる発熱では38度を超える高熱が出ることも多いです。発熱に、倦怠感や筋肉痛を伴うこともあります。
これらの症状だけみるとインフルエンザなどの
血小板減少による症状
血小板は血液を構成する成分の1つです。出血をした時に止血をする重要な役割があります。血小板が少なくなると、出血をしやすくなり、手足にあざができやすくなります(医学用語で紫斑:しはんと呼びます)。出血は手足だけでなく、脳出血や胃や腸からの出血(
貧血による症状
- 息切れ
- 動悸(どうき)
- たちくらみ
また赤血球が壊された時に
精神神経症状
私たちの身体は脳で意識のコントロールを行ったり、手足を動かす指令を出したりします。TTPでは脳が影響を受けて、以下の症状が現れることがあります。
- 頭痛
- 錯乱(さくらん)
- 意識を失う(意識障害)
- 痙攣(けいれん)
- 手足の麻痺
- 言葉がしゃべれない(失語)
これらの症状は精神神経症状と呼ばれます。TTPの精神神経症状は一時的なことが多いです。ただし、後遺症を残すこともあるので、見つかり次第、早急に治療する必要があります。
腎臓の障害による症状
TTPでは以下のような腎臓の障害もしばしば起こします。
- 血尿
- 尿が泡立ちやすくなる(タンパク尿)
- 手足がむくむ
腎臓は本来、身体の中の毒素を濾過(ろか)して尿として排出し、血液やタンパク質など身体に必要な成分は血管の中にとどめておく役割があります。TTPでは腎臓が障害されることで、腎臓が正常に働けなくなり、尿の中に血液やタンパク質が漏れ出るようになります。その結果、血尿やタンパク尿が出ます。腎臓の障害がかなり強い場合には、尿が全く作れなくなることもあり、
2. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と似た病気? 溶血性尿毒症症候群(HUS)はどんな症状があらわれる?
TTPと似た病気にHUSという病気があります。TTPとHUSは症状が似ていますが、原因や治療が異なるため、別の病気として扱われます。
TTP | HUS | |
病気にかかりやすい人 | 大人 | 子ども |
症状の違い | 腎臓の障害は比較的少ない | 嘔吐、腹痛、下痢が先行する 腎臓の障害が多い |
原因(詳細はこちら) | ADAMTS13の低下 ADAMTS13を阻害する物質の出現 |
O157、赤痢菌(*) |
治療(詳細はこちら) | 血漿(けっしょう)交換療法 | 点滴療法のみで良くなることが多い 腎臓の障害が進行する場合には透析が必要 |
*O157や赤痢菌以外にも
HUSは